週刊少年サンデー感想(2005年第47号) (10/22) 「最後は笑顔で」


金色のガッシュ!!(227)
 アリシエの必死の形相は迫力十分でしたが、頑張れば頑張るだけ死に近付くのが今の展開。もう確定的でしょうね、これは……。南無。

 しかし、ファウード編が始まってからちょっと気になっているんですが、今ゼオンの配下にいる魔物のほとんどはもう王の座を諦めてしまったんでしょうか? 虎視眈々とチャンスを狙っているにしては、あまりにも無策すぎるのが気にかかります。今回のザルチム(自分のプライドを取り戻すのに精一杯)やファンゴ(ファウードの影響下)はともかく、他のキャラから「自分は王になる!」という気概、信念のぶつかり合いがあまり感じられなくなっているのは残念です。そういう意味では、今一番面白いのはひょっとすると描写の少ないパピプリオかもしれません。奴はバカだから、まだ諦めていないはずだ。だがそれが良い。


名探偵コナン(542)
 山村刑事は出てくるたびに蹴っ飛ばしたくなります(問題発言)。こんな奴に国民の血税が支払われているかと思うと……そろそろ彼にも何かひとつくらい取り柄をあげても良いんじゃないでしょうか。

 それはそうと園子、そこで引き下がっちゃ駄目だろ。ここは「負けたとしても、それだって素直に教えてくれた方が嬉しい」と包み込んであげなきゃ駄目ですよ! 400戦無敗の最強格闘家が、自分の前だけでは弱いところを見せてくれるんですよ! そこにゾクゾクしなくてどうする! (知るか)


MAJOR(532)
 ジャパンは評価低くても松若の評価は高いところに何かを垣間見た気がします。何かを。


史上最強の弟子ケンイチ(168)
 とりあえずこれだけは言っておかなくてはなりますまい。

 おかえり、泉さん。

 たった1コマだけの登場とはいえ、あなたの存在は確かに確認しましたよ! 松江名先生はあなたのことを忘れてなかった! 松江名先生はあなたのことを忘れてなかったァァ! ぶっちゃけもうレギュラーに返り咲くことは無理な予感がひしひしとしますが、そうならそうで我々としてはモブとしてちょいちょい登場するあなたの姿をどこまでも追いかけ申してあげますぞ! それはもう桂さんのごとく! (え?)

 で、本編の方は、予想外の辻の再登場にちょっとびっくり。もうフェードアウトしたキャラかとばっかり思ってました。できることなら部下二人も一緒に山ごもりして即戦力レベルにまで強くなってたら私好みだったんですが、流石にそれだけいっぺんに出したら読者も混乱しますよね。ただでさえ辻一人ですら覚えているかどうか怪しいってもんなのに。

 (注:ちなみに辻は、かつて兼一に勝利したことのある数少ないキャラの一人です。当時の渾名は「モジャモジャ」。まぁ勝因は「実力では劣っていても、よりケンカ慣れしていたから」という少々アレなアレですけど)

 そしてヒキはヤムチャ化を拒む武田の奮起。これで兼一と谷本以外ぱっとしない新白にも、全体的なレベルの底上げの風が吹き始めるのでしょうか。師匠不在が絶対的に不利なこの状況で、テーマをないがしろにすることなく、師匠抜きのままでどうレベルアップを図るのか。ジークやキサラはかつての栄光を取り戻すことができるのか。そして宇喜田は無事キサラをゲットすることができるのか!? (結局そこですか)


MAR(129)
 次号アオリがどうしようもなく切ない。結局ガーディアン対決ですか。


犬夜叉(430)
 えーと、何が起きているのか、誰か解説してくれないでしょうか。現象がどうだこうだというよりも、絵柄がどうも見辛くて。いや、もう妖霊大聖の自作自演だったってことはわかってるんですけどね。


焼きたて!! ジャぱん(181)
 芸達者なのは認めます。似てた。


ワイルドライフ(135)
 人前で縛り本を読むのはちょっとマナー違反かと思うのですよ。公園でどきどきしながら官能小説を読む女子中学生のように、せめてカバーはかけような、な。(どんな例えだ)


ハヤテのごとく!(52)
 ハヤテも贅沢になったなぁ。昔は病気の時に看病されるだけでも幸せをかみしめていたのに、今や好きな人と一体一で差し向かって朝食を食べるようになっても特に感想なしですか、そうですか。幸せは人を簡単に麻痺させてしまうのですな。これが、私が不幸属性のキャラが好きな理由のひとつなわけですよ(不幸な人はちょっとした幸せにも巨大なリアクションを返してくれるのが良いんです)。今のハヤテは、そういう意味では残念ながらすでに不幸属性ではありません。可哀想に(?)。


読みきり(織田信夫)
 織田信長がちびっこ化する漫画なら、伊達正宗が女キャラ化しても良いと思ったんだけどなあ。なんかどっかの打ち切り戦国SF漫画みたいですけどねHAHAHAHAHA!!


道士郎でござる(69) 健助殿萌同盟
 そういえばアクセス解析を見ていると健助殿萌同盟(上のバナー)からこのサイトに来ていただいている方がそれなりにいらっしゃるのですが、そういった人達のニーズには応えられていないんだろうなーと思って少し前から結構気にかかっています。うちも殿の殿っぷりに萌えていることは間違いないのですが、その萌えの本質がたぶん絶対的な部分で違うんですよね。簡単に言うなら、うちのサイトは、殿が例え権地や鈴淵・竹中みたいな外見だったとしても、全く問題なく萌え続けるサイトです(断言)。見た目は一切考慮に入れていない異常なサイトなので、そこんとこはよしなに。

 それはともかく、前回は「うちを数で押すそのへんの雑魚チームと一緒にすんじゃねえよ」と偉そうにのたまっていたサウザンツが、形振り構わず数で押す作戦に出たあたりは実にリアリティがあって良いですな。流石不良漫画を描かせたら業界で五指に入る西森先生、あの連中のプライドなんてそんなもんだということを良く知ってらっしゃいます。さて、どうやって撃退するんだろうなぁ。ここで件の「アレに手を出すのはマズい気がする、帰るぞ」では誤魔化せないでしょうしねー。


結界師(95)
 ありゃ? ありゃありゃありゃ! 限、マジで退場ですか!?
 いや、この死のシーンは実際かなり良くできたシーンだと思いますけどね。何が良いって死なないかもしれないけれど、本当に死にそうに見えるのが最高に良い。良くある「死にそうだけど死なないのがわかりきっている」「ここで退場するのがなんとなく読める」死亡シーンとは一味も二味も違う緊迫感。不謹慎な感想ですが、とても良いものを見せていただきました。少年漫画のキャラの退場展開としては最上級に値すると言って良いかと。

 ……しかしここで死なれると、神田さんとのカップリングが中途半端なままで終わってしまいます。だから早くなんとかしてあげてよ兄貴! 修復術は人体には応用できないの? プライベートスクエア時間停止結界とか細胞を最も健全な状態に戻す幻の秘薬とかチヨバアの命と引き換えとかなんでもいいから早く!


クロスゲーム(8)
 赤石くんと中西くんが渋すぎますよ奥さん! こいつら何? 私の知ってる男子中学生という生き物は、もっと下品で「彼女にするならクラスで誰が一番良いか」とかいつもそういう妄想全開な馬鹿な話をしているはずなんですが! 体格のせいもあってこいつら高校生でも出せない貫禄に満ち溢れているんですが! これは一体どういうことですか先生! わかりません!

 というか今週も赤石×青葉のカップリングがさりげなく炸裂していてウハウハですよ。「光の野球部入りは誰にも言うな」っていうのはつまり、光を毛嫌いしている青葉への配慮なわけですよね? そのへんの微妙な心情を察し適切な気配りができるナイスメンだってことですよね? うへえ赤石いい男! (なんだこのテンション)


兄ふんじゃった!(37)
 とりあえず信頼のおける福祉団体に寄付しとけ。でも二億円くらいは手元に残しておいても良いと思うぜ。遊び呆けるためじゃなく、いつか自分の大切な人がピンチに陥った時のために。お金は人生の資本であり基本、学問における知識のようなもんです。そればかり求めてもいけないが、決しておろそかにはできない。


最強! 都立あおい坂高校野球部(40)
 こういう爺さんを名将と言うんでしょうねえ。鈴ねえじゃ正直相手になる気がしないですよ……ということは逆に、この試合は鈴ねえの監督能力を試される機会になるのかしらん。


クロザクロ(60)
 ここにきてやっと、この漫画の恐らくテーマであろう「輪廻」がはっきり語られるようになってきましたが、こうも直接的に、しかも手短に語られるとありがたみもへったくれもありませんね。折角傀牙の設定や登場人物の名前、ザクロの必殺技なんかで小出し小出しにしてきたのにもったいないなあ。


ブリザードアクセル(31)
 だから、徳永あかねって、誰?

 それはそうと、最近繰り広げられている解釈をめぐる議論がどうも個人的に腑に落ちなくてなんともはや。どうも本質を見失っている気がします。簡単に言うなら、気持ちが理解できるということと、それを表現できるということは全くの別問題では? 登場人物の気持ちを理解することばかりに目が行っていて、本来の最重要課題である「表現方法」についてのアプローチが軽すぎるのではないでしょうか(簡単にトリプルツイストができるようになったあたりとかに顕著ですが)。まぁ今回はシナリオ上あえてそのあたりは絞って描いているんだと思いますけど、フィギュア始めてわずか一か月半の吹雪がすでに表現技術を何の問題にもしていない姿からは、どうやっても無理が感じられるような。


こわしや我聞(83)
「なんだ、ラスボス中之井さんの同僚かよ」
「なんか一気に格が落ちた感じだな」
「今は偉ぶってるけど、昔は静馬のさなえはんにヒィヒィ言わされてたんだろ?」
「そう考えると威厳も何もないよな」
「大層に喋れば喋るほど笑えてくる」
「いっそさなえはん連れてきたら一発で終わってたんじゃないのか」
「中之井さんみたいに脱魂して撃沈、みたいな」
「むしろさなえはんへの恋心が捻じ曲がって今の状況になってたら素敵だけどな」
「さなえはんを手篭めにしたいあまり、仙術を無効化する研究に走った牙王」
「中之井さんはストイックだったが、牙王は己の欲望に負けてしまったのか」
「つくづく恐ろしい女よ、静馬さなえ」
「待てよ、じゃあ全部悪いのはさなえはんじゃないのか」
「そうだな、真のラスボスはさなえはんだったんだ」

 それはともかく、今回のマガツは建造コストの割に効果が限定的だなーと思いましたが、これは「自分たちの作った兵器でやられることがないように」ウィルスに対する解毒薬のつもりで建造したものと見ます。逆に言えばこれがなければ仙術兵器はどうしても実用化できないわけで……なるほど、あれだけ建造に躍起にもなるわな。それにこの方向を深化してゆけば、普通の人間から氣を奪って先頭不能状態にすることもやがてはできるようになるでしょうし。見た目よりずっとメリットが多い。なるほど、納得しました。

 そしてマガツの起動で地味に勝負の行方がわからなくなったのが十曲+番司vs七見+一般兵。番司・七見の仙術と十曲のスーツの機能の一部が封じられますが、一般兵の火力と十曲のスーツ強度はそのまま。しかし七見はどうやら一般兵から氣を奪い取りつつ戦う戦法を取りそうですから、番司が足を引っ張る分だけこわしや不利です。一体どうやって逆転するのか!? (と、書いたところでもう結末は見えている罠。だってこのまま最後まで出番がないのは流石にねぇ……)


絶対可憐チルドレン(14)
 本編の面白さは今更言うに及ばないとして、今回私が一番好きなのは催眠攻撃を解除しようとロードランナーで汗を流す皆本の姿だったりします。催眠という超自然現象にもちゃんとメカニズムがあって、理屈で対処できるというこのリアリティ! 前回の超脱線感想で言った「非科学的であることと理屈がないことの違い」を実に良くわかってらっしゃる! これなんですよ私が他の漫画にも求めているものは! みんなリアリティがないっていうのはこういうことができてないってことなんですよ! と興奮してしまうくらい素敵だと思ったのでした。

 あと、大人(?)になったチルドレンたちの衣装もちゃんと年齢相応の大きさに脳内変換できているあたり、皆本はつくづく健全な男だと思いました。場合によっては大人の体なのに服だけ十歳児のそれとかいう超絶マニアックな展開になっていた可能性もあるわけで……流石にサンデーでそれは発禁ものですね。いやあ健全で良かった良かった。


見上げてごらん(30)
 カマボコ丼はヤコあたりに受けが良さそうだと思ったのは私だけでしょうか。シンプルなのが逆に美味しい! とか言いそう。もちろん三杯どころかなくなるまで食べ続けます。それがヤコクオリティ。

 ……あれ、これじゃまるで「ネウロ」の感想みたいだぞ。


からくりサーカス(機械仕掛の神63)
 エリはきっとエレの中にルシールの面影を見ているんでしょうねえ。細かいところを語らない、そういう部分が大好きです。

 今の展開はアレ、「うしとら」で言うところの「季節石化」以降の章に該当するわけですね。「うしとら」も思えば、そんな風に味方の足並みが整っていない時に無理矢理最終決戦に突入していましたから。この調子で心がバラバラのまま戦いに挑み、そしてそれゆえに緒戦は敗北するが、やがて皆の誤解が解けて一致団結パワーアップ、黒炎だってちょちょいのちょいさ! となるわけで。その瞬間のカタルシスを今からじっと待つのが正しい藤田漫画の読み方です。

 しかし。フェイスレスの遅すぎるイメチェンには、笑いより先にちょっとした悲しみを感じてしまいますよ。白金に乗っ取られた大昔の村の少年があまりに可哀想で仕方がない。心を奪われ、人生も奪われ、体の大部分も機械化によって奪われ、そして今回でついに残った顔さえも奪われてしまった。彼のアイデンティティが、ついに全くの無に帰してしまった瞬間。表立って語られることはありませんが、今までフェイスレスが犯してきた罪の中でも、これは最も重いもののひとつなんじゃないかと思います。最後は「ARMS」のガウス将軍よろしく、この少年がフェイスレスに裁きを下す終わり方をすればまだ少しは報われるんですけどね……。


D-LIVE!!(41-2)
 どうでも良いことですが、この漫画の担当編集の人はマメで結構好きです。枠外の登場人物紹介に、こんな使い捨てのキャラも残らず掲載するこのマメっぷり。「コナン」なんかじゃ犯人だろうが殺されようが雑魚は雑魚、歯牙にもかけてもらえないというのに。

 本編の方は敵対グループの人達が妙にへっぽこで和みましたよ。敵役になりきれないお人好しのバカヤロウ、けど先生、お前らみたいなバカは嫌いじゃないぜ……!


ネコなび(17)
 うちのねこもでぶででかいから気持ちはよくわかる――と書こうと思ったが、書けなかった。何故なら、引きこもり運動不足のでぶと、喧嘩無敗の大将格では同じ巨体であっても何もかもが違うということに気付いたからである。

 近藤さんの異動がこの漫画に与える影響が心配です。地味にフェータルな傷になってしまいそうな、そんな予感が……。


総括
 今週のMVPは「結界師」より限の死に際の笑顔。死が加速する瞬間とか走馬燈のシーンも悪くはないですが、死者には笑顔のシーンを選択するのが藤田信者の努めなので。良い笑顔だったと思います。

 で、それはそうと福地先生……マジでどうしたんですか? 本当に大丈夫なんですか? あわわわわ。





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