週刊少年サンデー感想(2005年第31号) (07/03) 「腐った葉っぱ」


ハヤテ
 ここでモテオーラ全開のハヤテに注目するか太まゆげの西沢さんに注目するかですよ。私? 私は西沢さんですよ、ラブコメ大好きですもの。ハヤテは某いちごのM中と違ってモテても納得できるキャラだと思いますし。タイプ的には「美鳥」の沢村に近いかな。「男から見て」男がモテても許せるかどうかのボーダーラインは誠実さ(一途さと言い換えてもOK)にあり!
 というか、ホントのホントに両親への天罰は頼みましたよ畑先生……? 第一話からこっち溜まりまくりのフラストレーション、いざという時が来たら十倍返しくらいで遠慮無用・爽快感第一で残酷なまでに跳ね返してやってくださいね? 中途半端に甘い処遇だと許しませんよ?

ガッシュ
 お、確かに「ファノン・リオウ・ディオウ」が「ファノン・リオン・ディオウ」になってる! これは連載開始当初の「バルク」と同じ現象ですね。きっと単行本では何事もなかったかのように「リオン」に統一されるのでしょう。
 さて本編ですが、バーガス・ファーロンで勝負を決めてしまわなかったことがリオウの敗因になると見ました。余計な下心なんか起こさずに、あれで的確に即死級の弱点を貫いていれば勝てたのに……。結局はこいつもゾフィスと同様、慢心が原因となって敗北と。誰を相手にしても手を抜かないプロタイプの敵は出て来ないのかなぁ……まぁ、そんなの出てきたら一瞬で負けちゃうか。家で寝てる時(もしくは風呂に入ってる時)に本を直接狙われてジ・エンド。そういう意味ではバニキスの「腹に隠れている」戦法は未だかつてないほど有効だったと言えます。確かにあれなら不意打ちのしようがない。

うえき+
 それを言うなら「ハンバーガー好きの罪はハンバーガー好きが責任を取る」でしょー!? となんとなくマジツッコミしてみるテスト。
 ところで今回も「植木が引き寄せる→ハイジが殴る」のコンボが成立した(不発だったけど)のは私的にちょっと見過ごせませんよ? 今のところ考えうる最も効果的なコンビネーションですからね。この先もずっとこのパターンが繰り返されると嬉しいんだけどなあ。でもたぶん選考会とか1vs1で戦うことになるからあまり拝めないんだろうなあ。
 新キャラのソラに関しては……ハイジとの絡みが早速美味しいなあと思いました。これは佐野×鈴子と同程度に期待できそうですよ? あと体型が逆えろすですね。普段は真っ平らなのに背筋を反らした時だけ胸の膨らみが確認できるというのはかなりえろすだと思います。このえろすマシーンめ! (どっちがだ)

ジャぱん
 せっとくりょく が なさすぎる。

コナン
 小五郎のネクタイが垂れ下がったのを見た時の尋常じゃない目の輝きっぷりは良いですね。ねこのおバカな様子が良く表れています。あ、あと甘噛み。生意気にも手加減しやがるねこどもの甘噛み描写も素敵ですよイヒヒヒヒ。青山先生はねこというものをなかなかわかっておられるようです。

MAR
 「オレは別に美少年じゃ〜」 のセリフは完璧腐女子の反応を期待してるんだろうなあ。

ワイルドライフ
 ちょっとくらい伏線不足でも、こういった展開は大歓迎ですよ。改心話であるだけでもなく、才能と努力のコラボレーションでもありますからね。まぁここで平波が仲間になったとしても、大した活躍は期待できそうにありませんが……。

クロスゲーム
 本当に殺しやがった。
 ああ、なんというか連載第一回の時点で「とっとと誰か殺せ」と姉妹皆殺しを叫んだ人間として言いたいことがたくさんあるのですが、ここでは一応二点に絞っておきますか。
 まずあだち先生の悲しみ描写に関してなんですが、これは僕が最も効果的だと信じている手法にぴったり合致するんですよね。すなわち作中で「悲しい」という言葉を一度も使わない。はっきりした言葉や直接的な表現は避け、あくまで行動と叙事描写に徹する。こうすると(原理はまだ完全に把握してませんが)伝わってくる悲しみが一層引き立ち、さらに後ほどはっきり「悲しい」と言わせた時の効果が激増するのですよ。まぁこれは悲しみだけじゃなく、喜びや嬉しさ・怒りを表現する時にも同様の手が使えるのですが……私は自分で小説やら詩やらを書く時はこれ(悲しいという言葉を使わない)を徹底しているのですが、それと同じ手法を使ってあだち先生がここまで魅せてくれると自分の表現に自信が持てるというかちょっと嬉しかったのでした。ああ、すごい私事でごめんなさい。でも今回はそういった意味合いよりも「子供だからまだ死の実感がない」という意味合いの方が強いのかもしれませんね。それがなまじリアルで一層切なくなるのですが……。
 で、もうひとつだけ言いたいことは……ズバリこの漫画のタイトルについて。「クロスゲーム」というタイトルとその横のクローバーを見ればわかりますが、この漫画は作品構造上「四姉妹の物語」であることが義務付けられているのです。ヒロイン三人じゃ成り立たないんですよ。なのにもう一人殺しちゃったということは……つまり、彼女はこれから霊魂もしくは呪いとなっていつまでも作品を支配し続けるということに他ならないのですよ!
 いや、実はこれって前者はともかく後者は結構マジな話で、これからの作中では、主人公の光、ライバルだった青葉、そして他の登場人物全員が絶えず「もういない若葉」の影を意識し、それによって行動を制限される事態になると思われるんですよね、かなりの確率で。生死はともかく、若葉は「不在の存在」として今後もずっと作品中に残るということです。つまり、これが「呪い」です。
 まさかタイトルのクローバーの葉っぱのひとつがすでにドス黒く腐っていたとは夢にも思いませんでしたが、そういうことで、ヒロインが一人死亡したのにも関わらず、この漫画はこれから「今もいる三姉妹+昔いたもう一人」の話としてずっしり重たく暗く機能してゆくのだと思いますですよ。脇キャラのエピソードレベルではなく、作品のコアのレベルで。これって少年誌とは思えないほど重すぎるテーマであって、その辺の新人〜中堅作家には手も足も出せないような難しい話なのですが、ベテランであるあだち先生がこれをどう料理するか。他に料理するもんはないのかと思いつつ、その手腕には期待したい所存であります。そういう意味で僕はあだち先生を信用してますので。作風自体は嫌いだけど。

犬夜叉
 あれ、自力で克服するんじゃないんだ……こんなんでいいの?

MAJOR
 最後の吾郎の表情がなんだか面白かったというかちょっと可愛かったです。

杉本ペロ新連載への軌跡・ネコなび
 な……なんじゃこの中途半端な漫画はァァァァ!
 ドキュメンタリーをやるならドキュメンタリーと! 創作ギャグ4コマをやるなら4コマと! はっきり決めんかァ!
 おかげでどっちのネタも消化不良を起こしてるじゃないですか! そもそもねこの可愛らしさがまったく活きていない! 奴らはねえ、パソコン机の上に勝手に登ってきてキーボードの前にどんと鎮座し「何だ文句あんのかバカヤロー」とガン垂れてくるので「お前がバカヤローだ」と顔をぎゅーっと後ろに伸ばしたり洗面所で歯を磨いてたら2メートルばかり離れた壁際でパタンといきなり横倒しに倒れてぐるにゃっとひっくり返って「オラとっととかまってくれや」とガン垂れてくるので「うるせーそんな格好で威張りくさんなや」と剥き出しの腹を揉みまくったり何があったのか突然狂ったように家中を走り回った挙句テーブルの足にガンと音を立てて頭を強打してもなんでもないフリをしながら少し離れていきなりこっちを振り返り「何見てんだオラァ」とガン垂れてくるので「お前正真正銘のバカだろ」と思わず拉致して全力で抱きしめたりといった魅力に満ち溢れているのですよ! この漫画からはそのねこ特有のキューティー仕草が感じられないのですよ! というか種類や血統などというくだらないことに拘っているうちはねこ好きとして三流四流五流であると断言せざるを得ないんだよ愚か者がァァア!! ねこはどんな種類も等しく可愛いんじゃ! ペットショップまで来て迷うな! ねこはリビドーで選べ! そして他のねこを見殺しにしろ! ペットショップでねこを買うということはそういうことなんじゃわかったかァ!!
 ハァハァ……とにかくですな! ちょっと予想以上にアレな出来に本気でショボーンですよ! ねこの魅力をこれっぽっちもわかっていない! 奴らは愛すべきバカなんです! そこを早く理解しないといつまで経ってもねこの本質には近付けませんよ! まったく、もう!

ケンイチ
 現代だからこそ全ての技術を習得・融合できたというのは逆説的で面白い設定です。実際はそう簡単には行かないんでしょうけど良くわからない説得力があります。「闇」の設定も正直なところ予想以上に良かったですよ。もっと適当な殺人集団かと思ってました(オイ)。
 そして次号アオリに成す術なく燃える自分がいます。不器用な男の壮絶なる最期の意地ですよ? こんだけ美味しい言葉を並べられちゃこの私がこんな罠にクマー!

あおい坂
 瀬川くんの活躍に燃え。右京も良かったけどここはやっぱり瀬川くんです。というかこっちのチャンスなのに緊迫感と絶望感を依然持続し続けるのは凄いと思いました。最近の「あおい坂」は本当に面白い。ここにきてようやくエンジンがかかってきたって感じかな……。

道士郎
 もう鈴淵の一件(道士郎の強襲はトラウマになるという教訓)を己の糧にしている殿が最高に素敵だッ! 道士郎の使い方がまた一段上手くなっている……手紙の読ませ方がまた上手いしなあ! そしてその技術で人々を幸せに導くのがもう! この年齢で人を感激のあまり泣かせることのできる人間がどれほどいるかって話ですよ。もう殿が魔界の次の王様で良いよ! その方が絶対みんな幸せになるよ!

結界師
 地味ながらも着実に外堀を埋めているのが心地好いです。今週の大半はなくても問題ないような必要性の薄いエピソードなのにちゃんと面白い。照れる限とか困る限とか遊ばれる限とか(笑)。そしてヒキのつけ方も見事だしなあ。ここで扇一郎が出てくるとは考えてなかったなあ……。これで正守と扇が対立する形になるのかな? まさかそのエサに教授が使われるとは思ってもみませんでしたが。なんというか、要素に無駄がないなぁ。

ブリザードアクセル
 たぶん来週フォローが入るんでしょうけど、あれだけ悩んだ金の問題に全く触れずに雷造をフィギュアの道に誘う吹雪にちょっと思うところがあったりなかったり。ま、ボレロは地味に儲かってそうだから(そうか?)これで良いのか?
 あとは例によって地獄の猛特訓をどれだけ地獄に描いてくれるか、ですね。失敗すると「からくり」の黒賀編みたいなことになっちゃうから気をつけて!

我聞
 掲載位置がこんなに前ッ! (妙に勘繰ってしまいます……)
 それはともかく、爆砕をマトモに喰らってなお剥き出しの頭部が無事だということは、青参式シリーズには頭部を何らかの方法でガードする機能が備わっているのがほぼ確実になったわけですね。見たところ通常の防御用装備は何もなさそうなので、ここにも新理論が使われている……つまり我也の仙術の応用で熱や衝撃を逸らしているということでしょうか。ということはそのうち我聞にも同じ技(防御術)が使えるようになるということですか? いや、ホントは単なる漫画上の都合だと思いますけどね……
 そして辻原さんの退社と眼鏡返上。我也といい百舌鳥さんといい辻原さんといい最近のサンデーは師匠が味方から外れるイベントが目白押しですな。これで辻原さんもめでたくフリーになったわけですが、でも彼の場合は完全なジョーカーキャラ(場合によって敵にも味方にもなる)ではなく味方寄りの独立勢力と見た方が良さそうですね。これからは独自に真芝を嗅ぎ回ったり、いきなりかなちんにヒットアンドアウェイを繰り出したり(?)絶体絶命のピンチに颯爽と助けにやって来たりするのでしょう。この色男め! ホンマ色っペ! マジで色っペ!! (???)
 というか他所様の感想で既に取り上げられすぎていて、今更辻原さんの眼鏡にツッコむ余地がもう存在しないんですがどうか。こんなに美味しいネタなのにー。 あと「営業抜きでやってけるの?」ネタも……。

見上げてごらん
 おや、溝黒くんはいいやつだったか。まー流石にこのまんまじゃ「ケンイチ」の古賀とかぶるか……。

クロザクロ
 幹人、終始パンツ一丁。
 芒、哀れ。
 御形&九蓋、君らはスグリ戦で何を学習したの?


 過保護と過干渉は別物であって、過保護は悪ではないが過干渉は悪であるという説があります。兄の場合はその両方なのでどっちにしろ良いことじゃないんですけどね……。

からくりサーカス
 ううむ、結局「ワタシは貴方たちに命を懸けるから、貴方たちもワタシに命を懸けて」ということで動物使役大戦争に突入ですか。リーゼにしては(いくら自分の側の動物ではないといえ)敵に対して冷酷だなーと思いましたが、これはそれくらい厳しくないと動物相手にやっていけないということなのでしょう。と前向きに解釈しますよ。
 ところでこの城で「本体」の話題が出た時からずっと疑問に思っているのですが、Oの連中はどっか他所のコンピュータに基盤となる情報(データ)をコピーしてないんでしょうかね? サンデーで例えるなら本体は原稿用紙で、実際に動き回っているOの端末は印刷された雑誌になるわけですから、その仲介となる原版=本体からコピーした個人情報が、普通はどっかのコンピュータに別個バックアップされているものだと思うんですけどね……。だからもし人間本体が死んでしまっても、そのデータが残っている限り、いくらでもOの再生は可能です。「ARMS」のネクストなんかはまさにそのシステムを利用していたわけだし。
 でも今週の様子を見る限りじゃ「原稿用紙」に手を出しただけ、に見えます。これじゃOの根絶は不可能ですよ。まだOは「安全」です。どうせやるならバックアップデータごと破棄しなくちゃ。

ミノル
 ということで最終回。えーと、私はそんなにこの漫画に思い入れがなかったのでちょっと簡単になりますが総括を。
 えーとですね、テクニックはあったと思うのですよ。めくり効果とかギャグのテンポとかちゃんといろいろ考え、そしてそれをきちんと実践していたと思いますよ。ただ、それが肝心の笑いに結びついていなかったような気がしてなりません。つまりギャグが空回りしていたような……登場人物全般、とりわけ主人公のミノルに対する一種の気持ち悪さ(不快感)も、とうとう最後まで消えませんでしたし。
 だからつまり何がマズかったのかと言いますと、ずばり女の子があんまり可愛くなかったことがマズかったのですよ! それとラブ! ラブが足りなかった! 女の子が可愛ければ多少アレなギャグでも読者は無理矢理ついてきますし、そこにラブがあれば妄想暴走も止まらないのですよ。そして主人公がどんなにアレでも読者は主人公そっちのけで脇キャラの可愛い女の子(もしくは可愛い男の子)に対するイマジネーションを逞しくさせ勝手に盛り上がります。
 だからここはいっそ鈴本さんを「史上初の中学生婦警」としてもっと前面に押し出すと同時に、世の無防備な男性諸君が「ミハルたんハァハァ」と興奮するようミハルにも手を入れると良かった(そこにさらに米田さんも、「オレを逮捕してくれェーッ」とお兄ちゃんたちを罪に走らせるようなキャラにすればなお良かった)。無論可愛い妹なんて存在は脳内麻薬の作り上げたちゃちな幻想に過ぎないわけですが、この場合はそれすら有効に利用すべきだったのです。つまり萌えです! 萌えがこの漫画にはそれが足りなかったのですよ!
 だからですね水口先生、次回があったらその時までにもっともっと女の子を可愛く描けるようになってください。外見はもちろん内面もですよ! そしたらあなたの持ち味である下品なギャグがある意味一層強力になりますゆえ! だからさらなるパワーアップを期待して待っておりますぞ! (特にフォローもなくおしまい)

D-LIVE!!
 カザロフたんのやられっぷりが実に素晴らしいですわよ。うふふ、素敵なドジっ娘属性ですコト! (何のキャラ?)
 今週ASEコンビに手玉に取られてギッタンギッタンにやられている姿ももちろん萌えですが、この後しょんぼりして帰ってゆく姿なんかを妄想するとさらに萌えです。そして百舌鳥さんに頭を下げて猛特訓を決意する姿とか、コロたんと共に地獄の訓練をこなし友情パワーを高めてゆく姿なんかも妄想すると激萌えじゃないですか。そして数ヶ月後、「わたし……あれからずっと、ずっとあなたのことがどうしても忘れられなかったの!」とナイフをかざしてヘビのように襲い掛かってくる姿なぞ、こりゃもう辛抱たまりません。今回のエピソードはカザロフたんの魅力が一層増したナイスエピソードだったと思います。これで夏の肉欲祭ではカザロフたんがメインの同人誌も出てくるカナ? (出てくるわけねー)

総括
 サンデー自体の調子はともかく、感想書きの調子はだんだん戻ってきたみたいです。このフォーマットってめちゃめちゃ書きやすいなあ。じゃあもっと早く更新しろと言われたらそこはそれ、大人の事情。……はい、がんばるます。
 っつーか上の文章がビタ一文たりともサンデーの総括になってないので補足。井上先生の新連載、次は一体どんな変態設定になるんでしょうねえ。実父ヒロイン右手の恋人と来て次は4人の運命の少女? しかもタイトルから察するにテーマが「コラージュ?」 まだこれだけだと何が何だかわかりませんが……なんだろう、4人の女の子が登場するが、その4人がそれぞれ違った部位において理想形を所持しているとか……そんなん? (意味不明) というかこれまでの設定を鑑みるにもう四重人格ヒロインくらいしか思い浮かばないんですけどこれってそんなに斬新でもないしなあ。読めん……奴の考えがさっぱり読めん……! (結局総括になってないですが、そこは大人の事情ということで)





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