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週刊少年サンデー感想というかまとめ(〜2006年第23号) (05/29) 「書き収め?」

始まった漫画:「ハルノクニ」「妖逆門」「武心BUSHIN」「GOLDEN AGE」「金色のガッシュ!!(休載明け)
終わった漫画:「グランドライナー」「D-LIVE!!」

 今回は各エピソード個別の感想というより、その間の連載を全体的に見ての一言、もしくは特定のモチーフについての語り、みたいな形式を取っています。じゃないと話題が古すぎるし、何より書くのが終わりません(汗)。ただ、今回はいつにも増して暴走癖が酷いです。あっちこっちに話が飛ぶので、ついてけないと思ったらその場で切ってしまうことをお勧めします。あと、基本的にどの話も自分の想像を元に根拠のない妄言を適当こいてるだけなので、言ってることは絶対に鵜呑みにしないでくださいね(笑)。断定調の多用には少しでも文章のリズムを取るための精一杯の抵抗という以上の意味はないし、自分でも自分の言ってることを頭から信じてるわけではありませんから……。


金色のガッシュ!!(〜245)

○最近のガッシュ
 そういえばこれが休養明け初めての感想になるんですが、正直あんまり変わってねぇなぁ……といったところ。それも高次元で安定してるんなら良いんですけど、良くも悪くも変わってない、むしろどっちかというと悪い部分が改善されていないなぁ、という印象です。キース戦の変な魔物の乱入とか、展開に都合の良すぎるバリアの設定だとか、そういった強引で説明不足な箇所は、作者にきちんと話を考える時間ができれば改善されるかと思っていたんですが……。

 まぁそういった強引で唐突な設定や展開は師匠直伝だからしょうがないとしても(苦笑)、感動を高めるための用意周到さまで欠けてしまっているのは残念でなりません。去り際の会話とか、笑顔とか、そういった部分部分のキメの演出はなかなか良かったと思うんですが、その下準備である動機付けが甘いせいで、お話としてごく単調なものになってしまっています。だから見え見えの展開ばかりが目立って、多少感動的っぽい結末を迎えてもどうもノれませんでした。

 ていうかあちこちの感想を見ていると「予想通りの展開だからつまらない」「消化試合にしか見えなくて盛り上がらない」「想定内の話ばっかりだからダメ」といった意見が多い気がするのですが、私の考えは少し違っていて、最近のガッシュがつまらない(ように思う人が多い)のは、話が読めるからではなくて、単に読者を感情移入させきれていないからでしかないと思うのです。確かに意表を衝いた展開は面白さの一要因にはなりえますが、かといって王道な話がダメというわけではありません。どれだけベタな話だろうと、わかりきっていた結末だろうと、面白いものは面白いんです。面白くないのは他に原因があるからなんです。何度読んでも楽しめる、話を知っていても楽しめる漫画が誰にだってありますよね? そういった漫画の面白さは、刹那的に話を予想外の方向へ動かすだけでは生まれません(一度読んだら面白さは失われてしまいます)。その下地となるキャラの感情の動きがしっかり描かれていて、かつ読者をそれにシンクロさせることから生まれています。そして最近のガッシュは、こういった部分が欠如しているからこそ面白くない。話が読める読めないというのは本質には関係がない。と思っているのですが、どうでしょう?

○本が燃える条件
 で、そんな感じで最近の本編では味方キャラが続々(想定通りに)退場し続けていますが、なんかどのキャラも決まって、相手の魔物に負けて本を燃やされるのではなく、自爆に近い形で本を失っているように見えます。爆発から逃れるためにリタイアしたウォンレイ、雷の結晶を壊すため相手の攻撃をわざと食らったテッド、エネルギー波で死ぬ前に自ら消えたバリー、自身のパワーの暴走を免れるために帰ったカルディオ……。まともに戦って力及ばず消えたのは、せいぜいvsザルチム戦のリーヤくらいでしょうか。

 どうしてそういったことになっているのかというと、それは単に味方キャラは勝利シーンで終わらせたい、という理由ではなくて、恐らく雷句先生の中に「信念ある者は信念なき者には絶対負けない、負けさせてはならない」というポリシーがあるからではないかという気がします。こう考えると、ファウード(ゼオン)の支配を受け自らの「王になる」という意志や信念を失った魔物や、ファウードの命令に盲目的に従うだけの体内魔物に、ガッシュ側の信念あふれる魔物が一人も実質上の敗北を喫していないのも納得がいきます。ザルチムだけは例外的にリーヤと相討ちにまで持ち込めたのも、彼だけはまだ自分の意思で戦っていたからであると考えることができます(もっとも戦いの動機は王云々ではなくて、友情やプライドにすりかわっていましたが……)。なので、自爆死が多いのは、心を失くした敵「ごとき」に信念ある主人公組を敗北させることができなかったから、というのが真相だったのではないでしょうか。

 でも、この展開でそのポリシーを貫き通そうとするのは、はっきりいって失敗でしかなかったですね。どの戦いも不自然な終わり方ばかりで、本来のようなマトモな決着をつけられなくなってしまったのですから。あるいはこのような流れにせざるを得なかったことがファウード編を採用したことによる最大の失敗だったのかもしれません。ただ当然、この話は「自らの意思で行動しているラスボス」ゼオンとは関係がありません。果たして枷が外れた時、どのような大暴れがやってくるのか。反動でものすごいことになりそうな予感がするのは、果たして私だけでしょうか……。

○残りの魔物
 さて、脱落者も増えてきて、そろそろ気になるのが残りの魔物の数。ラスト40名宣言が出たのが9巻最終話、石版魔物編開始直前のことです。それから今まで出てきた魔物を列挙すると、

 <主人公組>
 ガッシュティオキャンチョメウマゴンウォンレイキッドテッドモモンアースカルディオリーヤ

 <ゾフィス組>
 ゾフィスビョンコパティ

 <リオウ・のちのゼオン組>
 リオウザルチムロデュウキースブザライパピプリオチェリッシュファンゴギャロンジェデュンホウガンゼオン

 <単独活動組>
 ブラゴバリーバランシャバーゴドンポッチョコーラルQレインエルザドルアシュロン

 となります。青が存命組、赤が脱落組、緑が不明組です。この時点ですでに登場35組中22組の脱落を確認、残り12組(アシュロンを含めると13組)しか生き残り確定がいないことになりますね。もしアシュロン組とその他の未登場魔物5組が全て生き残っていたとしても18組。そして物語的にロデュウとジェデュンの退場が近いことを考えると、実際には残り16組と考えるのが妥当ではないかと思います(ついでに言うならモモンとチェリッシュにも死亡フラグはビンビン立っている気がするので、14組と考える方が良いのかも)。いやあ、なんというか、そろそろ誤魔化しが効かなくなってきましたね(笑)。特に未登場枠がアシュロン組を除いて最大5組分しかないというのは非常に重要です。これまでのように安易な新キャラで話を動かすことができなくなっちゃいますからね。今いるメンバーをフルに活用する展開が必要となるということで、いよいよこれからがシナリオ作家としての雷句誠の真価が問われることになるのかもしれません。


名探偵コナン(〜567)

○探偵甲子園
 なんというか凄いですねえ。まだ高校生とはいえ、全国各地から浮気調査のエキスパートが集まった絵面はまさに壮観の一言です。彼らが揃えば、どんなに巧妙に仕組まれた浮気だろうと、たちどころに見破って真実を白日の下に晒してしまうに違いありません!

 というネタを探偵甲子園編初期に考えていたんじゃよー、という話でした。いつの話だよ。

 しかし、みなさん「ボクっ娘」に喜びすぎですよ! そりゃ良さがわからんわけでもないですが、今でも大好きな私のダンナ様ってなもんですが!(?) しかもその後もボクっ娘セーラー属性とかコスプレ属性とか「いい歳して」属性とか、どんどんえげつない属性が付与されるたびにいちいち反応しおって。 私? 私はそんなもんに反応なんてしませんよ! 馬鹿にしないでいただきたい! ただ彼女が昔のセーラー服に袖を通す時に、自分の腹が当時より出てることに気付いて軽く落ち込んでたり、それでも無理にスカートを履いたせいで腹が苦しかったり、そのせいでトイレに行きたいのをずっと我慢してたりしたらまさしく踊り始める勢いで萌え狂っていたでしょうね! (だめじゃん)

○他の事件について
 ノーコメント。まぁ最近に限らず、ずっと前からノーコメントが続いているようなもんですが。パズルに徹しきれず、ドラマに徹しきれず。キャラに思い入れがない身からすると、どう感想を書いて良いものやらわからないのです。


MAJOR(〜559)

○おにいちゃんといもうとさん
 なんだ結局妹かよつまんねーの!とお嘆きの諸君。
 逆に考えるんだ。
 「妹なのに寿とくっつくかもしれない」と
 考えるんだ。

 まぁ私のアンチ妹萌え理論からすると、実の兄妹である寿と美穂は一見成立しないカップルのように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。私の説は正確に説明すると「家族として長い年月を共に暮らしてきた妹は恋愛や萌えの対象に断じてなり得ない」なので、そうではない場合、例えば今回のように事情があって長いこと他人同然に過ごしてきた例ならば、例え相手が実の兄妹でも恋愛に発展することも女ぶることもあるかもしれないですよ? 要は血の繋がりがどーだこーだじゃなくて、長い時間を共有することによる現実の認知、相手のリアル(汚い部分)といかに対峙するかが問題の核ですからね。リアル汚点から目を逸らし相手に理想を見たまま恋焦がれるか、もしくは慣れ合いすぎてリアル汚点を当然のこととして受け入れてしまうか。「ケンイチ」の谷本はその両方を同時に達成してしまった非常に稀有な例なわけですが……(笑)。

 (ということを書いた後に壁ハウスさんの25号感想でほとんど同じことが言われているのに気付いてショッキング。まぁそりゃーこんなもん読まされたらこーゆー感想出てきますよね! ね!)

 そうそう、あとこれだけは言わせてもらいます。
 美穂には絶対にメガネが似合うと思うんだ!!!!  (バカ)


○最近のMAJORの本筋の方
 無難な展開が続いているので特にコメントはないですねぇ。ひとつだけ言わせてもらうなら、もしWBCで日本が負けていた場合の「アナザーMAJOR」がちょっと見たかったかなぁ、とだけ。あの劇的優勝劇はこの漫画にこれから相当影響を与えると思うので……。


ワイルドライフ(〜159)

○宝生さんの妄想暴走顛末記
 この漫画では、少し前に宝生さんの妄想が炸裂しまくっていたわけですが……だが正直に感想を述べると「うーん、惜しい」! 妄想暴走属性に一家言あるワタクシとしましては、これではまだ不十分だと言わざるを得ないのであります。一言で言えば、彼女の妄想は少し内に向かいすぎている。例えばちょっと前のライオンの回で鉄生との新婚・赤ん坊ライフを妄想しているシーン。ここで彼女は勢い余った鉄生(妄想夫)が、赤ん坊にあげていたおっぱいに自らむしゃぶりついてくるシーンを妄想して彼岸へと旅立っていますが、真に妄想暴走属性を極めたいのであれば、鉄生をちょっと離れたところに連れ出して「恥ずかしいけど、あなたなら私は……」とかなんとか言いながら作業服を脱ぎ始めなければいけないのですよ!!!!(力説) 少なくとも妄想中にヨダレを垂らすくらいのことはしてほしかったものです。こういう言い方をすると彼女はまるで変態そのものですが、まさにその通り。妄想暴走属性とは妄想と現実の区別をなくす体質のことであって、その過程や結果において彼女が変態的行為に及ぶのは致し方ないことなのです。むしろ我々はそこ、すなわち妄想が現実を侵食している様を観察することによって、人間特有の想像力や発想力というもの、積極的なイメージのパワー、「夢」のもつエネルギー、そしてそれが現実の困難な状況を打破する様子を再確認し勇気付けられることに至高の極楽を見出すのであります。これは己の成長を賭け、夢を追う過程で自らの価値に挑戦し続ける少年漫画の主人公たちとなんら変わるところではありません。ああ、なんと少年漫画と相性の良い考え方であることか!

 以上の話でもうおわかりでしょう。宝生さんに足りないのは現実に干渉する能力です。いくら激しい妄想を繰り広げたところで、妄想の裡(うち)に閉じこもっているだけでは片手落ちなのです。そのイメージをもって現実世界に挑まなければ真の妄想暴走属性ではない! 名だたる妄想暴走属性の偉人たちはみな悉くその壁を突破しています、いやむしろ突破したからこそ名を残すことに成功したのです。なぜなら妄想暴走属性とは人間が困難な現状の変革を願う姿、己の裡の理想を胸により良い未来を達成するための戦いを挑む人々の総称なのだから、そしてその姿にこそ我々は感動し打ち震えるものだからであります。以上、妄想暴走属性と宝生さんの欠点について、僭越ながら少しだけ語らせていただきました。ご清聴ありがとうございました。

○最近のワイルドライフ
 言いたいことは全部言っちゃったので、あとは特に何も……(マジか!)。
 ……ああ、そうそう、23号の平波教授の「治療費も払えない人間にペットを飼う資格なんてない」というのは概ね正論だと思いますが、しかし飼い始めた当初からそんな経済状況だったとは必ずしも言えないわけで、貧乏者は即ペットを手放せというのも酷すぎますからねぇ。私としては正論だと思うが全面的に賛成はできない、ということで。


ハヤテのごとく!(〜79)

○最近のハヤテ
 私が感想を書くのを止めていた間、最も変わった漫画のひとつかもしれないのがこの「ハヤテ」。はっきり言って、短編を描くのがずいぶん上手くなったと思います。特有の「作り物臭さ」も大幅に影を潜め)、情報過多で混乱気味だった構成もネタを絞ることで相当すっきりして読みやすくなったのではないかと。絵がまだ下手なのは仕方がないとしても、構成力という面では連載初期とは見違えるように良くなっているんじゃないでしょうか。いやあ、凄いなぁ。あとは最大の問題、つまり長編におけるどうしようもないグダグダっぷりの改善という大仕事が待っていますが、それはもう少し様子を見る必要があるでしょうね……。

○もひとつ、気になっていること
 最近、ハヤテの立場が受けから攻めにシフトしてきていますね。それも生半可な攻めではなく、他のほとんどのキャラに対して優位に立つほど圧倒的な攻めの位置に。

 いかにもな見た目と性格と不幸体質から連載初期は総受けと言われ、いろんなキャラにいじられまくっていたハヤテですが、最近は意外と多くのキャラに対して優勢な戦いを繰り広げています。(これは連載初期からですが)ナギを振り回し、マリアの精神的な穴を的確に突き、ヒナギクも気がついたら手玉に取られていて、咲夜や桂先生に至ってはほぼ一瞬であしらえる程になりました(西沢さんは最初から最底辺のキャラなので割愛)。このハヤテ周辺の劇的なパワーバランスの変化には正直驚いています。ひょっとするとこれが最近の好調の一因になっているのかもしれません(変化型のハーレム漫画として安定してきたということ?)。

 で、ここで最も特筆すべきことは、そのトップクラスの攻めであるハヤテがまた同時に、依然として「受け」をも担当しているということです。彼の攻めは基本的に天然ボケから来るものなので攻め属性としてのインパクトに欠ける(周囲のキャラの自爆にしか見えない)上、相変わらずハヤテの空回りを強調した作りの話になっているので、読者目線からするとハヤテは相変わらず受け属性のままです。実際の役割と見た目との間に大きな認識のギャップが生まれています。まぁ、このギャップが実際にどういう効果を及ぼすのかまでは、まだ掴みきれていませんが……。

○ちなみに最近のマリアさんについては
 ハヤテとは対極に、どんどん「攻め」から「受け」へと立場が転落しつつあるのが彼女。といっても彼女の場合は、ギャップのようなものは特になく、作中の立場も読者の目線も同じ方向に動いているわけですが……(苦笑)。でも初期の影の薄さに比べ、こんなんになっちゃってから俄然輝き出した感が否めないので、彼女にはこの路線を突っ走っていってもらいたいと思います。がんばれマリアさん。私は君のようなヨゴレヒロインが大好きだ。


MAR(〜154)

ひょっとして最終回が近づいてるのかな……。

○最近のMARについて
 何を言っても文句になるのでノーコメント。評価はずっと横ばいです。以上。


結界師(〜121)

気がついたら黒芒楼編がすっぽり終わっていた……。

○松戸vs白
 んー、やりたいことはわかるんだけど、上手く表現できてない気がする……というか、このバトルを読んでると、何か釈然としないものが残るような気がするのですよ。というのもですね、このバトル、表層的・物理的なやり取りの百倍くらい、その裏に流れている深層的・精神的なやり取りの比重が高いんですよ。そしてそのくせ、深層部分が上手く伝わるように描ききれていない。表層的な流れは深層的な流れに大きく依存しているのに、そのリンクがバトルを盛り上げる方向に上手く動作していない。だから読んでも何故かしっくり来ないものがある。といったようなことではないかと思うのです。

 具体的に言うなら、このバトルは「松戸が白の狂気に負け、リベンジのため自身も狂気を身につけたがやっぱり勝てなくて、でも最後は愛の力で勝った」みたいな流れだったと思うんですが、そしてそれが上手く伝達されて初めて盛り上がるバトルだったんですが……そこまで読み込んで妄想できた人ってどのくらいいたんでしょうね。私みたいな病的に読み込むタイプの変人ならともかく(笑)。結局のところ作者の表現の意気込みだけが常に前に出ていて、肝心のバトルのノリが弱かった勝負だったように思います。決して頭脳的なバトルというわけでもなかったし。

○火黒vs藍緋
 とりあえずこのバトルのBGMはあらゆる意味で「ラクトガール」以外考えられないのですがそれはさておき。
 バトル本編はまぁ想定の範囲内だったから置いておくとして(オイ)、人間と妖怪の恋愛話、良いですねぇウフフフフ。こういう相容れない存在が不器用に寄り添いあうような話は大好物ですよ? ジャンプの「みえるひと」にもそんな路線を期待していたんですけどね。まぁそれはどうでも良い。
 しかし藍緋が世代交代して死んじゃうとはなぁ。藍緋はサンデーきっての尻ヒロインだから、そう簡単には死なないと踏んでいたんですけどねえ(どういう理屈だ)。まぁ藍緋の娘たち(?)の登場に期待しておきますか。大量の尻ヒロインがいつか「結界師」を埋め尽くす、その時まで……。

○良守+影宮vs火黒
 この戦いを見ててはっきり悟ったんですが、この漫画には何が足りないって、圧倒的に流血が足りないんですよ。敵も味方も、肉体的にも精神的にも。だからイマイチ迫力がないんです。流血という言い方がアレなら「わかりやすい明確なダメージ描写」と言い換えましょう。肉体的にボロボロな様子、精神的にボロボロな様子、といったものが伺えない。勝利の快感のバネにするための逆境の表現が甘い。

 とはいえ、感情の流れの描写自体については別に手を抜いているわけではなく、むしろサンデーでも屈指のレベルに達しています。限の死後の空虚感や松戸先生の一生懸命な狂気、藍緋の複雑な想いなんかは見事に表現できていました。ただ、そういった隠喩的な表現が達者すぎるため、それに溺れて表層的・直接的な表現がおろそかになっている印象もまた強いです。先の流血に代表されるダメージ描写の軽さももちろんですが、激怒に顔を歪める良守とか号泣する時音といったわかりやすく大胆な感情表現が出てきたこともなく、みんな静かにキレたり落ち込んだりしてるだけです。バトルでも今までの戦いで良守や時音が派手に大怪我を負ったことなんてないですし、服装(仕事着)だってびっくりするほど綺麗なまま。敵にしても、こちらは腕が飛んだり貫かれたり斬り裂かれたりと派手ですが、痛そうにするリアクションが希薄なのであまり重傷といった感じがしません。だから戦いが盛り上がらない。言ってしまえばベースとドラムだけの演奏のようだというか……土台は非常にしっかりしているのに、ボーカルやギターといった目立つ要素がないので演奏としては映えない、という残念な事態に陥っている気がします。これがこの漫画の持ち味だと言ってしまえばそうなんですが、しかしこれは少年バトル漫画にはあまり向かない描写法だと思うのです。

 で、それを打ち破るため、冒頭で言った流血を希望したいところですね。これが一番お手軽にわかりやすくダメージを描写できます。あるいは服をビリビリに破るのも有効ですし(「そういう意味」じゃなくてね)、苦痛の絶叫を上げさせるのも効果的です。そうやってわかりやすく見るからにピンチに陥らせた上で、それを力と根性と策でドーンと跳ね返す! この漫画に足りないのはこれなんですよ! 最悪の状況から最高の結末へ! これがバトル漫画の醍醐味、藤田御大風に言うなら「世界中の子どもたちに愛と勇気をね! 与えてあげる前提で、――まず怖がらせるだけ怖がらせてあげちゃうよ――ん!! 一生残る恐怖と衝撃で、一生残る愛と勇気をね!!」 というやつですね! あ、違うか。

 えーと、何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが、つまりですね、もうちょっと怪我とかさせても良いんじゃないかなーということです。特に今回は姫のパワーのおかげで多少無茶な回復をさせても許される状況だったので、ここで一発瀕死にしておけばもっと盛り上がったのになぁ、と思わないでもない次第です。

○黒芒楼編まとめ
 さて、個別のイベントの感想はそんなもんですが、黒芒楼編全体の感想はというと……「なんだかちぐはぐ」、といった感じですね。みんな勝手に乗り込んで勝手に戦った結果勝手に終わっちゃった、とでも言うか。これは恐らくイベントクリア条件を簡潔に明示しなかったのが原因でしょう。「姫を倒す!」とか「影宮を助け出す!」といった多くのキャラに共通する大局的な目的、これさえやれば黒芒楼編が終わる! といったものが明確に示されていないので、何をやったら終わりなのかわからない。だから妙に統一感のない話になってしまったのではないかと思います。

 ただ、それぞれの脱出風景、締めの余韻の持たせ方は流石でしたね。好きだった場所の思い出をそっと持ち帰る紫遠、松戸戦のテーマを見事決着させた白と姫の最期、次の世代に望みを託して人知れず朽ちた藍緋。こういう「多くを語らず、想像させる」手法はやっぱり本当に上手いと思います。


史上最強の弟子ケンイチ(〜194)

○最近のケンイチ
 まず王編は……まぁこれはこれで感想書かなくて良かったような気がしますね。どうせしょーもない王様論とやらを振りかざしていたに決まってますから(苦笑)。あ、でも追い詰められた兼一の「ならばたった今はっきり宣言しておく!! ボクはキサマら全員ブッ倒すまで決してやられない!!!」 の見開き、それと「無理!!」 は素晴らしかったです。前者はゾクゾク、後者は爆笑&納得。直前まで敬語+オドオドの直後に熱血台詞を吐いたり、シリアスな追い込みの直後に小市民丸出しの言動を取ったり、キレの良い演出特有の素敵なコントラストを堪能させていただきました。「ケンイチ」はこういう瞬間の演出力に優れているんですよねー。因縁作って悪行を並べ立てて……と長々伏線を張るタイプの演出力には、若干欠けるところがあるけれど。

○梁山泊最強決定戦
 結局誰が一番強いんでしょうね。サンデー的には伝統として中国拳法最強説が濃厚ですが、この漫画にそんな常識は通用しませんしね(笑)。でもいずれにせよ、もし一度戦いが始まってしまったら、恐らく梁山泊は周辺一帯ごとこの世から物理的に消えてなくなってしまうことだけは確実かと思われます。

○梁山泊体験入学編
 しおりん萌えが存分に堪能できたのは良いのですが……しかし岬越寺師匠のアレはちょっと洒落にならないんじゃないですか? 私、こういう人格改造とか乗っ取りネタは苦手なので、ギャグといえどなんともかんとも……。


クロスゲーム(〜31)

○最近のクロスゲーム
 以前から変わらずまったり。展開は至極スローペースですが、着実に積み上げている印象で読み心地はなかなか良い感じです(byかつての大のあだち嫌い)。コンスタントに赤石くんと大久保さんの出番があるので萌えも十分。……これくらいしか言うことがないなぁ。いい意味で。


犬夜叉(〜457)

○最近の犬夜叉
 特に言うことなし。ただ最近思うのは、もし犬夜叉一行の中に清麿がいたら、戦いの期間も犠牲者の数もきっと今の数分の一に抑えられていたんだろうなぁー…ってことでしょうか。みんな迂闊すぎよ!


焼きたて!! ジャぱん(〜207)

○最近のジャぱん
 雪乃の逆転タルト以降「もうどうにでもしてくれ」的な感想が多いようですが、私はむしろあの展開には好感を持ってたりします。何と言いますか、「リアクション」というものを徹底的に突き詰めるとどんなことが可能なのか、最終的にどうなってしまうのかといったことを追求する格好の素材になっている気がするからです。むしろそれまでのただのイジメ不愉快漫画だった頃から比べると、見所ができた分だけ随分マシになりました。まぁ橋口先生が本当にリアクションを極めるつもりで今の展開を続けているのか、それとも行き当たりばったりに苦肉の策を連発してるうちにこうなってしまったのかは良くわかりませんが、作者の思惑如何に関わらず、現状の展開はすでに未曾有の地点まで到達してしまっているわけで……このまま突き抜けると最後はどこに到達するのか、見届けてみたいと思います。

 ……こう書くと、自分ってホントこの漫画に対して非常に冷たいスタンスしか取ってなかったんだなぁ、と我ながらちょっとびっくりしてしまいますね。上の話、一見どうしようもない展開にも暖かい眼差しを向けているように見えますが、要約すると実は「お前にはもう何も期待していない、せめて捨て石になって死ね」って言ってるも同然なわけですからね……。騙されちゃあいけません。


ハルノクニ(〜12)

○そういえばこの漫画始まってから一度も感想書いてないや
 ということで今までの雑感をば。簡単に言うなら、「ペースを間違ってるなぁ」。この物語のペースは長編小説のペースです。週刊連載漫画のペースではありません。こういった「肝心なことを伏せつつジワジワと盛り上げる」手法は、小説のようにいっぺんにある程度の分量をまとめて提示できるケースか、もしくはすでに長期の連載を経てキャラや設定を読者に馴染ませた後に初めて効力を発揮します(たぶん)。週刊連載漫画の場合は、それより短気的な盛り上がり、読者の目先の喰い付きを優先させなければなりません。それがこの漫画には決定的に欠けている。ジャンプを読んでらした方なら、かの「ユート」がまさにその失敗を犯していた、そしてこの漫画も似たような道を辿りつつある、と言えばわかりやすいでしょうか……。

 第一話のハルの死は確かに衝撃的でした。しかし、それ「だけ」で七週も八週も物語を引っ張り続けるのは流石に無理があります。早い段階で新しいエサ、つまり「主人公への感情移入」と、そのための事情の説明を投入しなくてはすぐに読者はついていけなくなってしまうでしょうね……。

 それともうひとつ失敗しているなーと思うのが、「語り手」の不在です。ギリに感情移入させることが物語の都合でまだできないのであれば、それに代わる感情移入先を用意すべきでした。志乃とコーさんはまさにそのためのキャラだと思っていたのですが、現状の扱いではまだ語り手と呼ぶには弱すぎます。本来なら、第一回からずっと彼女・彼の視点で物語を進めるくらいはやっておくべきだったのですが……。

 以上、ここまでがハル(ねこ)の正体がわかる頃までの感想。

○最近のハルノクニ
 で、やっと明かされたハルの正体、そして敵キャラの紹介、高まる決戦の気運……てな感じの展開ですが、なーんか盛り上がりませんねぇ。やっぱ主人公側への感情移入の度合いが足りないのと、敵の大きさ・強さの描写の不足がダブルで効いてるってところかな? 何考えてるのかよくわからん主人公が、イマイチ怖くない敵と戦う……うわ、すっげーつまんなさそうな漫画だ(笑)。うーん……どうしたもんでしょうねえ。占拠前の段階ならいくらでも手はあったのですが、これから挽回することは結構難しいんじゃないかなぁ?


妖逆門(〜11)

○ハルノクニの感想を書いてないということはこっちも一度も書いてないということで
 これも初めての感想になりますが、新人×タイアップものの宿命か、薄味の漫画ですねぇこれ……。薄味、つまり作者の描きたいことがわからんというか、「この人はこういう漫画を描く人だッ!」という個性が見えてこない。失礼を承知で言わせていただくと、今のところの「妖逆門」は、少年漫画の確立されたパターンの一番表層的な部分を、できる限り機械的に淡々となぞっているだけの漫画、という印象です。あだち漫画なら「遅い」とか、藤田漫画なら「濃い」とか、万乗漫画なら「無茶」「ロリショタ」「BP」とか、そういった一発フレーズが浮かんでこない。しかも高レベルでソツなくこなしてるならまだしも、感情移入は中途半端だし、設定説明も曖昧に誤魔化してるし、フエの出番も初期以降全然ないし(笑)。う〜ん、ここまで無味乾燥な漫画は初期の「MAR」以来だぞ。

 ただ、最近は週刊連載に慣れてきたのか、ちょっとずつ作者の味が出始めてきたかなぁ、という気もします。つってもまだ全然わからないんですが、アキのパンツ連打とかそのへんでちょっと作者の意気込みを見たような気がするので、どうかそこから何かしら「自分の出し方」を掴んでくれると嬉しいですね。……パンツから進化してもロクな方向に行かないだろとか言わないように。

○妖怪の本質と妖逆門の妖怪
 それでこの漫画に出てくる妖怪、わざわざ藤田御大の協力を得てまでセールスポイントにしている妖怪ですが、正直この使い方はちょっといただけない感じ。簡単に言うなら、これ別に妖怪でなくても、アイテムでも何でも同じじゃないですか。わざわざ妖怪にしたのなら、ちゃんと妖怪らしい使い方をしてくれないと白けてしまいます。

 というのもですね、そもそも妖怪というのは、――これは私の解釈ですけど、「人間の感覚をイメージ化したもの」です。例えばのっぺらぼうは「良く見知ったはずの相手がふと誰だかわからなくなる時の違和感」、唐傘お化けは「使い古した傘への感情移入」、かまいたちは「風で切り傷ができた時の恐怖心」といったように、人間がある事象について何らかの感慨を抱き、それをわかりやすく擬人化・モンスター化することでイメージを共有した結果生まれた存在、それが妖怪です。だから人間のいないところには妖怪も現れないし、人間に忘れられた妖怪は居場所を失い消えてなくなってしまいます(「妖怪は人間から離れられない」とはそういうことです)。

 で、そこで重要なのが、妖怪にはイメージの元となった事象が必ず存在する、つまり妖怪は単独では生まれ得ず、何らかの事象と必ず密接なコンテキストを築いている、ということです。あーなんか余計難しい言い方になってしまいましたが、簡単に言うなら、魚の妖怪は必ず魚の棲む場所(水辺)に出現し、雪女は必ず雪と一緒に出てくる、といえばわかりやすいでしょうか。妖怪はその感覚を抱いた元になるものと必ずセットで登場する。このように、妖怪というのはその定義上、モチーフとなった事象と切り離しては考えられない存在のはずなのです。

 しかし、「妖逆門」に出てくる妖怪は、どれもそんなコンテキストなんてぶっちぎった扱われ方をしています。全く何の脈絡もない場所に、全く何の脈絡もない妖怪が出てくる。その結果どうなるかというと、印象の弱化が起こります。イメージを喚起するための情報が通常の場合より少ないため、受ける印象がずっと弱くなってしまうのです。例えばこの間の「棒たおし」で出てきた妖怪のうち、名前入りで紹介された妖怪をみなさんはどのくらい覚えていますか? たぶん半分くらいの人は「焔斬」のみ、さらに半分が「武蜘蛛」まで、「人鬼」「わいら」「牛天狗」「魔イカ」まで答えられる人はまずいないんじゃないかと思います。これで会場が水辺で、登場する妖怪が魚や海洋動物といった水生生物の妖怪ばかりだったらもっと沢山覚えていたはずです。しかしこの場合は、これらの妖怪がそれぞれのイメージ元とは全く関係ない場所に無理矢理登場したため、印象が薄く、覚えにくくなってしまったのです。このように、妖怪の本来の性質を無視して登場させることは、この作品のメインとなる「妖怪という存在」を読者に売り込む上で大きなペナルティになってしまいます。「妖怪を妖怪扱いしない」ことには、理屈上のデメリットだけではなく、ちゃんと実害があるんです。ということで、妖怪一匹一匹のキャラをちゃんと立たせたいんだったら、そういったコンテキストを意識した使い方をした方が良いんじゃないかなぁ、と思います。

 ……まぁ最初にカード商売ありきの漫画でずいぶん野暮なことを言ったもんだとは思いますが、とりあえずこの点については一度キチッと語っておきたかったので書いておきます。今後そんな機会があるかどうかわからんし。


武心 -BUSHIN-(〜10)

○いやぁ〜、万乗節ですなぁ
 感想を一言で言うと↑なんですが……連載を変えても絶好調ですね、万乗先生。無茶に無茶を重ねて勢いで話を進めるパワーストーリーっぷりは相変わらずです。読者を選びまくる作品でしょうけど、その分ハマったら病み付きにさせそうな漫画ですね。私? 私はすっげぇ喜んで読んでますよ〜(笑)。万乗先生は展開こそ強引だけど、動機付けについては意外とマメだし。そこが可愛い(?)。

 ただ、この作品は「ツッコむだけ野暮」を地で行く作品なので、語りづらいのがちょっと難点。今回も、これ以上特に言うことはないし……あ、ひとつだけ。人のことを虫ケラ呼ばわりして憚らないのが、彼らの言う武心というものなんでしょうか?


GOLDEN AGE(〜3)

○小波のラブラブっぷりだけでご飯7杯いけます
 感想を一言で言うと↑なんですが……誤解しないでいただきたいのは、報われなさっぷりが良いのではなく、なりふり構わず必死になって唯をゲットしに行くその鷹のようにアグレッシヴな姿勢が私のツボに入ったのだということですね。こうね、隠す気もなく必死にツバつけて、近寄る女を無差別にシャーと威嚇して、何やっても成果が出ないことに焦ってどんどん暴走してゆきそうな恋愛生物っぷりが非常にベネ。やっぱ恋愛は暴走してナンボですよ! これだけのパワーを感じるのであれば報われようが報われまいがそんなこたぁ私には関係ありません。むしろ私としてはこのパワーが報われる方向につぎ込まれて人前でイチャイチャしたりヌチャヌチャしたりイングリモングリしてる姿が見てみたい! 見てみたい! ウォオオオオ!!(落ち着け)

 とか叫んでみましたが、しかし実際、小波のこのパワーは「報われないこと」に向けて発揮されたからこそ強烈なまでの勢いになったんだろうなぁーとも思いますね。ムキになってるというか何と言うか。だからすんなり唯をオトしてたらきっとすぐ飽きてたんでしょうね(しみじみ)。恋愛生物は戦闘民族、そのありあまる恋愛パワーを受け止めてくれるだけのキャパシティがない相手にはすぐ興味をなくしてしまうのです。だから相手も相応のパワーをぶつけてきて相殺スパーキングする場合か、もしくはどれだけ攻撃しても全部吸収してケロッとしてそうな相手じゃないと長続きしません(もちろん唯は後者のタイプ)。そういう意味ではなかなかのベストカップルかもなぁこのお二人さんは。幸せになれよ!

 ……なんか小波の恋愛生物っぷりについての語りしかしてないなぁ(笑)。いつものことだけど。本編はまだサッカーっぽさが全然出てないので語れません。ていうか、この漫画はサッカー漫画の皮を被ったキャラ漫画のような気がしないでもなく。だってこの絵柄で激しいサッカーの試合やってるシーンとか想像つきませんもん(第一回のアレは?)


あいこら(〜41)

○最近のあいこら
 うーん。ネタ出しに四苦八苦してるのか、かつてほどの勢いはなくなってきたなぁ、という印象です。今も3D企画とかいろいろやってはいるんですが、ちょい前の「見たことのないものを次から次へと出してくる」最高のライブ感は感じませんねぇ。なんだか漫画として落ち着いちゃった。

○ハチベエは等身大の恋をするか?(After)
 そういえば以前の感想で「今はパーツ愛が少女たちを救う方向で話が動いてるけど、今後はベクトルが逆転してハチベエが普通の恋愛を教わり、前作で現実回帰を果たした美鳥のように、パーツ愛を卒業する物語になるのでは」と書いた記憶がありますが、あれから本当にそういった方向に話が動き出しているみたいで嬉しい限りです。まさか本当に予想が当たるとはなぁ(苦笑)。

 でも私の方はというと、実はあれから少し着地点の予想を変えていまして、パーツ愛を否定する方向ではなく、今のまま許容する方向に結末を迎えるのではないかと考え直しています。要するに恋愛を覚えるけどパーツ愛はやめられなかったというある意味グダグダの終わり方ですが……(笑)、でも以前と同じ現実回帰・幻想否定だけじゃ「美鳥」の頃から進歩してないことになっちゃいますからね。幻想(パーツ愛)を否定するのではなく、現実(恋愛)と幻想(パーツ愛)を同居両立させる。このように日常と非日常を融合する方向で未来を示すのが、井上先生のスタイルの最終到達点に相応しいんじゃないでしょうか。とか言うと凄くそれっぽく聞こえますが、まぁ要するにハチベエのアレは一生治んないだろうなぁということですよ(笑)。


見上げてごらん(〜57)

○最近の見上げてごらん+天才設定について少々
 飛燕がグラサンを取った! 取ったよ! ウワァオ、たっれ目ー!
 ……くらいしか、作品について言いたいことはなかったり。「天才様が努力者を凌駕するだけの漫画はクズだ!」なんてことは言いませんが、なんだか了に陽の目を浴びさせるためにずいぶん無理をしている感じがします。ありていに言うなら説得力がない。その人間が勝つに相応しい説得力やドラマがあるなら、天才様が勝とうが努力者が勝とうが、私としては別にどちらでも良いんですが……。

 ただ、こういった天才的な才能の設定というものは、本来の意義からするとできる限り限定的なものにしないと意味がないのに、これじゃ少しやりすぎじゃないかなぁ……とはちょっと思いますね。そもそも何故このような素人から成り上がっていく物語が良く描かれるのかというと、それはその方が読者(同じ素人)の共感を呼びやすいからです。全くのド素人からでも頑張れば何かを成すことができるんだ、という姿を見せ勇気付ける意味があるんですね。ただ、本当の意味での全くのド素人が成り上がっていくだけでは、現実にそんなことはまずないため、物語にリアリティがなくなってしまいます。そこで「経験はないけど才能はあった」という設定にして、「素人キャラが勝つに相応しい説得力」を作品に持たせることで、なんとか説得力とメッセージ性の折り合いを付けているのです。

 ですがここで、展開の説得力を重視するあまり天才設定を前面に押し出しすぎると、今度は逆に主人公が素人であっても読者が共感できなくなってしまいます。こいつは天才だから俺たちみたいな凡人とは毛並みが違う、だから結局俺たち凡人は頑張っても上手くいかないんだ、と本来のメッセージ性が失われてしまうんですね。これでは本末転倒、読者の共感を得るために素人の成り上がりストーリーにしたのに、素人が成り上がる説得力を持たせるために主人公を天才にしすぎた結果、逆に共感できなくなってしまうという事態が発生します。私が思うに、どうもこの漫画はその本末転倒の袋小路に陥っちゃってるような気がしてなりません。了の天才性を前面に押し出しすぎているので、了に自分の姿を重ね合わせている読者は皆無に近いのではないかと推測されます。ゆえに今のままでは、読者に対し先に説明したようなメッセージを与えることはおよそ不可能でしょう。

 で、じゃあその袋小路から抜け出すためにはどうしたら良いのかというと、私としては(ジャンルの変更やネタ漫画化は除いて)三つの方法があると思います。一つめは、了の天才性をさらに半端じゃなく強化し、主人公の化け物っぷりを愉しむ漫画にする方法。ただしこの手法は描き手に非常に高度なテクニックを要求するため、実際に行うには少し無理があるでしょう。二つめは、了の才能を今より抑えて、読者に親近感をもたせる方法。冒頭で言った「天才設定をできる限り限定的なものにする」はこれに該当します。凡人とはかけ離れた天才様ではなく、どこにでもいそうなキャラに少しだけ才能を持たせる程度に留める。すでに手遅れな気もしますが、これが一番現実的な解決方法だと思います。そして三つめは、物語の焦点を拡大して了以外のキャラにもスポットを当てる方法。「ダイの大冒険」のポップみたいな凡人キャラを配置して、天才の了と対比させることで互いのキャラ付けを強化し、同時に読者の感情移入先も確保するという方法です。ただし今からそんなキャラを出して了に並べるのは非常に無理がある上、物語の終着点が了のウインブルドンに固定されている(了の物語であると決められている)ので、これも実現は無理があるでしょうね……。

 ということで、私の結論を簡単に言うと「今の了は万能すぎて感情移入できないから、もうちょっと設定を考え直した方が良くね?」です。今の「見上げてごらん」は、私にとって、なんのメッセージ性も感じられない、なんか凄い天才様がなんとなく強敵を打ち破って行く漫画でしかないのが正直なところですので……。


兄ふんじゃった!(〜65)

○最近の兄ふんじゃった!
 ……以前とさして変わらないので、感想もさして変わらないです。兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。今のサンデーで唯一の正統派のギャグ漫画なので(「チャッピー」も「ネコなび」もシュールすぎます)、ぜひ頑張ってほしいと思います。兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。といっても、「ケンイチ」や「絶チル」の方が笑える時が多い気がするのは……気のせいだと思いたいところですが。兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。むしろ畑先生らに触発されて頻繁に更新されるようになった兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。WEBサンデーのコラムの方が、兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。本編より笑えるというか兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。可愛らしいのも……兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。やっぱり 兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。気のせい 兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。という 兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。ことに 兄貴子とテルキ子のレギュラー化希望。 (サブリミナル完了)


ブリザードアクセル(〜57)

○天沢vs吹雪
 才能に溺れて有頂天になってる天沢の鼻を、本当の意味でフィギュアが好きな吹雪がへし折る展開……自体は良いんですけど、やっぱりこれも天才設定の使いどころをやや見誤っている気がするというか……いや、吹雪って素人のはずなのにスケート上手すぎませんか? どんなに難しいと(黒塚さんによって)言われている技でも簡単にホイホイこなしてしまってる「ように見える」ので、それが本当に難しい技であるという実感も、吹雪が素人だという実感も得られません。まぁこのあたりは昔さんざん言ってきたことと同じなので、詳細は割愛します。要するに「はじめの一歩」ばりの綿密で猛烈で理屈の通った練習描写があったら何の問題もなかったと思うんですが……。

 ……んー、いや、これはひょっとすると、素人が努力する姿に共感させることを目的とした漫画ではなくて、主人公の化け物っぷりを愉しむ漫画のつもりで描いてるのかも(「見上げてごらん」にも同じことが言えますが)。それならこの手の漫画の王道である「いけすかない実力者を主人公が圧倒的実力で叩き潰す」「次々降りかかってくる無茶な難題を主人公が華麗に捌く」といった展開が多いのにも納得が行きますし。練習描写が少ないのも、吹雪の天才性をより効率的に表現するための策だったのだとしたら? ……でも、それとこれとは別問題だよなぁ。そんなことやって天才性を表現したところで、単に説得力が出ないというデメリットだけが残るわけだし。

○六花の恋愛暴走編
 いやあ、この展開は実に良いですねぇ。なんつーか、見てるだけで顔がほころんできますよ。うひひ。といっても、私が喜んでるのは六花のラブラブっぷり……ではなくて、そのあまりのノせられやすさ。それまでは全然意識してなかったのに、友達にちょっと言われただけであれほどのお熱状態にまで瞬く間にヒートアップする恋愛雑魚っぷりが最高に素敵です。ちょっと煽られたらすぐ壺とか買っちゃいそう。いや、皮肉じゃなく純粋に褒めてるんですよ? 簡単に口車に乗せられる女の子って危なっかしくて魅力的だと思いませんか。 (真顔で)


絶対可憐チルドレン(〜40)

○最近の絶チル
 相変わらずレベルが高くて言うことがないです(笑)。詰め込みすぎてちょっと寸足らずになってる箇所もちらほら散見できますが、基本的に全ての要素が高い次元でまとまっているので安心して読めます。ただその安定っぷりが良すぎて落ち着いちゃってるところがあるので、もう少し話とかノリに勢いが出てくればもっと良くなるんですけどね。「小学生のデートを全力で阻止!!」とか皆本の主夫っぷりのような箇所にしばしば爆発の萌芽は感じられるものの、いつもそれが暴走する前に椎名先生自身が自制してしまってるような気がします。良くも悪くも計算が行き届きすぎているんだよなぁ、この漫画。万乗先生とは逆の意味で「ツッコむだけ野暮」。だからこの漫画を語るには、椎名先生と同じ目線の高さまで行かないとあまり意味がないんじゃないかと思っています。今の私の知識量では何を言ってもダメでしょうね。正統派のSF小説とかほとんど読んだことないし。

○このせいで私は断然葵派になっちゃいましたよ
 といっても、「語れない」のはあくまで漫画のテーマとか構造とか全体像なんかの話であって、個別の要素を語る分には何の問題もないのでひとつだけ言わせてもらいますが、ちょうど私が感想を書くのをやめてしまったのと同じ頃から、どんどん葵の存在感が強烈になってきている気がするんですが。初期は常にメイン扱いの薫や個性の強すぎる紫穂に押されてさっぱり目立っていなかったんですが、黒巻節子戦で耳が敏感なことが発覚したのをきっかけに見事な「イジられ属性」を獲得。それから爆発的にキャラクター性が急成長してきたように思います。

 まぁ起こった事象は「ハヤテ」のマリアとほとんど同じことであって、それだけならそんな話題に出すほどのことでもないんですが、ただ、あっちは(恐らく)作者の意図に因らない偶発的なものだったのに対して、こっちは作者の計算によるものであるような気がするんですよねー(私の推測ですけど)。そこがちょっと気になるんです。このへんに同じラブコメ漫画家でも圧倒的なキャリア差を感じるというか。……まぁ、それだけの話です。葵かわいいよ葵。


地底少年チャッピー(〜21)

○最近のチャッピー
 ごめんなさい、一度もこの漫画を面白いと思えませんでした。
 一応目だけは通してきましたが、正直な話、いっぺんたりとも笑ってません。フィルターだなんだを持ち出すまでもなく、普通につまらない。「ミノル」の方がまだ面白かったなぁ……比較論ですが。

 ということで、ノーコメントにせざるを得ません。何をどうすれば良くなるのかも私にはわかりません。他には……ああ、23号の扉絵は妙にえろくて良かったですね。これを本編では殻の中に隠してしまうあたり、「ミノル」のカラーでおばんのパンツしか描かなかった時と同様の(いらん)反骨精神を感じてしまいますが……。


最強! 都立あおい坂高校野球部(〜67)

○最近のあおい坂
 鳥越戦は隅々まで作者の配慮が行き届いていて素晴らしい完成度だったと思います。敵役の見せ方と扱い方、良心的選手の存在、チアや教頭の絡め方にネタのちりばめ方まで実にマンダム。ああいう単純な勧善懲悪(?)は見ててスッキリするのう。

 そして最近の慶徳戦は…これはこれで興味深いですね。だんだん高校生離れしてきたなぁ、とちょっと思いますが。ともあれ、ひとつひとつの試合にそれぞれ違うドラマが込められていて非常に良いです。よくもまぁ、これだけ次から次へといろんな話を作れるなぁ。これでもっと根っこの部分(師匠関連)がキチッとしてれば相当な野球漫画になっていたかもしれません……。


聖結晶アルバトロス(〜21)

○最近のアルバトロスについて
 なんか掲載位置が極端に落ちてるんですけど! これはなんだろう、人気の問題なのか、それとも原稿執筆が遅いからなのか。表紙には未だに「大人気!」の文字が踊っていますが、これを鵜呑みにする歳を私は過ぎてしまいましたので……。

 不調の原因は、はっきりいって「設定説明に気を取られすぎて、物語が全然動いてないから」ですね。展開のペースは地味にあだち先生に匹敵する遅さになっているんじゃないでしょうか。でも若木先生にはまだあだち先生ほどの心理描写の巧みさがないため、それがそのまま面白さの差になってる印象です。まぁジャンルも得意武器も読者層も全然違うので、一概に比較することそれ自体が間違ってるんですけどね。

 ということで、私としてはもっと女の子を出してくれと叫びたい所存であります。つっても新キャラを続々出せという意味だけではなく、今いるキャラ――アルバトロス、ゴミ子(わざと別キャラ扱い)、リカ、ユウキの母――あたりも含めて、さらに言うなら「女の子を意識する男の子の心理描写」も込みでの話です。つまり作品内における「女の子」の存在の比重をもっともっと高くする。若木先生の現時点での最大の武器は「容姿・性格とも可愛い女の子が描ける」ことだと思うので、今は武器をガンガン使ってあざといくらいに受けを狙ってほしいのです。お客さんのニーズも恐らくそっち方向に偏っていることでしょうし。……ひょっとすると若木先生的にはそうすることにはかなりの抵抗があるのかもしれませんが、ぶっちゃけた話、今はそんなことを言ってる場合ではないですよ……。「我聞」の二の舞になるリスクを背負ってでもやるべきではないかと私は思いますけどねぇ。

○木の葉を見て森を見ず
 ただ、大きく見た場合はアレですが、細かい部分については流石にじっくり展開させてるだけあってなかなか気を使ってると思いますよ? 例えばユウキの正義感の描写が全くブレていないところとか、相手の特性に合わせた戦い方をしてる点だとか(まだ「駆け引き」のレベルまでは行ってませんが)、生と死の概念が未だにしっかり根付いているところとか。レバイオのデザインがみるみる可愛らしくなっていった点も順応性があって○です。こんな感じで枝葉の部分は丁寧に作りこまれている印象を受けるものの、全体を見るといびつな形をしているのがなんとももったいないなーと思うわけです。シュライクへの逆の動機付けが甘いとか、新情報に意外性がないとか、リカの出番が足りないとか(笑)、どーも読者を作品に引っ張り込むための細工が弱いのがなー。長所もいっぱいあるんだけど。

○おまけ
 素石命図を作ってみたので、良ければどうぞ。AAと同じ感覚で改造改変でも再配布でも自サイト掲載でも好きに使ってくださいな。ちなみに赤が既出モノバイル、緑がランタノイド・アクチノイド、青が謎のアレです。ここでは青に暫定的に「ウンウンクアジウム」を当てています。

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 しかし、結局モノバイルの強さの違いが「パワーの差」で語られてしまったのが残念です。モノバイルの強さは素石の原子量に比例するって……じゃあ軽いモノバイルの活躍する場が極端に限られてくるじゃん! これで強さの違いがパワーではなく性質の差で説明されていたなら、相性次第でコモンがエリートに勝てたりとか、いろいろ楽しい想像ができそうだったのになぁ。むう。


からくりサーカス(〜機械仕掛の神90)

 さてと、ついに「からくり」の番が来ちゃったか。これに関しては絶対文句の嵐になっちゃうから、できれば書きたくなかったんですけどね……まぁなるべくソフトになるよう頑張ってみます。

 …………………………………………。 (どうやって文句以外のことを言おうか考えています)

○シベリア鉄道編について
 もうね、これはもう誰が何と言おうと三牛親子の活躍シーンが一番盛り上がりましたよ。なぜなら、少年漫画の基本構造である「恐怖→克服=勇気」のプロセスが一番ちゃんと描かれていたから。他のキャラはみんな信念とかそういうのあんまり関係なしに戦ってましたからね……。みっともないことを言って、みっともない涙や鼻水を流して、みっともない姿を晒して、でも逃げない! 散々迷って悩んで誘惑にかられて、でも最後は胸を張って正しい道を選ぶ!! これなんですよ〜。くぅぅ、たまんねえぜ。

 いや冗談抜きで私、一時期はこの親子に本気で救われましたからね……。私がこの歳になって未だに少年漫画を読んでるのは、私の大好物であるこの「恐怖を克服する勇気の物語」を最も高い確率で見ることができるからだ、ということを思い出させてくれました。こういうのが読みたいから、私は少年漫画を読んでるんです。もしこの展開がなければ、少年漫画を読むアイデンティティを完全に見失ってしまい、今頃はすっかりサンデー離れしちゃっていたかもしれません。結局なんだかんだで私は藤田漫画にはいろいろ教えられっぱなしです(笑)。

 で、次に良かったのがアルレとパンタ様の出撃シーン。200年間空回りしてきた行動がついに報われる瞬間がやってきたんですから、あの喜びっぷりにも納得が行きますよ。また電車から出る時の演出が人間には不可能なほどキザっぽくてもうね(笑)。ある意味彼らが人形であることを最大限に活かした演出……と言えなくもないか? 肝心の戦いの方はちょっとアレでしたけど……。彼らが実は気付かれずに与えていた致命的ダメージについても、少々強引なところがありましたし。詳しく説明されなきゃわからないブリゲッラの心変わりにしろ、逆にわかりやすすぎてアレなハーレクインのツノにしろ。まぁ、何もないよりはよっぽどマシではあったのは事実ですけど。要は、性能的・身体的には負けていても、精神的には圧倒していたってことですからね。

 しかし……本来ならここに書くべきことじゃないんですが、勝はブリゲッラを……本当に「圧倒」してますかね? その時起きたことを冷静に見る限りでは、アレを圧倒と呼ぶのは少々無理があるような気がしてなりません……。ブリゲッラ、まだまだ余裕そうだったし。 ……ああ、やっぱりここに書くことじゃなかったなぁ。なんのことかわからん方はどうかスルーしてくださいまし。

○邂逅・告白編について
 ……うん、演出はとても良かったですよ。勝の当初の悲願「鳴海兄ちゃんみたいに強くなる」も綺麗に成就したし、抱擁をロケットの打ち上げにかぶせるシーンも非常に綺麗でした。小道具として赤ん坊に加えてわざわざ神父まで用意させるあたりも憎いですね。……ただ、ただ! せっかくの演出も、感情移入がおっつかないせいで効果が激減してるのが……演出を100としても、感情移入が0.01なせいで実際の感慨が100×0.01=1.00程度になっちゃってるのがなぁ〜。とにもかくにも、じっくり時間をかけて説明しなくてはならなかった鳴海の複雑な心理を、ぱぱっとダイジェスト的にしか描写できなかったのが痛かった。ただでさえややこしくて共感を呼びづらい内容なのに。

 宇宙へ行ったのが鳴海ではなく勝になったのも、物語的に考えれば確かにその役割を全うできるのは「正二の後継者=伝承の象徴=永遠を生きるフェイスレス(人形)の対極の存在」である勝しかいない、勝以外の人間がすべきではない、というのはわかるのですが……だったらその前からちゃんと交代の伏線を張っておかなきゃいけませんでしたね。いきなりすぎて、しかもあっさり受け入れられてるのが違和感ありまくりでしたから……。

○宇宙ステーション編
 フェイスレスだけに注目すればかなり笑えるのでオッケーです。なんかこの男、すでに出オチキャラと化してますね……24号のアオリ「史上最強の小悪党」がまさにそのまんますぎて爆笑モノです。本当にそんなんがラスボスでいいのか、と言われると返答に困っちゃいますけど。せっかくの完璧あるるかんも上手に使えてなかったし、二人のやりとりにも少し違和感を感じるし、観客の二名の最期も酷いし。小道具は良くても感情的にノりきれないあたり、邂逅・告白編と全く同じ匂いがします。盛り上がってるのは藤田先生一人だけ……?

 …………………………………………。 (やっぱり文句だらけになったのを反省しています)


D-LIVE!!(〜最終回)

 はい、ごめんなさい。とうに終わった漫画です、今更すぎますね。でもこれは書かなきゃなるまい……ということで、最終章および全体の簡単なまとめを書かせてもらいます。

○最終章について
 うっわぁ〜、キマイラしょぼッ!
 改心まで一週保たなかったラスボスは初めて見た! 何がしたかったんだ、この人? なんというか、「もう死んでやる! 止めるなら今のうちよ! 今のうちなんだからね!」とか叫んでこっちを振り返りつつ振り返りつつ少しずつ入水する自殺狂言マニアのおねーちゃんのいつものビッグパフォーマンスを見た気分です(すごくわかりにくい上に本当に適切かどうか疑わしい例え)。一言で言うなら、所詮子供が我侭言ってただけだったんだなぁ、コレ。最後まで脱力感に関してはピカイチだぜ、流石Mr.パァだ。 (嫌なところで「ミスターパーフェクト」を切らないでください)

 ということで、なんだか肝心なところが寸足らずになっちゃったなぁ……というのが一番大きな感想ですかね。追い込み描写も時間をかけた割に効果はイマイチだし。どんなピンチに追い込まれようと、覚醒斑鳩の度量を超えたように見える困難がなかったため、「このくらいならどうにかなんべ」と楽観的に構えさせてしまったのはマズかったですね。爆弾とか百舌鳥さんとかカザロフとか、いろいろ頑張っていたのはわかるんですが。

 ま、なんだかんだ言っても、最終的にはロコとの愛の逃避行で最終章が締めくくられたので読後感的には最凶最高でしたよ? エピローグの後日談も、内容を簡単にまとめると「ロコの斑鳩への熱き想い」だったわけですしね!(違) なんというか……本当にあんな終わり方をするとはなぁ。サンデー最強のヒロインの座は伊達じゃないということか……。

○簡単な全体の総括
 ということで、最後にあっさりとですが作品を全体的に見た感想とか。
 まず何と言っても、そこそこ高い次元で非常に安定したクオリティが印象的な作品でした。どのエピソードを見ても一定の水準は楽にクリアしており、エンターテインメントとして十分な出来栄えに仕上がっていたと思います。反面「勢い」についてはやや大人しいところがありましたが、こんなに安心して読めた漫画は今のサンデーにはほとんどないんじゃないかな? 劇画調の絵柄や比較的地味なストーリーのせいで子供年代の読者の受けは良くなかったみたいですが(滅多にカラーとか貰えなかったことから推測)、サンデーという「ベテラン読者が多数存在する雑誌」の殿を長期間に渡って見事に務め上げたその功績は立派だったと思います。このポジションって、地味に結構プレッシャーかかりそうですし……。地味で渋くて玄人向けだけど最後まで値崩れを起こさなかった漫画、といった言葉が似合う漫画だったと思います。

 ただ、それはあくまでこの漫画の仮の姿。「D-LIVE!!」の本当の姿はそんな通り一遍の決まり文句なんぞで語れるものではありません。はっきり言って――こんなに萌え萌えしていた漫画は他になかったですよ? いや、マジで。

 絵柄的には全く萌えないため、外見の可愛らしさばかりを重視した昨今の「自称萌えオタ」たちには見向きもされませんでしたが、キャラの内面の萌え度数の高さだけで言うなら実はサンデートップクラスの実力を誇る漫画でしたよ、これ。それこそ当時の「ハヤテ」なんか足元にも及ばないくらい。ひょっとすると「我聞」に匹敵するかそれ以上の萌えエナジーを振りまいていたんじゃないでしょうか? あの絵柄で多数の(腐女子をはじめとした)萌えファンを獲得することがどれくらい難しいことかを考えると、やはり只者じゃありませんでしたよ、「D-LIVE!!」って。

 例えば登場するキャラを軽く抽出してみただけでも、この漫画には萌えがあふれています。普段はぼーっとしているドジっ子主人公・斑鳩、気の強い幼馴染系ヒロイン・初音ちん、一見クールな烏丸先生、あまりに王道すぎるツンデレ委員長・春日さん、体を張ったツンツンヒロイン・あっきー、変装策謀ストーカー・キマイラ、気さくな関西弁担当の先輩・波戸さん、へタレ高飛車属性のオウル、亡き友への誓いをいつまでも胸に秘める一途な百舌鳥さん、暴走する鉄道魂・稲垣さん、そしてサンデー最大最強のヒロインにして見事斑鳩の愛人の座を勝ち取った稀代のツンデレヒゲライバル・ロコ。どいつもこいつも萌えじゃないですか。まるで満漢全席のような豪華絢爛すぎる顔ぶれ。視点によってはカザロフやケリー少佐にも萌えることは十分に可能でさらに隙がなくなります。しかも、これらのキャラが奇跡のコラボレーションを果たすことによって魅力は二倍三倍無限大に膨れ上がるからもう始末に負えない。見よ、もうあやつはこの結界域からは逃れられぬ、前後左右のヒロイン達の壁からは、飛んでも潜っても脱すること能わずですよ!

 ……まぁ冗談はこのへんにして、真面目な話をすると、この漫画は「史上初の乗り物漫画」なんて奇抜なものではなく、むしろストレートすぎるほどに至極まっとうな人間ドラマを描いた漫画だったんだなぁ、と思います。この漫画の主人公は、乗り物ではなく、あくまで斑鳩悟という一人の少年だった。だからこそこんなに地に足の着いた展開を続けられたんでしょう。

 そして、そんな安定した話をこのレベルで最後まで続けられたのも、ひとえに皆川先生の高い実力があってこそです。皆川亮二という漫画家の最大の武器は、流麗なアクションシーンでも独特な設定の完成度の高さでもなくて、重厚な骨格の物語を最後まで維持できるだけの芯の太さや人間描写の達者さにあるのだと改めて思い知らされました。これらの武器が最大限に発揮される(かもしれない)次の登場、心から楽しみにしてます。今まで連載お疲れ様でした。美味かったぜ、旦那!


ネコなび(〜44)

○最近の展開も今号の感想も全部含めて言いたいことはひとつだけ
 今すぐ「ネコなび」の看板下ろして出直してこい。ふざけてんのか?

 ……いや、正直なところ、現状で誰か喜んでる人っているんですか? 読者しかり、作者しかり、担当しかり。まぁ姫だけは(ごはんが食べられるから)喜んでるかもしれませんが、ねこに興味をなくした人のねこ漫画なんて、ねこ好きからすると読んでるだけで苦痛なんですってば。「ねこなんかに価値はねぇぞ」って延々言われてるような気がして。


総括

 ということで久々の感想だったわけですが……どうでしょう? 私自身の手応えとしては、ぶっちゃけ「こんなんしか書けないんだったら、やっぱり書かない方が良かったかなぁ」だったんですが、みなさん的にはどんな感じだったんでしょうか。まぁ、あまり理不尽なことは書いてないつもりだし、100%文句ばっかりなわけじゃないし、それなりに筋道立てて説明もしてるつもりなんですが……でも多少配慮はしてようが文句は文句、しかも陰口でしかないですからね。褒められたもんじゃありません。こういうことはどうせ言うんだったらメールで先生方に直接送らなくては意味がないですし、しかもまさに「釈迦に説法」を地で行く滑稽さまで滲み出ていてもうどうしたら良いものやら。とんだピエロじゃん! ……でもそこまでわかっていて、それでもこんなのしか書けなかったわけで。その辺りに私は絶望しちゃったんですよ……。

 あ、えーと、話が暗くなってきたので話題を転換。最近のジャンプですが、「太蔵」の矢射子の妄想暴走恋愛っぷりが何よりのご馳走すぎてたまりません。どう考えても彼女が最近のナンバーワンです。かわいいったらありゃしない! (余談ですが2chには萌えスレも建ってるようですね。流石ジャンプ作品、反応がマイノリティなサンデーとは違いますのう!) あと「DEATH NOTE」も終盤の決戦(の月の百面相)は心ゆくまで堪能させていただきました。もちろん全体を通して、妙な意味でもマトモな意味でも、素晴らしい作品だったと思います。あれ以上でないと満足できないのであれば、もうジャンプを卒業した方が幸せになれるでしょうね……。あと相変わらず全体的なレベルが高い「ONE PIECE」や、くだらなさすぎるネタの乱発が心地よい「銀魂」、一発芸的な芸風から徐々に技巧派な面を前面に押し出しつつある「ネウロ」も楽しく読んでいます。最近の新連載組はどうもノれませんねぇ……私は誤解モノがちょっとトラウマになってるくらい嫌いなので、そのせいも多分にあると思いますが。他の漫画については、まぁ察してくださいということでお願いします。

 それと最後に追記。お気付きの方もいらっしゃると思いますが、サンデー辞書を少し更新しておきました(現在Ver.1.03)。今回は新連載の「ハルノクニ」「妖逆門」「武心BUSHIN」「GOLDEN AGE」の用語の追加が中心となっています。というか、↑の言い訳でも書きましたが、どうせ感想でくだらない文句しか言えないんだったら、今後は感想は至極簡単なものにとどめて、こういったサポート的な方向に動いた方が良いかなぁ、と思ったり思わなかったり。いろいろやるべきことが溜まってますからね……。





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