ということで、こっそりやってみました。ナツ100。
ただし100もひねり出せなかったので60作品しか挙げていません。
一言では主に見所を紹介しています。見所以外は欠点満載な作品もあるので要注意。
(それって企画意図からズレてないか?)
うしおととら / 藤田和日郎
少年漫画のお手本。戦いの動機付けの手管だけで、他のあらゆる欠点を凌駕している気がする。
からくりサーカス / 藤田和日郎
激しい迷走ぶりが評価を著しく落としているけど、こと演出力に限ってはとんでもない力量だと思う。
寄生獣 / 岩明均
時折グロいけど、それ以上に繊細な人間描写が目立つので気にならない。他のジャンルだと欠点になる淡白な絵柄も、この作風に限っては味方となる。ミギーはキモカワイイの元祖ですよね!
七夕の国 / 岩明均
地味であることを除けばほとんど完璧に近い出来。こんなに最初から最後までしっかり計算された漫画、そうそうない。
ONE PIECE / 尾田栄一郎
はっきり言って、私にはバトル描写以外はこの漫画にケチをつけることができない。現四少年誌中、間違いなく圧倒的ダントツにNo.1の完成度を誇る「少年漫画」だと思う。強いて言うなら扉絵連載の内容にちょっと疑問符を感じるが。
道士郎でござる / 西森博之
武士ギャグ漫画にして、殿視点で見れば立派な成長物語。どちらの意識で読んでも楽しめる。
GS美神極楽大作戦!! / 椎名高志
キャラの魅力で最後まで押し切った名作。漫画はキャラが命だな、と思わずにはいられない。
モンキーターン / 河合克敏
正統派なモータースポーツ漫画なんだけど、複数の主人公の視点が複雑に絡み合う青春モノ、という読み方の方が個人的にしっくり来る。
はじめの一歩 / 森川ジョージ
中期(28巻〜55巻くらい)の試合描写はボクシング漫画史上最高傑作と断言。最近はちょっと雲行きが怪しいけどまだまだ読める。
彼氏彼女の事情 / 津田雅美
前半の出来は本気で絶賛したい。後半はストーリーといい同人誌的ノリといい、多少読者置いてけぼり感が強いが。
ジョジョの奇妙な冒険 / 荒木飛呂彦
独特の濃さと過剰なまでのギミックの作りこみと強い意志とシュールなキャラクターが、非常に高い次元で溶け合っている。唯一無二の漫画。
100,101(「子午線を歩く人」収録) / 須藤真澄
たった16ページに込められた世界の広さと深さに愕然とする。
ゆず(続編「ゆずとまま」も込み) / 須藤真澄
ねこ漫画のある意味頂点。ペロ先生もこれを見習ってくれー!(割と悲痛な叫び)
アクアリウム / 須藤真澄
淡々とした対比がゆるやかに続く、現実的かつ幻想的なファンタジー。須藤真澄の代表作。
おさんぽ大王 / 須藤真澄
レビュー漫画の金字塔? レビュー漫画=つまらないと思っている方は、この作品を読んだ後でも同じことが言えるのだろうか?
プラネテス / 幸村誠
SFモノに近いがSFモノではない。主役は最後まで人間の心であって、卓越した未来描写はあくまでその道具に過ぎない(そのへんのズレが評価を若干落としているけど……)。
バガボンド / 井上雄彦
画面の迫力と高い精神性の描写が目玉。でも行き過ぎて最近はどんどんシュールに、かつ説明過少になっている気がする。
SLAM DUNK / 井上雄彦
前半のギャグ描写くらいしか隙の無い正統派バスケ漫画。何が違うって、バスケというスポーツの面白さをちゃんと読者に伝えられているのが他のスポーツ漫画と一番違う。
ドラゴンボール / 鳥山明
良くも悪くも今の少年漫画の原型を作り、そしてその限界を示した作品。この作り方は天才鳥山でさえ持て余していたのに、普通の漫画家が安易に真似しようとすれば失敗するのは必然。
ドラゴンヘッド / 望月峯太郎
肝心のメッセージを伝え切れていない部分はあれど、ひとつのテーマに対して最後まで真摯に取り組んだ姿勢は凄い。
DEATH NOTE / 大場つぐみ・小畑健
絵柄・理屈付けとも、ジャンプの枠を完全に超えてしまった作品。ただ構成とストーリーは誰がどう見ても立派なジャンプ作品。
県立伊手高校柔道部物語 いでじゅう! / モリタイシ
ギャグはかなり人を選ぶけど、ラブコメとして楽しめば問題なし。女の子の可愛さは一読の価値アリ。
D-LIVE!! / 皆川亮二
単発のエンターテインメントに徹しつつ、長期的な主人公の成長もしっかり描いたクオリティの高いハイブリッド作。
あずまんが大王 / あずまきよひこ
間の取り方とキャラデザインの良さなら他の追随を許さない。引き際を見定めたゆえの完成度の高さも○。
地獄甲子園 / 漫☆画太郎
型破り、という一言でまとめてしまって良いものか。文字通り反則ギリギリのとんでもないギャグの嵐が、ツボにハマる人には徹底的にハマる。
スカイハイ / 高橋ツトム
閃光のように強烈な人間の感情がひたすら描かれる。連発されるのでちょっとクドいけど……。
冒険してもいい頃 / みやすのんき
父親の書斎の隅から カバーをかけられたこの漫画を発見した 中学生時代の思い出。
師走の翁 / 師走の翁
この中で唯一の正統派アダルト漫画? この人の作品からは、変な信念が感じられるんだよなあ。
金田一少年の事件簿 / さとうふみや・金成陽三郎・キバヤシ天樹征丸
推理漫画のパイオニア。推理には無理があるし展開もいたってワンパターンだが、漫画ならではの演出を追求する姿勢には好感が持てる。
らんま1/2 / 高橋留美子
お手本のようなドタバタラブコメ。本当は「めぞん一刻」を推すべきなんでしょうが、こっちの方が馴染み深いので……。
拳児 / 藤原芳秀・松田隆智
トンデモが跋扈する少年漫画の中で、実践的な武術を伝える希少な漫画。
伝染るんです。 / 吉田戦車
なんというかもう、ただひたすらにシュールギャグ。
幽☆遊☆白書 / 冨樫義博
バトルのギミックの良さは瑣末な問題。この漫画の最大の問題は、少年漫画という構造そのものにある。簡単に言うなら、バトルばかりに囚われて、少年漫画の本質を見失ってないか? ということですね。
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 / 三条陸・稲田浩司
連発される名台詞、名シチュエーションの数々。繰り返される命の安い遣り取りだけはいただけない。
金色のガッシュ!! / 雷句誠
熱血もいいけど、この漫画の真髄はシリアスとギャグの比率の良さにあると思う。
神聖モテモテ王国 / ながいけん
神懸かった台詞回しとシチュエーションギャグが毎回毎回楽しめる傑作。
武装錬金 / 和月伸宏
何はともあれ、ストーリーよりキャラに注目すべし。ストーリーは平凡極まりないが、キャラクターは悪くない。もっとも、最大の見所は単行本のおまけの文章に他ならないが。
王様はロバ〜はったり帝国の逆襲〜 / なにわ小吉
オチの意外性と面白さは数あるギャグ漫画の中でもトップクラス。
火の鳥 / 手塚治虫
時間軸・空間軸を縦横無尽に広がる壮大な世界観と、その中に生きる個人という矮小な存在の対比。常人にはこれを考え付いても実現する能力はない。
吼えろペン / 島本和彦
どんな無茶でも屁理屈でどうにかしてしまうその無理矢理っぷりに笑え!
海猿 / 佐藤秀峰
熱血海難救助漫画。そのへんの少年漫画の数倍は熱血。賛否両論あるけど、個人的に最終エピソードはもうちょっとやりようがあった気がする。
ニア・アンダーセブン / 安倍吉俊
主人公・まゆ子の人物描写が非常に秀逸。他の要素はそれを見せるための飾りだ、飾り!
マリーの奏でる音楽 / 古屋兎丸
絵画のような美麗な画面にうっとりしているうちに……。単発モノとしては屈指の出来、かな?
かってに改蔵 / 久米田康治
作者をも犯してゆく毒のある笑い。こればっかりは単行本で読んでもリアルタイムで読んだ時の面白さの半分にも満たないけど。
美鳥の日々 / 井上和郎
王道展開と変態設定の融合。当時はまだまだ荒削りで評価としては「あいこら」の方が上なんだけど、あっちは未完なのでこっちに。
バトルロワイアル / 高見広春・田口雅之
原作とは楽しみ方が全く違います(笑)。こっちはいちいち繰り返される過剰な表現がキモ。
ゴルゴ13 / さいとうたかを
ゴルゴが本当に凄いのは狙撃の腕ではなくそのプロ意識。それだけで充分に読める。また、ゴルゴが活躍するまでのお膳立てに一切手を抜かないのも長所。
行け!稲中卓球部 / 古谷実
さりげない救いの無さが見事に笑いに転化されている。この絶望と笑いのバランスが魅力。
サイコメトラーEIJI / 朝基まさし・キバヤシ安童夕馬
犯人描写が何気に「ネウロ」のはしりかも? くどいほどの厨描写が欠点でもあり持ち味でもあり。
ポケットモンスターSPECIAL / 真斗・日下秀憲
といってもオススメできるのは第1部だけ。厳しい制限の中で限界までクオリティを高めた名作。
ドラえもん / 藤子・F・不二雄
エンターテインメント・人生訓・シュールギャグなど多彩な顔を持つ。一言では語れない。
一本包丁満太郎 / ビッグ錠
良くあるトンデモ料理漫画のひとつと言ってしまえばそれまでなんだけど……。あまり過剰さがないのが個人的に好き。
デカスロン / 山田芳裕
全ては試合シーンのとんでもないパースのつけ方にある。
CITY HUNTER / 北条司
主人公・冴羽獠の格好良さに最注目できれば良し。短編の完成度も高い。
キン肉マン / ゆでたまご
その無軌道なパワーはあまりに有名。型にハマらないからこその面白さがある。
美味しんぼ / 雁屋哲・花咲アキラ
ストーリーや料理薀蓄描写は聞き流すくらいが正解。海原雄山という人物に惚れ込め!
機動警察パトレイバー / ゆうきまさみ
組織を描いた少年漫画の頂点だと個人的に思う。熱いばかりが少年漫画じゃない。
爆骨少女ギリギリぷりん / 柴山薫
なんていうか、その。バカで良いですよね。余談ですが、うちの妹が妙に気に入ってるのもこの漫画。懐かしい感じがするって……この漫画に懐かしさを抱くお前は何者だ。
はだしのゲン / 中沢啓治
生々しい描写も辞さない作者の覚悟が何より怖い。この人には歯止めが利かない気がする。
うえきの法則 / 福地翼
漫画そのものではなく、通して見える作者の成長ぶりが最大の見所。ある意味で作者自身が主人公。作品自体の出来は、まぁ……(遠い目)。
番外編(希少すぎて本編に加えられなかった作品)
バーコードファイター / 小野敏洋
児童雑誌という枷と、そこから出たいと暴れる作者の本能の暴走のせめぎ合いは一見の価値あり。私を含め、多数のトラウマ小学生を生み出した呪われた作品でもあります。
電人ファウスト / 上山徹郎
掲載紙を間違ってしまうとこうなるという悲劇の見本。コロコロ掲載漫画ですが、下手なサンデー漫画よりよっぽど大人っぽい……。
(回答日:2006/08/09)
トップに戻る