■週刊少年サンデー感想(2006年第41号) (09/15) 「よいしょう」
今季の連載入れ替わりは通常とは逆の順番になっていますね。新連載を立ち上げてから不人気作を打ち切るとは。
だから今の値段高騰も、連載作が減ったらそのうち元に戻ると思いますよ。なんか素直に喜べませんが……。
表紙(石原さとみ)
可愛い娘さんですね。頑張ってもらいたいものです。
(グラビアアイドル向けの定型文)
名探偵コナン(582)
灰原に腋属性付与!(挨拶)
……はい、どうでも良いですね。でも実際ハァハァしてる人がいそうで怖い。
侵入者はたぶん組織とは全然関係ない人だと思います。奴らはそんなヘマしない……と良いなぁ。
前も組織を追ってる最中に全然関係ない事件のせいで足取りが途絶えたことがあるはずなので、
今回もそのパターンだと思います。
それにしても、黒尽くめの男たちが集うお好み焼き屋か……。しかも半分以上外国人で、子連れ。
想像するとかなりシュールな光景ですね、これ。パーツがちぐはぐすぎるよ!
金色のガッシュ!!(262)
これはなかなか面白い展開になってきましたね。まさかバオウが一話で負けるとは。
ジガディラスのアレな外見を見た時は、こりゃ相手にならずに粉砕されるなーと思ってたのに。
ゼオンは心に楔を打たれてしまったので、ここは決着お預けみたいな感じになるのかな?
一瞬でもガッシュに同情してしまった以上、もうゼオンがガッシュを憎み続けるのは無理です。
となると戦う動機自体が弱くなってしまいますからね。父王の言葉がハッタリじゃないことも悟ったし。
それに最大術の長時間射出で心の力もかなり使い切ってしまっているはずなので(かといって敗退する兆候もないし)、
そのあたりを理由にして一時撤退とかそんな感じで終わらせてしまうのかもしれません。
そしてその後はロベルトのごとく次の強敵のかませに……それだけは避けてほしいところですが。
対してガッシュは、こちらは順当に大ダメージを受けてしまった模様。すでにゼオンなんてアウトオブ眼中です。
しかし大ダメージと引き換えに、物語上での必須クリア条件、つまり父越えの条件を明確にできました。
父親ですら恐れ隔離したバオウを屈服させれば勝ち。逆に喰われてしまえば負け。わかりやすくなりましたね。
バオウが「真っ暗で怒りや憎しみの黒い塊みたいなもの」と定義されてしまった以上、
それをそのまま放置したり、ましてや負けてしまうなんてことは正統派少年漫画として絶対にあり得ません。
今後はライバルと戦いながら内なるバオウとも戦って、それがそのまま父越えに繋がる形になるのでしょう。
ただ、それを果たしてガッシュが単独で行うのか、それとも清麿と一緒に乗り越えるのかは微妙なところ。
本来の「王様=ガッシュ」というメッセージ的にはガッシュが一人で乗り越えるべきなんですが、
かといってこの漫画の性質上、パートナーの清麿の力を借りないのは何かおかしい気がします。
「一人ではできないことも二人ならできる」。
こんなにシンプルな真理を、この漫画が初期から提示してきたテーマを、さくっと無視するとも思えないんですよねー。
結界師(135)
「よいしょう」
お、おお……これはまごうことなきおふくろ属性ではないですか!
強引で大雑把で洗練とは程遠いものの、絶大な包容力と博愛精神で場を和ませる最強属性のひとつ!
見た目の華やかさには欠けるため普通は好まれませんが、使う人が使えば絶大な威力を発揮する属性ですよ!
いやはや、まさかこの娘にそんなレア属性が付与されるとは思ってもいませんでした。
田辺先生のジジババオヤジ萌え属性がこんな形で変則発動するとは。これは嬉しい誤算です。
流石田辺先生、やりますね。侮っていた……。
まぁこういったキャラが真に輝くのは、普段のイメージとは逆に女を意識させる言動を取った時なんですが、
それはもう少し成長を待たなくてはいけないでしょうね。今後に期待です。
史上最強の弟子ケンイチ(209)
相変わらず凄いのか凄くないのか良くわからない力の使い方をしますね(笑)。
こういう(良い意味で)間抜けな描写が急激なパワーインフレを食い止めてるんだろうなと思うと、
単に笑って済ませられない凄みも感じたりしますけどねー。
いやもう、あらゆる意味で師匠システムは本当に良く考えられていますよ。
この漫画、作品システムの優秀性だけなら今のサンデーでもぶっちぎりナンバーワンの完成度だと思います。
MARΩ(3)
むー、展開の方向性はこれで良いんですが、もうちょっと丁寧にやってほしかったですね。
具体的には、10週くらいかけてハーナウの町や人々の様子をじっくり描写した上で、
それを一瞬で容赦なく全部叩き潰すくらい落差を意識してくれれば最高でした。
って、それなんて黒賀村?
それにしても、ちゃんとスィーリングスカルで敵の動きを止めた上で攻撃を加えたり、
隙ができた直後に大技で一気に勝負を決めるといったバトルの流れがちゃんとできてるのは非常に好感がもてます。
敵も味方もべらべら喋りすぎだとか、そういうのはあえて目を瞑るとして。他の漫画でも頻繁にやってますしね。
兄ふんじゃった!(81)
たぶん今回は仮装大賞優勝作品分類が一番描きたかったところなんでしょうね。
これでリアルに兄&テルキヨのコスプレでマジ参加オチをつけてくれたら神ですね!
小笠原先生はこういうコラボみたいな行為が割と好きそうなので、ちょっとだけ期待。
私もそういうのは好きだし。まぁ、この間の「NARUTO」のアレは酷かったですが……。
MAJOR(575)
ギブソンは吾郎の目標にして作品ヒエラルキーの頂点に位置するキャラだから、
去り際はこれ以上ないほど格好良い姿を閃光のように我々の眼に焼き付けてくれるはずだ!
こんな主人公に一度負けたベネズエラごときに苦戦する試合が引退試合なわけがない!
という無茶な理屈により、ギブソンの引退はもう少し先になると予想。
ハヤテのごとく!(95)
ほう、後半はなかなか面白い構成ですねぇ。
個人的には、あの畑先生がついにまるまる1ページの大ゴマを使ってくれたことが嬉しいですよ。
これで表現の幅が広がるってもんでございます。
この漫画は何が良いって、畑先生の成長がリアルタイムで拝めるところが私にとっては一番良いです。
それが畑先生であれ、成長する光を見るのは心が躍る。
あと、恥ずかしい格好を見られて真っ赤になるハヤテは理解できるんですが、
そのハヤテを見て同じく頬を赤らめる目撃者の皆さん(咲夜・ワタル含む)は一体どういうことなんですか。
そういうことなの? つまりそういうことなの? 畑先生、あとで職員室に来なさい。
犬夜叉(473)
てことは、あの村人たちも悲しみに打ちひしがれているうちにああなっちゃったんでしょうか。
やばい、凄く私好みの素材だ! こういう悲劇の村みたいなのツボなんですよ。
花皇自身は割とどうでも良いんですが、この状況自体が好き。
ワイルドライフ(175)
私も不凍液を舐めてみたくなりましたが、こればっかりはしょうがないと思います。
妖逆門(26)
みなさん勘違いしてますが、他の参加者達は三四郎にほだされたわけじゃありませんよ。
みんなカレーが目当てだったに決まってるんです! だってカレーは最強ですから!
そしてカレー嫌いなばかりに屋上で一人淋しく腹を立てる傷の彼。ちゃんと甘口も用意すべきでしたね。
にしても、ここでパンツの娘(アキ)とか巫女さん(隠岐清)がいないのは致命的でしたね。
いや別に読者の期待がどうこうとか、そんなのはどうでも良いんですが、
これでこの作品のヒロイン争いは文月詩織が一歩も二歩もリードしてしまいました。挽回なるか?
GOLDEN★AGE(19)
まゆげですか……ほう、まゆげですか。まゆげですか!! (並々ならぬ関心を抱いたようです)
唯の狙いは、あくまでも自発的にやる気を出させることなんでしょうね。そうじゃないと長続きしないから。
FWを雑魚三人にしたのも、たぶん彼らを得点に絡ませてサッカーの面白さを教えるとともに、
現状での圧倒的なスキル・体力不足を自覚させて「このままじゃヤバい」と精神的に追い込むのが目的かと。
あと、ついでにかもめ中最強のヘアスタイル・モヒカンで相手チームを威圧するのも忘れずに(笑)。
最強! あおい坂高校野球部(83)
自らの非力さを知り、それを逆に相手を油断させる武器にする姿勢はとても格好良いです。
一見ただのキャッチャーフライで終わったキャプテンも、相手を油断させた意味では貢献していますし。
ああ、こういう弱いキャラが強者に噛み付く展開はほんとにもう大好きですよ。
恐怖を克服するために勇気を出して己を奮い立たせ、ガチ勝負じゃ勝てないから頭を使って戦力差をひっくり返す。
バトル漫画の醍醐味のかなりの部分がここにあるような気がします。
相手が悪役タイプなら、力任せに叩き潰す展開もそれはそれで大好きなんですけど。
クロスゲーム(45)
おや、前野監督と大久保理事長は裏で繋がっていたわけじゃなかったんですね。
てことは導き出される結論はふたつ!
(1)前野監督は後先考えず強敵相手に挑戦状を叩きつける熱血野郎である
(2)監督を焚き付け、理事長の興味対象を巧みにコントロールしていた真の黒幕は大久保マネージャーである
ひいい! マネージャー怖ええええ! やさしい性格の働き者なんて絶対嘘だああ!
そして安否が気遣われる三木の今後の行動はいかに?
やばい、このヒキはめっちゃ気になる……。
実は自分のせいで怪我をした兄のために野球をしていた(確定)東の今後も気になりますが。
ハルノクニ(28)
なんともコメントに困る回です……。
漫画の内容的にも、これを書いた浜中先生の思惑的にも、迂闊なことが書けないような。
とりあえず私としては量産型CATにハルウィルス(仮)を注入して逆に四匹とも味方に取り入れ、
脅威のねこ軍団を結成する展開になることを強く望みます。
行け! 偽猫戦隊ハルレンニャー! (あまりに酷いネーミングを深くお詫び申し上げます)
武心BUSHIN(25)
スポーツ柔道=安易なありふれたもの、実戦柔道=失われた尊いもの
というレッテル貼りが着々と行われているのはちょっとどうかと思うなぁ。
もちろんスポーツ柔道が正で実戦柔道が邪だ、なんてことを言うつもりはありませんが、
(それは各々が自分の価値観で判断すれば良いことです)
正しい・正しくないを軽々しく判断できない概念に無理矢理正邪の概念を当てはめる行為は、極めて危険ですよ。
突き詰めると、自分と違う考えの持ち主は全員敵で悪で間違っている、てなことになっちゃいますから。
要するに、スポーツ柔道や実戦柔道の是非がどうこうという問題じゃないんですよね、既に。
一方的な、しかも不適切な価値観の押しつけは子供の教育によろしくない。
私としては、どっちかというとスポーツ柔道の方に分があると判断してますけどね。
別に真剣勝負を日和ることが目的で今の形になったわけじゃなくて、
死や怪我による無用な悲しみを避けたいという真剣な思いが結実して今の形になったんですから。
それより大切なものがあるのは構わないけど、本当に大勢を巻き込んで良かったのかについては、ちと疑問。
絶対可憐チルドレン(56)
今まで「なんでわざわざチルドレンと能力のかぶるサイコメトラーを用意したんだろなー」と思ってたんですが、
それは最初から今回のように紫穂を成長させるために考えて配置していたんですね。
わざわざ紫穂にだけ先達者を用意しているあたりが心憎いというか、やっぱ凄いなー。
ところで賢木の専門は何でしたっけ?
今回のを見ると外科なんですが、初登場時は風邪の診断をしてたので内科も兼ねてるんでしょうか?
ま、どっちもできるからどっちもやってる、というのが真相でしょうね。
焼きたて!! ジャぱん(223)
今回例に出したジャガイモとか里芋とか山芋とかその他いろいろ、
あれだけ言い切ってるということはきっとちゃんと作って調べてみたんでしょうね……。
これに関しては素直に賞賛します。流石です、取材協力の内村浩一さん。
あいこら(56)
先週の感想で、「このロックの扱い方からはロックへのリスペクトが感じられない」と書きましたが、
それは私の勝手な思い込みに過ぎないと気付いたので、謝罪して撤回させていただきます。
てか、もう何がなんだかわからんけど、とにかく衝動を吐き出せばそれはロックになるんだろうか?
今回も前回に続いて随所にDMCネタのようなもの(例:歯ギター)が散見されますが、
残念ながらオリジナルのインパクトは越えていないようですね。
あっちの方がやってることもトンでるし、ギャグとしても面白かったです。
こういう無闇な他作品との比較は本来あんまりしない方が良いんですが、
今回は割と露骨にオマージュしている節があるので。
ブリザードアクセル(73)
わかりやすいのは良いんですが、この説明台詞の嵐はどうにかならなかったんでしょうか……。
……このジャンルの特性上、どうにもならないんだろうなぁ。あまり愚痴ってもしゃーないか。
それに結局、力だの技術だのは二の次で、最後は表現によって勝敗が決まっちゃうんでしょうしね!
白鳥の二人については、ただ哀れとしか。しかし逆に言うなら、ここからこの二人が奮起して這い上がってきたら神。
RANGE MAN(14)
掲載位置がずいぶん落ちてきたなぁ。やっぱりそういうことなんでしょうか。
相変わらず風香の描写は闊達で良いですね。やっぱモリ先生は可愛い女の子を描かせたら天下一品です。
でもその感情の矛先が鎌児に向けられるのは何とも言えない複雑な気分になります。
鎌児も初期から比べると(前回の話で)好感度上がってますが、それでもこの娘の相手はまだ早い。
そういえば柱のコメントでいつの間にか風香=首相令嬢、メガネスター=風香狙いが明言されてますね。
確かにもうそれ以外考えられないんですが、本編でクローズアップするより先に言っちゃうのはどうなのかな。
ネコなび(60)
担当が新人の梅原君に変わったおかげか、一気に作風が変わりましたね。
まぁ面白いかどうかというと、答えに窮する内容ではあるんですが……。
方向性は良いんですが、まだ素材をきちんと美味しく調理できてませんからね。ねこの魅力はこんなもんじゃない。
素材をそのまま皿に並べた、みたいな。今までみたいにゲテモノを食卓に出されるよりは遥かにマシですけど。
聖結晶アルバトロス(37)
敵ボスが三人いたから、こっちも三人でちょうど一対一×3の組み合わせになりますよね。
アイビスとフィンチ、姫とドレイク、そしてユウキと四本足残り三人+シビア、でしょうか?
……どう考えても姫に勝ち目がないので、姫・ユウキとドレイク・シビアはごちゃごちゃに混ざると予想。
にしても、アイビスがとにかくユウキユウキとびっくりするようなラブっぷりを示していますね。
賢木といい、ギリといい、近江といい、こういうのが流行ってるんでしょうか。
昔に比べて最近はとみに多い気がしますよ。
地底少年チャッピー(37)
え、最終回?
というわけで新連載と入れ替え脱落第一号が出てしまいましたか。
でも今回のネタも別段面白くなかったし、これは仕方がないということなのかしらん。
というわけで簡単な総括ですが、実はあんまり書くことがなかったりするんですよね……。
どうも私は全然笑えませんでした、きっと他の方も笑えなかったんだと思います、で終わっちゃいますから。
笑いを見せるコマ割りとか間の取り方なんかの技術はそれなりにあったと思うんですが、
その技術を使って魅せる肝心のギャグのセンスがどうもズレているというかなんというか。
「え、この前振りでそのネタが来るの?」みたいなことが何度もありましたし。
軽トラ争奪戦あたりのノリは、ギャグとしては微妙でもそれなりに読める勢いだったんですが、
でもバトル描写を抜きにするとキャラ立ちがイマイチだった、のが敗因ということなんでしょうか?
特に主役のチャッピーのキャラが薄かったのがダイレクトに響いた気がします。
いや、やっぱりもっと根本的なところに問題がある気がするぞ。
うーん、強引にまとめても無理が出てきそうなので、今回はこれで。
水口先生、お疲れ様でした。
見上げてごらん(73)
最後のコーチの説明がわかるようで良くわからなかったので、誰か説明してくれると助かります。
大きなマイナスエネルギーがプラスに転換されたって……そんな簡単に転換されるものなの?
試合の描写自体は悪くないんですが。
総括
今回のMVPは、全体的に悪くはないけど突出して「これだ」ってものもなかったので迷いましたが、
ここは連載再開を祝する意味も込めて「結界師」の操ねえちゃんの「よいしょう」に決定。
ちなみに奥久尼のネウロネタに一切触れていないのは、もう既にみんな触れているからです。
他の人の感想以上の調理ができる自信もなかったので……。
あ、そういえば今後のサンデーについてですが、あと数週で「ワイルドライフ」が長期休載に入るようです。
長期といっても6週くらいですが、恐らくその復帰と入れ替わりに「ジャぱん」が終わる形になるんでしょうね。
ということで、しばらくは「アルバトロス」は生き残れそうですよ。しばらくは、ですが。
ただ「見上げて」は少々キツそうですが……あの掲載位置を名誉枠と取るかどうかですね。微妙だ。