(08/19)

 遅ればせながら、少し前に出た「からくりサーカス」の最終巻を先日やっと読みました。

 話には聞いていましたが、最後の描き足しは非常に良かったです。後日談を中心にボリュームアップが激しく、連載中は無茶な展開続きだった終盤も(多少ですが!)読みやすくなっていました。特にミンシアの後日談の追加(もっと言うならルシールの名前が出たこと)は素敵でしたね。これでギイについても言及があればさらに嬉しかったんですが……まぁ、そういうことを言い出すとキリがないのでやめておきますか。他、恒例の凝ったスタッフロールに律儀にブロムやアンラッキーのデザインの人の名前が書かれていることや、参考文献に「ダレン・シャン」の名前がない(絶対参考にしてると思ったのに! まぁサーカスという意味では大して関係ないけどさ……)こと、そしてわざわざ作者のあとがきまで載せるあたりに破格の待遇を感じたことなど、見所が沢山ありました。個人的には最後の最後に「鳴海の箱」を持ってくるあたり、背筋にゾクッと来るものを感じたりもしましたね……。

 そして、何より凄かったのが本編終了後の主要キャラのほとんどが登場する圧巻のカーテンコール。延々10ページに渡って溢れる笑顔、笑顔、笑顔。中には凄い組み合わせやキモい笑顔もありましたが(笑)、この漫画ならではの演出が感じられて、そして藤田先生がいかに作中のキャラを愛していたのかが伝わってきて、不覚にもちょっと泣きそうになってしまいましたよ。大作を読んだ直後特有の満腹感を、まさかこんなに感じられるとは……非常に粋な作りの単行本で、担当さんや編集部にもありがとうと声に出して言いたい気分です。こんなに豪勢でリーズナブルな単行本、久々に見ましたよ。



 ……。
 …………。
 で!
 そんなわけで、今回の企画は……


 カーテンコール登場人物大・解・説!!


 (誰か既にやってそうだけど)私がやらんで誰がやる! 一仕事を終えた我が最愛の漫画家に向けて、これが私のできるせめてもの餞だ! 以下向かって右側から、登場人物たちを片っ端から紹介してゆきます。どうしても名前が出なくてウズウズしている貴方も、時折覚えのない顔が混じっていて困っている貴方も、これを見れば一発ですよ! ……というわけで、これが私の、「心の中の万雷の拍手」代わりです。


<最初の見開き・上段>

トーマス・シュレンジャー(人間・通称トム。ゾナハ患者。ゾナハ病の子供といえば彼)
スカスパー(自動人形・ハリー編で研究所を襲った自動人形の一体。鳴海に一撃破壊)
フラッシュ・ジミー(自動人形・新生真夜中のサーカス自動人形リーダー。三牛親子と相討ち)
元ゾナハ患者の女の子(人間・ハリー編で誤ってボールを落とし、拾ったジョージを恐れる)
三牛直太(人間・仲町サーカスの一員。アクロバット芸人。ヘタレ担当)
レディ・スパイダー(自動人形・シベリア鉄道編で仲町親子と相討ち)
三牛諸美(人間・仲町サーカスの一員。息子と同じくヘタレ担当。結局何の芸人だったの?)
ゲーラン(自動人形・経歴はスカスパーと同様)
仲町信夫(人間・仲町サーカス団長。石食いが得意技。名前がコロコロ変わった)
仲町浩男(人間・仲町サーカスの一員。一本綱芸人。ノリと良く混同される)
仲町紀之(人間・仲町サーカスの一員、のちに新団長。バランス芸が得意)
仲町フサエ(人間・仲町信夫の妻。生前は高綱渡り芸人。ノリ・ヒロの母親代わり)
阿紫花平馬(人間・勝の友達。人形繰りで終盤までほどほどに活躍)
グリモルディ(懸糸傀儡・尾崎や阿紫花他の持ち人形。高速移動が可能、黒賀村人形最高傑作)
阿紫花英了(人間・人形使いの殺し屋。へなちょこヤクザだが要所要所で大活躍)
アクエリアス(懸糸傀儡・羽佐間の持ち人形。デザインは井上和郎)
羽佐間(人間・人形使いの殺し屋。阿紫花英了の忠実な子分)
羽佐間洋(人間・黒賀村の少年。黒賀村での勝の最初の友達)


<最初の見開き・下段>

生方涼子(人間・仲町サーカスの一員。法安の孫娘でアルレになつく)
アルレッキーノ(自動人形・最古の四人。クールで冷静沈着。しずかちゃん的殺人音波)
生方法安(人間・仲町サーカスの一員。道具方。なんだかんだで終盤大活躍?)
パンタローネ(自動人形・最古の四人。アルレの相棒格で空気弾を乱射可能。気が短い)
マリー(しろがね・しろがねの先生の一人。カルナックでフラーヴィオに襲われ死亡)
ギイ・クリストフ・レッシュ(しろがね・鳴海の相棒でエレの師匠。物語の超重要人物)
才賀アンジェリーナ(しろがね・正二の妻。エレの出産前後の姿。ギイを息子のように扱う)
才賀正二(しろがね・エレの父親でアンジェの夫。フェイスレスと宿命の対決を繰り返す)
フランシーヌ人形(自動人形・真夜中のサーカス元団長。黒賀村で人間の心を知る)
才賀エレオノール(人間・才賀正二とアンジェの娘。体内に柔らかい石を宿す)
才賀善治の秘書(人間・無能な善治を支える苦労人)
列車の脱線事故に巻き込まれた女の子(人間・第1巻第2話でどちらかの足を骨折する)
才賀善治(人間・勝の叔父。人形使いを雇い、遺産目当てで勝を誘拐した)
加藤ケンジロウ(人間・鳴海の祖父。元ピエロで人を笑わせるのが得意)
才賀善治のメイド(人間・善治の発作にイチゴゼリーを与えて鎮めるのが主な仕事)
メリーゴーラウンド・オルセン(自動人形・からくり最終章第一試合のボス)
菅野先生(人間・ケンジロウの友人で鳴海の知り合い。小さな診療所を構える)


<二番目の見開き・上段>

ベイン(人間・エリ公女編でチンピラを率いていた男)
アプ・チャー(自動人形・エリ公女編ボス。エリになりかわろうとギュンター候に接触)
エリ・アダム・ドゥ・ランベール・ティローム(人間・鳴海に胸キュンなローエンシュタイン国皇女)
ギュンター候(人間・エリの叔父。体が弱く不死に憧れるところをアプ・チャーにつけこまれる)
ルシールの息子(人間・白金の初暴走の際、ドットーレに首を切断され死亡)
ドットーレ(自動人形・最古の四人。からくり最終章でルシールと相討ち。一人だけ扱いが酷い)
アンジェリーナ(人間・ルシールの娘。子供唯一の生き残りとなり、柔らかい石を埋め込まれる)
ブロム・ブロム・ロー(自動人形・ハリー編ボス。デザインは読者募集。ヤスパースオタク)
マーク(人間・ゾナハ患者。鳴海と仲良くなるがゾナハ病が悪化してあっけなく死亡)
ナイア・スティール(O・新生真夜中のサーカスO軍団リーダー。フェイスレスの側近)
ギャンブラー・ジョーンズ(自動人形・ハリー編で研究所を襲撃。コスプレ趣味)
ルシール・ベルヌイユ(しろがね・しろがねの先生で歴戦の戦士。エレの祖母。粋なばあちゃん)
梁明霞(人間・拳法家の女優。梁師父の娘で鳴海に片思いしていたが相手にされなかった)
リシャール・ベッティ(人間・サーカス芸人。鳴海に似ている。エレに告るも玉砕)
王張健(人間・拳法家。鳴海の兄弟子で格闘センスはあるらしい)
梁剣峰(人間・拳法家。鳴海の師匠でミンシアの父。拳法を極めた男で恐らく作中最強クラス)
レイフ・バンハート(人間・レイ疫病研究所所長。ゾナハ病治療マシン・ハリーを製作)
ドリル・セプテンバー(自動人形・ハリー編ボスの前座。ブロムの相棒)


<二番目の見開き・下段>

ワイルド・ウエスト・ジェーン(自動人形・シベリア鉄道編でヴィルマと相討ち)
ジェイムス・ソーン(人間・通称ジム。ヴィルマの弟。ゾナハ病で死亡)
ヴィルマ・ソーン(人間・元殺し屋のナイフ使い。仲町サーカス。姐御肌。ジェーンと相討ち)
チャイナ・ホー(自動人形・中国編ボス。イカレた性格で、作中唯一生命の水を飲んだ自動人形)
ファティマ(しろがね・サハラ出身。鳴海に想いを寄せ、コロンに散々自慢して死亡)
フウ・クロード・ボワロー(しろがね・資金提供及び黒幕。最終章の味方陣営作戦参謀を担当)
ミッシェル(しろがね・最古のしろがね。サハラ編でミンシアに枠を譲り、阿紫花を雇って死亡)
コロンビーヌ(自動人形・最古の四人。ゾナハ蟲を操る紅一点。恋愛に興味津々)
エリザベス(人間・通称ベス。ゾナハ患者。鳴海の目の前でゾナハ病最終段階へ移行、ダウン)
ハリー(ぬいぐるみ・ベスの親友。のちにゾナハ病治療マシンのネーミングに一役買う)
カラス型自動人形(自動人形・各地に散らばり、真夜中のサーカスに世界の動向を伝える)
シャロン・モンフォール(人間・教師。瀕死から鳴海に命を救われ復活、世界壊滅後は旅して回る)
タニア(しろがね・しろがねの先生の一人。元教師でシャロンに教師魂を伝える)
イヴォンヌ(しろがね・リタイア組。占い師アルメンドラの名前で真夜中のサーカスについて回る)
ジョージ・ラローシュ(しろがね-O・玉を操る男。唯一、最終章まで生き残った味方のしろがね-O)
バス・ナッシュ(自動人形・ハリー編でジョージと戦い、音楽の説教をされる)
カール・シュナージー(O・ジョージより強い玉を操る男。人類滅亡論者)


<三番目の見開き・上段>

ユニコーン(自動人形・製作者はラーオ。リーゼの鬼調教を受けて付き従うようになる)
ケニス(自動人形・アルレの元子分。空を飛ぶくらいしか能のない小物)
アノス(自動人形・アルレの元子分。ケニスと大体同じ。しぶとさなら一級品)
ニコライ一家の皇女(人間・ロシア皇帝一家の娘で革命軍に惨殺される。ドミートリィのトラウマ)
ドミートリィ・イワノフ(しろがね・からくり最終章の仲間の一人。優男のロシア人)
ダールの息子(人間・幼くして自動人形に殺される。形見の靴はダールが身に付けることに)
エドワルド・ダール(しろがね・からくり最終章の仲間の一人。ヴァイキングの末裔で豪胆で繊細)
中山文十郎(人間・正二の回想に登場。日本に流れ着いたアンジェを遠野太夫として匿う)
スパッツァ(自動人形・飛行機編の自動人形第二部隊ボス。ギイを道連れに大爆発)
正二郎の兄(人間・正二の兄。医学の発展を願うあまり罪を犯し、獄中で病死)
白銀(人間・錬金術師兄弟の兄。フランシーヌと恋に落ち、のちにしろがねを生み出す)
成瀬正二郎(人間・長崎の少年。インになつき、こっそりとその手解きを受ける)
ジャコブ・イン(人間・医者。正体は白銀。日本に来て正二郎と出会い、しろがねの名を貰う)
カラス型幻獣(自動人形・ラーオの作った幻獣)
フランシーヌの妹(人間・貧民街の身寄りのない子供の一人。フランシーヌに養われる)
偽フランシーヌ人形(自動人形・フランシーヌ人形の身代わり。長旅に疲れきって機能停止)
フランシーヌ(人間・貧民街の少女。銀と惹かれ合うが金に誘拐される。ちょっとアホの子)
シュヴァルツェス・トーア(しろがね・からくり最終章の仲間の一人。医者でスティーブの友人)
フランシーヌの弟(人間・貧民街の身寄りのない子供の一人。実は井上和郎デザイン)
人面蛇型幻獣(自動人形・ラーオの作った幻獣)
白金(人間・錬金術師兄弟の弟。恋に狂ってフランシーヌを誘拐、のちに自動人形を製作する)
看護士さん(人間・レイ疫病研究所勤務。ヘレンとともに、ハリー編で子供たちの面倒を見る)
ヘレン(人間・レイ疫病研究所勤務。看護士たちの代表的キャラ)
上田織江(人間・勝の通っていた小学校の同級生。生まれ変わった勝に積極アタック)
アンゼルムス(自動人形・研究所編ボスの一人。パウルマンの相棒。言動がいちいち下品)
パウルマン(自動人形・研究所編ボスの一人。アンゼルムスの相棒。先生気取り)
フラーヴィオ(自動人形・フランス編ボス。鳴海にとって初めての強敵人形。股間が気になる)
梶山あつし(人間・勝の通っていた小学校の同級生。ジャイアン的存在)
ドナー(人間・レイ疫病研究所勤務。ハリー編でバンハート博士と一緒に辛うじて生還)


<三番目の見開き・下段>

ケルベロス(自動人形・ラーオの作った幻獣。リーゼの鬼調教によって以下略)
馬麗娜(しろがね-O・からくり最終章で最深部まで辿り着いた唯一のO。鳴海に道を譲って死亡)
衝月五郎(人間・黒賀村人形相撲編ボスで村一番の少年人形繰り。平馬を苛めていた)
ハーレクイン(自動人形・最後の四人。エレに横恋慕していた。エセお調子者)
阿紫花家の父(人間・身寄りのない子供たちを次々と引き取って育てている。勝の父代わり)
阿紫花家の母(人間・経歴は父同様。もういい年で孫がいてもおかしくない)
福田マキ男(人間・黒賀村人形相撲編の相手。エルフオタク兄弟の兄。無口でキモい)
福田ヒロ男(人間・黒賀村人形相撲編の相手。エルフオタク兄弟の弟。饒舌だがキモい)
阿紫花百合(人間・黒賀村編の攻略対象ヒロインの一人。末娘。ガキどもの憧れの的)
カピタン・グラツィアーノ(自動人形・最後の四人。ホラ吹きのエセ貴族剣士)
リチャード・ロッケンフィールド(人間・通称リッチー。スティーブの義理の息子の弟の方)
スティーブ・ロッケンフィールド(しろがね・からくり最終章の仲間の一人。鳴海を助けて死亡)
ティンババティ(しろがね・からくり最終章の仲間の一人。コロンに血を注いで相討ちに)
アルバート・ロッケンフィールド(人間・通称アル。スティーブの義理の息子の兄の方)
メアリ・ロッケンフィールド(人間・スティーブの妻。とにかく男運がない)
ノーヴェンバー(エルフ・サーガ伝説レジェンド・ファイターのヒロイン。福田兄弟の崇拝対象)
お姫さま人形(ぬいぐるみ・仲町サーカスの小道具。エレの繰りで物語のヒロインを演じる)
比良吹雅人(人間・黒賀村人形相撲編の相手。ビッグサクセスとフルーチェの男)
えんとつそうじ人形(ぬいぐるみ・仲町サーカスの小道具。転じて勝の偽名に)
ブリゲッラ(自動人形・最後の四人。エセ格闘バカ。強いのか弱いのかイマイチ良くわからない)
ぎんぎつね人形(ぬいぐるみ・砂浜でエレに拾われる。仲町サーカス巡業開始当時、団長に喝)
富内拓地(人間・黒賀村人形相撲編の相手。ハネムーンロードの謎を残して惨敗する)


<四番目の見開き・上段>

クピディアー(自動人形・ハリー編のギイの相手。ギイに執拗な勧誘とサービスを繰り返す)
黒賀村長老(人間・黒賀村の重役。スケベオヤジ)
黒賀村長老(人間・黒賀村の重役。羽佐間洋の祖父)
デイビット・マーシャル(人間・アメリカ軍上級曹長。ハリー編で鳴海たちを援護)
黒賀村長老(人間・黒賀村の重役。他のじいさんたちとつるんでいる。やっぱりスケベ)
赤ん坊(人間・シャトル打ち上げ直前にハーレクインに襲われる)
ニコライ神父(人間・シャトル打ち上げ直前に登場。鳴海とエレの求愛シーンを見せつけられる)
ランバージェイコブ(自動人形・ハリー編冒頭に登場。トムを追いかけていたが鳴海に粉砕)
兼田一也(人間・黒賀村人形相撲編の相手。ギイに吹き込まれていろいろ姑息な手を使った)
トルネード・ラプソディーその1(自動人形・黒賀村人形相撲編ボス。投石攻撃が得意)
アンラッキー(懸糸傀儡・黒賀村試練編に登場。気味が悪い。デザインは読者投稿)
明神様(魚類・黒賀村試練編に登場。洞の中の湖に棲む。本来は教室くらいでかい)
阿紫花れんげ(人間・黒賀村編攻略対象ヒロインの一人。気分屋少女。ろ、露出に目覚めたの?)
トルネード・ラプソディーその2(自動人形・黒賀村人形相撲編ボス。腰の回転刃が主な武器)
阿紫花菊(人間・黒賀村編攻略対象ヒロインの一人。ガチガチの頭脳派で性格もガチガチ)
ウォン(人間・殺しの紹介屋。ヴィルマに才賀勝暗殺の仕事の話をもちかけた)
シルベストリ(自動人形・黒賀村シルベストリ編ボス。人間に憧れを抱く、心優しい剣豪人形)
ディーン・メーストル(しろがね・O部隊隊長。その正体と憎しみを隠し、正二たちに接近する)
スズランの少女(人間・黒賀村シルベストリ編に登場。フランス在住。シルベストリと親しい)
ハナ(人間・正二の回想に登場。幼くして母親を失くしたエレの世話を続ける)
才賀エレオノール(しろがね・正二の娘。ディーンの策略によりあらぬことを吹き込まれる)
トメ(人間・正二の回想に登場。エレの出産を陰から支える)
トミ(人間・正二の回想に登場。黒賀村の隣村の助産婦。強気なばあさん。ギックリ腰)
衝月(人間・黒賀村の剛の者(笑)。勝を貞義の生まれ変わりと勘違いし命を狙う)
長足クラウン号(自動人形・最初は敵側の乗り物だったが、改造され鳴海たちを何度も救った)


<四番目の見開き・下段>

ドクトル・ラーオ(自動人形・猛獣使いを模した変態紳士。リーゼに面目を潰される)
ビースト(アムールトラ・ヘレンの命を奪った獰猛巨大な脱走虎。元ラーオの実験体)
ドラム(ライオン・リーゼの使うライオン。ある意味最も不幸な登場キャラクターの一人)
黒賀村村長(人間・サーカス最終章に登場。培養槽の正二に付き従う)
丸木教授(人間・ビースト編に登場。虎やライオンの常識を説く。意外と潔い)
タランダ・リーゼロッテ橘(人間・仲町サーカスの一員。猛獣使い。大人になってケバくなった)
増村医師(人間・サーカス最終章に登場。村長らと共に、培養槽の正二の命を受け動く)
ヘレン・リーゼロッテ橘(人間・リーゼの双子の姉。かなりのS。ビーストによって噛み殺される)
遠野太夫(しろがね・遊女。日本に来たアンジェの仮の姿で、客に変な問いをすることで有名)
コロンビーヌ(自動人形・最古の四人。旧型ボディから大きく変化。終盤は勝の味方につく)
バジリスク(自動人形・ラーオの作った幻獣。リーゼの鬼調教によって以下略)
ゴルゴン(自動人形・ラーオの作った幻獣。リーゼの鬼調教によって以下略)
ヤマネコ型幻獣(自動人形・ラーオの作った幻獣)
ゴイエレメス(懸糸傀儡・勝の持ち人形。圧倒的なパワーと防御力を誇るが使いにくい)
ディアマンティーナ(自動人形・最後の四人。自分勝手なワガママ娘。エセロリ)
クマちゃん(自動人形・ティーナの武器。高機動型・爆発型など多数存在する)
オリンピア(懸糸傀儡・ギイの持ち人形。あるるかんと共に物語の重要な鍵を握る)
キャプテン・ネモ(懸糸傀儡・勝の持ち人形。剣を使う。また、水辺での機動力は随一)
ジャック・オー・ランターン(懸糸傀儡・勝の持ち人形。空を飛べる。勝が最も愛用した人形)
あるるかん(懸糸傀儡・エレの持ち人形で最古のマリオネット。主役っぽいが影が薄い)
加納大輝(人間・サーカス最終章に登場。フェイスレスに関節を分解され成り代わられていた)


<最後の見開き>

フェイスレス(しろがね・ラスボス。200年間全くモテなかった失恋大王にして最強の小悪党)
ジョー(スタッフ・片山ユキオ。昔からのチーフアシ。サンデー短期連載経験あり)
ニック(スタッフ・金田達也。「あやかし堂のホウライ」をサンデーに短期連載、激しくコケる)
犬のしろがね(しろがね・フェイスレスについて回る。記憶は同じでも考え方は少し違うらしい)
才賀エレオノール(しろがね・物語のヒロイン。素直クール。得意技は軟体芸と脳内美化)
リック(スタッフ・雷句誠。「金色のガッシュ!!」をサンデーに連載、看板格にまで昇り詰める)
ケイ(スタッフ・井上和郎。「美鳥の日々」「あいこら」をサンデーに連載、オタク層の支持は厚い)
ダン(スタッフ・赤井羽根人。インスパイアキャラは「うしとら」に出たため、今回は免れたようだ)
才賀勝(人間・物語の主人公。作者の寵愛を一身に受けたが、読者の人気は得られなかった)
ジョニー(スタッフ・福田宏。エルフオタク)
ジャガー(スタッフ・箱田裕司。陰陽人形のセンスはオラーツィオに活かされたようだ)
加藤鳴海(しろがね・物語の主人公。気のいいあんちゃんだったが暴走を繰り返し株を落とす)
グリュポン(自動人形・マスコット的存在。勝をマスターと呼び懐く。特に役には立たない)
トミー(スタッフ・内富拓地。濃いキャラばかりのスタッフ陣の中ではどうも影が薄い……)
ボブ(スタッフ・瀬尾結貴。歴代のスタッフの中ではまだ日が浅い)
藤田和日郎(スタッフ・この漫画の作者。多くの弟子を持つ。体形と頭髪の問題に悩む中年男性)
フェイスレス(人間・ラスボスの生まれ変わった姿。でも頭の中身は生まれ変われませんでした)


 以上人間が88名、しろがねとしろがね-0が28名、自動人形が46体、懸糸傀儡が8体、スタッフが10名、その他が8つで合計188人。こうしてみると、思った以上に人間が多いですね。ちなみに生存率は80/188で約42.6%、ぬいぐるみ(破壊されていない限り生存扱い)やスタッフを除くと66/174で約37.9%とさらに落ち込みます。主要登場人物のうち約6割以上が死んだ計算に。いくら登場人物全員故人の過去編が多いからといっても、正直ちょっと殺しすぎです!

 なお、ここにいない準主要キャラとしては、才賀四兄弟(勝の義兄弟)、中川直美(勝の母親)、竹内(勝の元同級生)、房江・コージ・ユキ親子(銀行強盗の人質兼初公演の観客)、パム(ヴィルマの元相棒)、見浦弥三郎(正二の剣術の師匠)、カストルとモンフォーコン(最古のしろがね)、エレーヌ&シベール(パリの下着女自動人形)、マイケル(飛行機編・自爆人形のボス格)、ラスト数ページで勝に助けられた子供たち、サハラ編やモン・サン・ミッシェル編のOのみなさん、黒賀の人形使いのみなさん、サハラの雑魚人形のみなさんなどがいます。懸糸傀儡に至っては多すぎてこの場では書ききれません。まぁ、この中でカーテンコールに出てきてもおかしくなかったキャラといえば、せいぜい勝の母親と房江親子、パリの二人、最後の子供たち、あと増村・尾崎・山仲・加納・金井くらいでしょうけど……。

 ちなみに中にはカーテンコールを見て「これまでの物語が全部ウソッパチの演技っぽく感じられて興醒めだ」という方や、「こんなもの描いてる暇があったら本編をもっと手直ししろ」という方もいるようですが、私はそうは思いません(もちろん、その人がそういう感想を抱くのは自由です)。

 まず演技の件ですが、これはこの漫画が最初から「サーカスの演目」を模している以上、この漫画は登場人物たちの人生の一部を淡々と観察したドキュメンタリーではなく、あくまで観客を意識して行われた架空のエンターテインメントであるという視点で見るべきではないかと思います。普通の漫画ならあり得ない「作中登場人物であるフウが読者の存在を明確に意識して直接モノローグを語る」現象が起きている時点で、この漫画には「作中登場人物」と「それを見守る読者」という二者によって構成されていることになります。通常の漫画では、当然、「作中登場人物」は存在しても「それを見守る読者」は(作品内では)想定されていません。

 そして、この構成要素が二つある形式は、「からくりサーカス」においてはそのまま「サーカス」になぞらえられています。物語は番組に、キャラクターたちは芸人に、読者は観客に。そして、その対応をより明確にするため、ちょっと小粋なエピローグをつけてみた、それがあのカーテンコールなのでしょう。つまり、この漫画は物語を外から見ている読者がいることを前提とした漫画です。その漫画に対して、通常の漫画と同じようなドキュメンタリーという視線で読むことは――そう読むことだけなら自由ですが、そこにドキュメンタリーならではの構成や演出を期待することは間違っているのではないかと思うのです。

 もうひとつの本編の手直しの件については――正直、これ以上はどうにもならなかったのではないかと思います。すでにサンデー誌上で大筋の物語が描かれている以上、すでに提示された物語をあまり大きく変更するわけにはいきません(そういった前例はないわけでもないですが)。それに、最終巻を刊行するにあたって、すでにそれなりの手直しは施されていますし、そもそも最終巻だけ頑張ったところで、42巻までの時点でもうどうにもならないところまで来ていますからね……。それでも無理にこれ以上の改善を図るか、それともその労力をカーテンコールを描くことに費やすかと言えば――カーテンコールをどう思っているかにもよるでしょうが、私なら後者を選択するでしょう。

 ただ、この「からくりサーカス」という漫画をサーカスになぞらえる手続きがいささか不完全だったことは残念でなりません。先ほど、この漫画はドキュメンタリーではなくエンターテインメントだと言いましたが、その境界をきちんと線引きできていなかったように思えてならないのです。例えば、観客と芸人を繋ぐ役割を担うフウが最終章まで登場しなかったことや、勝の「選択肢」がごく部分的にしか描かれなかったこと、単行本での煽り方と、本誌連載時の煽り方に大きな差があったことなど。こういった、読者に対してこの漫画をサーカス的なエンターテインメントだと説明するプロセスが中途半端だったため、せっかくの演出も不完全な結果に終わってしまったような気がするのです。もっとも、絶えず読者の反応を見て柔軟に展開を変えていかなくてはいけない少年漫画というフィールドにおいて、これ以上の完成度を求めるのはいささか酷だっただろうとも思いますが……。

 あー、なんか途中から本編の総括じみた方向に話が流れてしまいましたが、概ねそんな感じです。要するに、私は今回の最終巻に満足したんだということでお願いします(じゃなきゃこんな企画やりませんし)。実に読み応えがあって読後感の良い最終巻でした。ありがとう、そしてさようなら「からくりサーカス」。途中でギブしかけたり散々文句も言ったりしたけれど、面白かったぜ!

 以上、こんな長文を最後までお読みいただいた方へ、本当にありがとうございました。





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