週刊少年サンデー感想(2006年第36・37合併号) (08/10) 「まだ萌えないクレプスリー」

ついにサンデーも夏休み合併号休み期間に突入。さて、来週の更新はどうしようかなぁ。
ま、たぶん何も更新されないと思うので、そのつもりでよろしくお願いします。


表紙(ダレン・シャン)
漫画の文化についてはたぶん日本が一番進んでますからね。世界初もやむなし。


ダレン・シャン(1)
とゆーわけで新連載。安全策というかなんというか、大安牌の原作付きです。
立ち位置としては「MARΩ」と同時デビュー、というなんともアレな感じの作品ですが、
今回を見たところではかなり良い感じなんじゃないでしょうか?

お話の方は全世界ベストセラーですからまぁ悪い訳がないとして、
作画もそれに負けないように相当頑張ってるのが伝わってくる気がします。
こういったメディアミックスものは、大抵原作のテンポのままでメディア変換するので
そのメディア本来のテンポと噛み合わずに消化不良を起こすことが多いのですが、
この場合はちゃんと原作の小説のテンポを咀嚼して少年漫画のテンポに変換できているのではないでしょうか。
(例えばシルク・ド・フリークの面々の曲芸シーン。あれは原作だと何章も使って延々とやってます。
 それをあえて僅か2ページにまとめ、大事なクレプスリーのシーンに尺を割いたのはナイス判断でした)
また、作画の全体的な雰囲気も「児童向けダークファンタジー」という原作の難しい空気に結構合ってますしね。
適度に可愛くてかつ適度に不気味な観客のシルエットがそのあたりを良く象徴しています。
怖いだけじゃダメ、怖くなくてもダメ。難しい注文ですが、今のところ見事にこなしていますよ。凄えな。

ということで、個人的には新人の仕事とは思えない文句なしの出発。ブラヴォーです。
あとの問題は、これから延々と続く慢性的な女性キャラ不足ですが、それはどうしようもないしなぁ。
きっと原作にはいなかったあの助手のねーちゃんたちが補ってくれるに違いない!
これからも期待してるぜ、「MAR」の風に負けないように頑張ってくれ!

ちなみに、このあとに続く展開のアレコレを見て「『からくり』のパクリじゃねーか!」とは断じて言わないように。
正確には、「からくり」がこっちの設定を部分的にパクっているんです。
(パクリというよりはオマージュとか参考と言った方が正しいんですけどね)
言っときますが、サーカスだから「からくり」と似てるとか、そんなレベルのお話じゃないですよ?


金色のガッシュ!!(258)
一気に謎解き開始。まずはガッシュの出生の秘密ですが、これはまぁ概ね皆さんの予想通りだったみたいですね。
そりゃ姿形が瓜二つな時点で双子しか考えられませんしねぇ。
しかもゼオンが王子とか呼ばれてるなら、ガッシュも王の息子ということになっちゃうんだろうし。
ともあれ、これで「最大の敵が戦いのシステムそのものである」こととガッシュの父親越え展開が綺麗に繋がりましたね。
兄越え、ライバル越え、父越え、師匠越え。
ガッシュはいろんなものを越えなくちゃいけなくて大変ですね……。

ゼオンの告白が微妙にみみっちいのはまぁ、今更ということで。
そもそも初登場の頃からして逆恨みキャラだったしなぁ。
もっと大きな敵の存在も明かされたし、結局シリーズボスの器でしかなかったということでしょうか?
ゾフィスもあれだけ引っ張った割にあっさり対決→敗北→強制送還の流れになっちゃってたし、
ゼオンも似たような末路を辿りそうな気がしてなりません。


結界師(132)
サ、サンディーさんが普通に可愛い!!
あ……そんな……う、うう、おっちゃん嬉しいよ……あの田辺先生が……
あの連載初期のヒロインがおばさんにしか見えなかったり妙に丸かったりしていたあの田辺先生が……
いつの間にかこんな正統派の美人を描けるようになっていたなんて!
ホンマに、ホンマに成長したのう……うっうっうっ……
これでもうワシは思い残すことはないわ……さらばじゃ。トウチャッ!  (キャラがぐちゃぐちゃですよ)

でも一番私が気に入ってるのは、普通に美人なサンディーさんがそれでもあんまり読者受けしなさそうなところ。
百合っぺの友人たちもそうですが、正統派の萌えに真っ向から反逆する田辺先生の反骨心は嫌いじゃないです。
今回の彼女も、その気になればいくらでも萌え萌えしたキャラにできたはずなのになあ。いいぞもっとやれ。

にしても、これはほんっとーにどうでも良いことなんですが、
もし井上先生が黒雲斎を描いていたら果たしてどうなっていたのかと考えると
恐怖を禁じ得ないのは私だけでしょうか?
ええのう、ええのう! サニーちゃん脚ええのう!!


MAJOR(571)
落ち込むのは当然。
悩むのも仕方ない。
けど、それで試合放棄寸前まで投げ遣りになってしまうのは吾郎の悪い癖ですよ。
あんだけ寿に説教しといてこのザマかい!

あと、身内の命を救うためなら気に食わない相手にも頭を下げるジュニアに好感。
ずいぶん成長したもんです。


史上最強の弟子ケンイチ(205)
たぶん今回の話で松江名先生が一番気合いを入れたのは、
後半のトールの活躍でもフレイヤの見せ場でも自決阻止シーンでもなく、
冒頭のジェニファーがかがんだ時一瞬スカートの中身がチラ見した瞬間のカットだ!
あの奇妙に細かい描き込みはもうそうとしか思えないぜ!
きっとカラーでいつものちくびを描けなかったらストレスたまってるんですよ!
……という変態感想を普通に書くようになってしまった最近の自分にちょっと絶望。
まぁ、ぶちぶち文句呟いてるよりは良いのかな。

新白は武田以外もそこそこ使えるまでに成長していたみたいですね。
所詮武田とはモノが違ったということなんでしょうか。
今度は逆にトールの見せ場がこれっきりになってしまいそうな気がしないでもないですが。
良い意味で予想を裏切ってくれることを期待。


ワイルドライフ(171)
純粋なゲーマーだと?
フン、そんなことはそのパソコンのHDDの中身を我々に見せてから言ってもらおうか!
独身男性のパソコンの中身なんてなァ、どう考えても1通りしかないんだよ! 取り繕うな!


名探偵コナン(578)
萌え……か?
ていうか萌えとか言うなよ公務員のおっちゃんがた!
なんかあんたらのそういう台詞は妙にリアルで怖いんだよ!


最強! あおい坂高校野球部(79)
田中先生は本当に伸之助に恨みかなんかあるんでしょうか……?
今回のエピソードの嫌われ役を一手に担っている伸之助に合掌。
これでもうアレだ、「はじめの一歩」の人気投票での板垣みたいなことになっちゃったな。
メインキャラが軒並み上位を占める中、自分もメインなのに一人だけモブに紛れるほど低い人気のキャラ。
もういっそ殺して楽にしてやってくれ! 田中先生!


犬夜叉(469)
殺生丸、ロリの道に目覚めるの巻。
もう言い逃れはできないですよコレは。
てか、いっそ君がチルドレンの担当をやりなさい。たぶん皆本以上に適任だよ?


GOLDEN★AGE(15)
相変わらず、サッカー門外漢にもわかりやすい解説が素敵です。
絵柄のアレさ加減も慣れてきたせいかだいぶ気にならなくなってきたし、
これはひょっとすると「サッカーの楽しさを伝えられるサッカー漫画」として期待できるかも?
そういう漫画は希少ですからねー。大抵熱血とか根性で誤魔化しちゃいますから……。

え? トラ?
な、なんだよ、その目はなんだよ! そんな感想を期待してるんじゃねーよ!
ま、まぁ、そりゃ確かに、頬を染めるトラが可愛かったのは認めるけどさ……ゴニョゴニョ……


ハヤテのごとく!(91)
残念! 恋⇔鯉ネタは今週の「Over Drive」とかぶっちゃったNE!

ということで本編はひな祭りに突入しそうな勢いですが、ひな祭り……ひな祭りかぁ。
最近のサンデーではヒロインの名前を冠した祭りを執り行うのが流行ってるんでしょうか。
この調子でしおりん祭りとか六花(笑)祭りとか神田さん祭りとかやってくれないかのう。

ヒナギク関連の描写はなかなか良かったです。多少詰め込み気味ですが言いたいことは良くわかる。
でも相変わらずのオチの弱さだけはいかんともし難く……これって地味に結構でかい問題じゃないかなぁ。
私みたいな、女の子キャラに特に思い入れを持って読んでない読者からすると特に。


クロスゲーム(42)
来週、夏でプールで水着で巻頭カラーなんですってよ奥さん。
……誰かあだち先生を止めてやってくれ!
なんでこの人はこんなに巻頭カラーで水着とかサービスショットとかそういうのが大好きなんだよ!
あんたの絵柄でやっても大して意味がないんだってば! なのに毎回毎回……この男はホントにもう!
「あだち充+試合以外の話+巻頭カラー=水着サービスカット」
この定式に違和感を覚えなくなっている人は完全にあだち毒に冒されているから気をつけろ!


焼きたて!! ジャぱん(219)
ま、今までさんざんイジメに加担してきたわけですから、
この程度の扱いくらいどうってことないんじゃないかと私は思うんですけどねー。
ヒロインだからといって裁きから逃れられると思うなよ! 増長には制裁を!

でも全然スカッとしないのは何故だろう。


RANGE MAN(10)
この漫画の使い捨てヒロインが立て続けに現れる構造を例にとって、
「消費される美少女たちとオタク男のメンタリティ」みたいな論文を書こうという猛者は誰かいませんかね?
いや、結構マジに書けそうな気がするのが怖いですけど。
私? 私はやんないよ!


妖逆門(22)
なんかいろいろ出てきましたが、
私としてはあえて蕪木雪ノ心(マフラー男)の相手の男に注目しています。
役割的にはチンピラの延長の単なるやられ役でしかないですが、
なんだか無駄に描写が細かいのが気に入ったのですよ。
こういう遊びができるようになったということは、意外と重要なことだと思います。


あいこら(53)
今回のこの裏坂下門学園祭・ミス坂下門コンテスト編で!
新たに素敵なヒロイン候補が二人も増えたと考えるか!
新たに無敵な変態候補が四人も増えたと考えるか!
あなたは、さあ、どっち!?

にしても、バランスボードやらロデオやら尻うえおはともかく、
フランス書院文庫朗読は明らかにアウトだと思うんですけどそのへんどうなんですか。
梅香に対して妙に過剰な反応を返す渋沢に免じて、見なかったことにしましょうかね……。


ブリザードアクセル(69)

誰ッ!?

わ……わかったッ! あれは大人になって若干イメチェンしたプラタリッサ・ボネールだ!!
まぁ冗談はさておき、ついにリアクションが周囲ではなく本人にまで影響を及ぼすようになりましたね。
かねてからこの漫画の演技にはヒュプノによる集団催眠効果があると思われてきたのは有名な話ですが、
それを突き詰めると末摘花枝のような別人への変身も可能になるようです。
ということでフィギュアスケーターはみんなで老人ホームに行ってターミナル・ケアに精を出せば良いと思うよ。
(もちろん上のは全部冗談です)

六花の転校騒ぎは思ったよりずっと急展開でびっくりです。
でもなんだかんだで決勝までやるんだろうとは思いますけどね。
というよりやってもらわなきゃ困ります。じゃないと小雪の変身が見れないじゃないか!


絶対可憐チルドレン(52)
皆本のモゴモゴは「葵!! 大丈夫だ!! 君ならやれるはずだっ!!」かな?

ボニーが絵の具人形だったとは完璧に予想外。
でもコレって常に二次元なのか、それとも三次元の時もあるのかどっちでしょうね?
二次元だとどんな角度から見ても厚みがあるのがわからないし、
あれだけの量の絵の具を放出できるのも説明できません(サイコキネシスで圧縮してるのかもしれないけど)
でも三次元だとどうしてあの時だけ二次元だったのか良くわからないし……。
椎名先生のことだから、それなりに納得のいく答えが出そうなもんなんですけどねー。

でも人間にしか見えない絵の具人形を描ける腕があるのにラクガキにしか美的価値を認めないというのは……
ある意味ものすごい損をしているのかもしれません、彼。


ハルノクニ(24)
うーん、ギリが全力で走ってますが、だからといってどうなるかというと。
まぁコーさんと蜂谷管理官のバトルが終わったあたりにやってきて、
彼女と何らかの交渉を行い撤退させる役割になるんでしょうけど……。
今のところ、交渉術だけはそれなりにできるキャラとして描かれてますからね。
まぁそれでもパピプリオの方が術があるだけまだマシなんじゃないかという気はしますけども。


兄ふんじゃった!(77)
「枯れ木売りの少女」のエンディングが気になります。
原作の時点ですでにこれ以上ないほど悲惨なのに、さらに酷い結末が待っているんでしょうか?
永遠に死に続けるようになったとか、バイオベースとか、トラックにゆっくり押し潰されるとか……?


武心BUSHIN(21)
次号から「武心BUSHIN」でも葵まつり開催! (余計な一言)

今週は無茶っぷりと熱血っぷりが程好いバランスでミックスされた、割と理想的な万乗漫画だったと思います。
何が一番理想的かって、美少年をここぞとばかりにいたぶってたのが一番理想的。
男装少女やオヤジの活躍も立派な万乗漫画のメインコンテンツではありますが、
やはり真髄は無茶・熱血・美少年! コレ!! (やかましい)


聖結晶アルバトロス(33)
侵入者か……たぶんユヒナだろうとは思いますが。
ピジョンだったらこんな大騒ぎにはならないでしょう。彼女のやり口的に。

地図は結構良い感じですねー。
なんかホントにもう、この漫画はこういう小道具は良い味出してるのになー。もったいない。


地底少年チャッピー(33)
そういえばそんなのいたなあ。素ですっかり忘れてました。
そして田辺先生に続き、こっちはこっちで無駄に萌えへの反骨精神を剥き出しにしてるし。
「ボーボボ」だったら絶対意味もなく萌え絵柄っぽい美少女になってたところですよ。
最近あの漫画はそういうのにご執心だし。


見上げてごらん(69)
絶界! 絶界だ!
せっかくだからテニスに活かそうぜ! これなら無我の境地とも戦えるかもしれない!
……いや、たぶん無我の境地相手にはまだ不十分ですね、絶界だけだと。


ネコなび(56)
うーん、ねこ飼いとしては言いたいことはわかるのですが……
でもこのタイミングで監禁ネタは流石にマズかったですね。
あのニュースが流れ始めたのは8月始めなので、かぶったのはあくまで偶然でしょうけど。
普段がアレだと運も味方してくれない、ということなんでしょうか?


総括
今週のMVPは予想以上の出来を見せてくれた「ダレン・シャン」に一票。
この分ならサンデーを読む楽しみがまたひとつ増えそうです。
ちなみにメディアミックスに興味がないと言いつつ私が「ダレン」原作を読んでる理由は、
たまには「原作をいかに違うメディアに料理するか」という視点から漫画を読んでも良いかなーと思ったからです。
要するに気まぐれなので、あんまり深く考えない方が良いですよ。





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