■週刊少年サンデー感想(2006年第33号) (07/22) 「ただ呆然と眺める」
前回の感想の反省:
茶太さんの過去CDがどうしても見つからない鬱憤をこんなところで愚痴るのはやめましょう。
(先週の「ハヤテ」の感想の妙な語りのことです)
ところで、ここ数週ほどうちのコンビニのサンデーの売れ行きが良いのですが、なんででしょうね?
テンション的には「ガッシュ」の展開とシンクロしているのですが、まさかそれが原因じゃないだろうしなぁ。
表紙(野球漫画合体表紙)
リアクションの一言でなんでも誤魔化すパン漫画が読めるのはサンデーだけ!!!
株や頭髪のトリビアを扱う獣医漫画が読めるのはサンデーだけ!!!
迷走の挙句ダイエットに走り始めたねこ漫画が読めるのはサンデーだけ!!!
でもこういう合体企画自体は好きですよ。遊び心があって良いですよね。
MAJOR(568)
あー、そういえばうちの妹も似たような愚痴を吐いていたことがあったなぁ。
といっても別に私や両親が偉大だったというわけではなく、
「みんな○○だからお前も○○だろう」みたいな見方をされるのが凄く嫌だったとか。
かく言う私もそういう発言をしたことはあるので、ちょっと反省……。やっぱ先入観はいかんですね。
漫画としては、この展開をやるならもうちょい前振りが欲しかったところであります。
確かに佐藤兄妹の対になってたり、事前にゲームに熱中する描写はありましたが、
なんだかいきなり始まっていきなり終わった話のように見えるのがなんともかんとも。
金色のガッシュ!!(255)
うわ、なんだこの新呪文の連発は!
これまでの呪文はそれぞれ初登場時にそれなりの必然性と見せ場を用意してきたのに、
今回はそのあたりがおざなりにされているのが妙に引っかかります。
簡単に言うなら、まるでもうすぐ「ガッシュ」が打ち切りになるかのようです(笑)。
まぁ確かに、これまで一歩一歩ゆっくり進んでくるしかなかったものを一気に大躍進させることで、
今回のパワーアップがいかに凄まじいものであったのかを表現することはできてますけど……。
清麿が呪文の効果を知っていたのはどういうことでしょうね?
最初はついに作中キャラとして初めて呪文の装飾詞の法則に気付いたのかと思いましたが、
バオウ・クロウ・ディスグルグやガンレイズ・ザケルはともかくテオザケルは難しいのでボツ。
(今のところテオ呪文はゾフィスとゼオンしか使ってませんが、どっちも清麿は見ていないので)
それとも魔界語習得の際、各装飾詞の意味も理解できたんでしょうか。ザが雷でエムルが炎とか。
まぁ、死の淵を彷徨った時に本とのリンクが一層強化されたと考えるのが一番楽なんですけどね。
ナゾナゾ博士がミコルオ・マ・ゼガルガを本を読まずに唱えたのと同じ理屈ということで。心に浮かんだんですよ。
ちなみにジェデュンとヤンコ改めルンのシーンは……独特としか言いようがないなぁ(笑)。
所詮背景キャラ出身ですからねー。これだけ粘れたのがラッキーだったと考えるべきなんでしょう。
キース同様、最後に多少なりとも正気を取り戻したようですし。ブザライやファンゴ・ギャロンの数倍はマシです。
ま、アレですねアレ。擬人化の際は前髪で表情を隠すのは決定ということで(擬人化?)。
名探偵コナン(575)
今週の蘭の顔面蹴り未遂は「コナン」を考える上で意外と重要なんじゃないかという気がします。
といっても蘭の凶暴性の再確認という意味合いではもちろんなくて、
もったいぶって推理を言わないうちに新しい被害者が出てしまうという推理モノ独特の問題を
この一件から見て取ることができるからです。
かといって言えば良いというものでもないのですが……さじ加減の問題ですよね、つまり。
史上最強の弟子ケンイチ(202)
水沼君か……そういやいたなぁ、兼一に助けられて以降新白に目覚めてしまった人が。
彼は使い方によっては兼一の後輩ポジションになれたのかもしれないのに、残念。
結界師(129)
あれ、次号新展開って……もうこの話は終わりなの?
問題提起→苦悩→成長→解決という一連の流れが酷く大雑把に済ませられているので、
なんだかあんまり「お話」を読んだ気にならないエピソードでした。
何が問題なのかも、それにどう苦しんだのかも、どう克服したのかも良く描かれてなかったからなぁ。
松戸編と同じ、作者側の意気込みだけが先行して漫画の中身がおっついてないような印象です。
なお、金剛・邪煉編はモロにヒョウ・紅煉編と同じような扱いになるみたいですね。
たまに金剛が出てきてはちまちまと邪煉と戦い、物語終盤で決着をつける形になるんでしょう。
私としては、金剛の再生(使命を果たした後の生き方)がしばらく見られなくなったので、ちょっと残念かな。
にしても、時音は結局最初から最後までほとんど出番なしですか。そっちの方が残念でした。
時音の負の部分に興味があるというよりはむしろ、何を囁かれても「やかましい死ねいッ」と一蹴する様が見たかった。
あんなさもしい詐欺師みたいな魔物に心揺らされる時音なんてボクらの時姐じゃないやい!
ワイルドライフ(168)
いや、これが広告かどうかという問題は、もっと大きな問題のほんの一部でしかないので。
例えるならばMr.ヤのおっちゃんが「俺は銃を使いません!」と言ってるようなものです。
GOLDEN★AGE(12)
ところで、誰がキーパーをやるんだろう? 誰もやらないんでしょうか?
犬夜叉(466)
鋼牙はもっと大ダメージを負うか深く心理描写をすべきでしたね。
それなら「行きたいけど行けない」感が増して、もうちょっと格好良くリタイアできたんですが。
思うにこの漫画も流血が全然足りないよなぁ。だからかな、あまり激しい戦いをしてるように見えないのは?
RANGE MAN(7)
奥田くんの設定はあまりに悲劇的すぎると思います。
鎌児はどうせすぐ復活するからいくら失恋しても別に可哀想とは思わないんですが、
奥田くんの恋愛は鎌児のそれとは重要度があまりにかけ離れているんですよねー。
今まで恋愛なんかしている余裕のなかった男が初めて恋をして、変身し、そして失って……
その時が来たら圧倒的なパワーを発揮しそうな反面、悲劇度もまた圧倒的になりそうで怖いです。
妖逆門(19)
あはははははははは!
前回までの戦力考察、全く意味ねー!
そんなのがあるなら最初から言ってくれよー! もー!
で、他にはどんな新ガーディアンARM撃符があるんだい?
最強! あおい坂高校野球部(76)
田中先生も罪なことをなさる……。
ここで不和を起こすキャラをコテツにしておけば、まだ師匠愛ゆえの暴走のせいにできたのに。
わざわざ伸之助をその役割に当てるあたりに意地の悪さが伺えます。
これじゃただの空気が読めない厨房じゃないか。何もダメなところを強調しなくてもさあ。
ハヤテのごとく!(88)
やっぱり私は西沢さん派につくことにします。
このどこまでも卑屈な感じがたまらんですね。ビバ・自分の幸せを信じられない女!
これで報われる気配があればもっと私好みなんですが、完全に当て馬なのが見え透いているのが切ない。
ブリザードアクセル(66)
よし凛、そこでちゅーだ! ちゅーをするんだ! 深くねっとりとしたちゅーをするんだ!
ああ、なぜ、なぜしないんだちゅーをぉぉぉ!!
……いや、ここは「描写されてないけど陰でばっちりやった」ことにしておきますか。
むしろ「少年誌では描写できないほど濃〜いのを一発かました」ことにしよう、うんそうしよう。
焼きたて!! ジャぱん(216)
ゴザの人は結局どうなったんだろうなぁ。
あいこら(50)
弱味につけこんでいたいけな女子を邪な道に引きずり込んでいるような、背徳感。
いや自ら勝手に泥沼に飛び込んで楽しげに泳いでいるようなもんですけど。
ところで、股間に装着する面を定番の天狗にしなかったあたりに渋沢の抵抗っぷりを感じます。
あそこで無表情な能面を選択したということは、つまりお前じゃ勃たn(テオザケル
兄ふんじゃった!(74)
えーと、先週のいいともネタもそうでしたけど、ネタ切れかなんかでしょうか……?
クロスゲーム(39)
今週は構成の凄さがまた一段と極まっていましたねー。
幽霊話に読者の注意を引きつけておいていきなり青葉の靴を出す。
青葉の安否に読者の意識を向けさせておきながら仮オチで一旦落とす。
仮オチのまったりした空気の中でいきなり若葉の話を仄めかす。
そして若葉の話の余韻を感じさせつつ突然怪談話に話を戻して、最後に真オチですからね。
読者の視点の引きずり回し方が素晴らしい。たった18ページでもここまでできるという良い見本ですね。
ところで、この川なんでしたっけ? 若葉の事件が起きたのって。
地底少年チャッピー(30)
カタツムリの子は本当にもったいなかったなぁ……。
絶対可憐チルドレン(49)
なんとゆーか……上空高くを飛んでゆく飛行機をぼんやり見送ったような心境です。
何か大事なエピソードがあったのはわかるんですが、心情的には最後までノれなかったというか。
ぶっちゃけるとついていけなくて呆然としてるうちに終わってしまいました。
このあたりのエピソードはもうちょっと尺を使って丁寧にやっても良かったと思うんですけどね。
末摘さんは良いキャラなので再登場を希望したいところですが、この設定だとどうだろうなぁ。
できれば不二子ちゃんとセットでお願いします。この二人はセットにすると一番輝くので。
なお、今週の見所は胸だと思います。といっても貧乳メガネさんの胸ではなくて、今のお子様チルドレンたちの胸。
水着のデザインも込みで、妙に熱の入った描き分けがされてるのが印象深かったです。
ArmsDealer(読み切り)
今週の灘谷愛さんはサンデー超の常連さんみたいですね。私は良く知らないのですが……。
さて今回のお話ですけど……なんか前半と後半で違う話になってませんか?
いや、正確に言うなら主人公のキャラが違い過ぎるってことなんですけど。
前半は信念があるとはいえお金儲けキャラ、後半はトラウマ背負って人々に説教するヒーローキャラ。
まるで途中でテコ入れが入ったかのようです(笑)。なんなんだろうなぁ、このちぐはぐさは。
世界設定もなんだかちぐはぐだし、見せ場もちぐはぐだし、回想内容にも違和感を感じるし。
ということで、個人的にちょっと難を感じたのでした。絵は充分に上手いんですけどね。
武心BUSHIN(19)
今週のあのありえない実況を楽しめるかどうか。
それがそのままこの漫画を楽しめるかどうかに繋がると思います。
私? 私は少々引きましたけど、それはそれで楽しみましたよ。
あんなの絶対ありえねーって!(爆笑
聖結晶アルバトロス(30)
あれ、アイビスの描き方、ちょっと変わりました?
にしても、またひとりモノバイルの犠牲者が出てしまいましたね。
今回の人も、あのシビアに手首にされちゃった人も、結局スルーなんでしょうか。
まだその段階(人死にが当たり前になる段階)は早いと思うんですが……。
ハルノクニ(21)
この物語にはハルの成長物語という側面もある、ということなのかな?
でもこのペースだといきなり急成長してげんなり展開になりそうで怖いなぁ。
いつの間にかアルバトロスより後ろに来てるんだもんな……わかりやすいというかなんというか。
見上げてごらん(66)
……これはちょっと読者を感情移入させすぎではないんですかね。
逆の方向に。
ネコなび(53)
ねこのダイエットに関しては、須藤真澄「長い長いさんぽ」に傑作エピソードがありますゆえ。
ペロ先生もお尻に穴を開けてみてはいかがでしょうか。1日1kgダイエットを実現!
総括
今週はどの漫画も低空飛行気味だった気がします。
正直MVPに値するインパクトは受けなかったんですが……強いて選ぶなら「クロスゲーム」の構成の上手さかなぁ。
どうにか野球漫画からMVPが出て面目は保ったというところでしょうか(笑)。
さあ、もう旗色が悪くなってきたサンデー新人攻勢ですが、果たしてこの中から次代のエースは無事輩出されるのか?
個人的には最低でも「グランドライナー」クラスの作品がひとつは出て欲しいところですが、はてさて。