週刊少年サンデー感想(2006年第07号+第08号) (01/31) 「冬のヒロインまつり」

 どうもですへっぽこです。久しぶりの感想になってしまいましたが、なんとか書き終わりました。前回の分と合わせて二号分、ボリュームも膨れ上がってしまったのでお暇のある時にでもちまちまとどうぞ〜。なお、見ての通り、今回からちょっとレイアウトをいじってあります。スタイルシートの有効な環境なら、これで少しは見やすく&参照にしやすくなったはず……。久々だったんでスタイルシートの使い方をすっかり忘れてました。危ない、危ない……


MAJOR(543+544)

○天童、あっちゅー間にわだかまり解消
 まー展開だけ見れば随分ご都合主義に見えますけど、これはこれでいろいろ褒めるべき部分はあるんじゃないでしょうかね。大木監督をヒロインに据えることで問題解決をびっくりするほどスマートな手際で行っていますし(スマートすぎてご都合主義に見えるんですが)、敵を「他国」に一本化して話を整理しようという配慮も感じられます。総じて「ひっかかる部分」がこの漫画にはほとんど存在しない。良くも悪くもスマート過ぎる。だから誰でもさらっと読めるけど、読み込むタイプの読者には物足りなく感じる、のではないかと。ついでに言うならスマートではあっても丁寧ではないので、話に必要のないキャラはどんどん出番が削られ放置される傾向もあって、だからなおのこと読み込みタイプには向かない、と。なんか今更過ぎる話ですが、この展開を読んでそんなことを考えたのでした。

○でもあの采配は
 正直あんまり褒められたもんでもないと思うなあ。結果オーライに見えます。それとも、ここで多少ダメージを被ってもあとで十分挽回できる、という判断あっての続投指示だったのかな?


聖結晶アルバトロス(5+6)

○アンチモンとかモノバイルの能力とか
 当然私も他のサイト様の感想を読むまで気付かなかったのですが、アンチモンは難燃性の金属らしいですね(正確に言うなら、ハロゲン系化合物と酸化アンチモンを組み合わせることで初めて難燃剤として機能するらしいですが)。ということで、これまた他のサイト様で散々既出ですが、クレイン様に炎パンチが効かなかったのは、そのアンチモン特有の性質(イメージ)によるものなのでしょう。

 なので、これまでに出てきたケースから推察するに、恐らく「アルバトロス」におけるモノバイルの性質は、「その素石となった鉱物のイメージを拡大解釈したもの」と考えて良さそうです。チタンは「軽くて硬い」という特徴が最大限にクローズアップされ、亜鉛は「柔らかい」という一点が殴打攻撃無効化にまで高められていました。そしてアンチモンは難燃性のイメージが突き詰められて炎属性無効化能力と解釈された、と。ここで注意すべきなのが、あくまでモノバイルの性質は素石のイメージの「拡大解釈」であって、実際の素石の性質や限界に必ずしも準拠しているわけではない、ということですね。このへん「ONE PIECE」における悪魔の実の能力と非常に近いのですが、この漫画では、亜鉛が柔らかいというイメージをもつ金属なら亜鉛のモノバイルはどこまでも柔らかく、アンチモンが燃えにくいというイメージをもつ金属ならアンチモンのモノバイルはまず絶対に燃えないんだ、という描かれ方をされています(現実のゴムの電気抵抗や伸縮性に限界があっても、ゴム人間のルフィには限界が存在しないのと同じですね)。逆に、さほど目立たない部分(たとえばチタンの燃度とか)については、あまり素石の性質を受け継いではいないようです。燃えにくい金属という特徴があるわけじゃないから、聖結晶の炎なら普通に燃えるよ、といった感じに。ということで、今後、モノバイルの性質についてはこのように、「目立つイメージは増幅され、それ以外の特徴は切り捨てられる」という見方をすると良いんじゃないでしょうか。……なお、カグーの放ったチタンの槍が燃えた件については、それが人知を超えた聖結晶の力だから、ということでご容赦を。

 (2006/02/03、アンチモンの難燃性関連の記述ほか、あちこちを訂正。アンチモンの詳しい性質やそれから導かれるクレイン様の能力考察、及びそれに対する私の意見は、鳴なゆさん「聖結晶アルバトロス・クレイン様の炎耐性に対する考察」を参照のこと)

○さーて、今週のへっぽこ姫は?
 過去についての大体の方向性は予想通りっぽいですが、ひょっとして国の覇権を握っていたのは「姫の一族」ではなくて「姫本人」だったのでしょうか。そ、それは怖いなぁ……。あの様子だと人の上に立ったことはないだろうと踏んでいたのですが、にもかかわらずトップに君臨していた、というのはちょっと想定外。そりゃ聖結晶も割れて国も滅びるわ。止む無し。ただ、それと引き換えにどんどんユウキの株が上がっているのが救いですね。特に仲間のくだりは上手いと思いました。現時点ではそんなに心理的な繋がりがなくても、あの性格なら思わず仲間宣言しちゃいますよ、あのシチュエーションだったら。

 あと、これだけは言わせてもらいますが、全裸下半身のゼロ距離射撃は明らかにやりすぎ。こ、こいつとうとう本性を表してきやがったな! ちっくしょう! 次は汁か!? お得意の汁が……くっついている汁が来るのか!? そ、総員退避ィ――ッ! (いろいろとごめんなさい)

○それと
 もしこの漫画の掲載誌がサンデーじゃなくてジャンプだったら、今頃ユヒナ萌えで一大派閥ができてると思った。なんか「どんなに酷い目に遭ってもクレイン様についていく一途な美少女剣士」とかそんなキャッチフレーズで受け入れられそうな気配がいかにも……。ひょっとして、2chあたりだとすでにそういう派閥ができてたりします? (見てないのでわかりませんが)


ブリザードアクセル(42+43)

○七瀬溺死伝説まであと一歩だったのに
 あー、えーとごめんなさい、本当に五反田が勝つとは思ってませんでした。てっきり怪我が理由で惜敗するものかとばっかり……。ただ、相手の七瀬の凄さの描写がイマイチ足りないので、五反田が凄いことをやり遂げたというより、七瀬が大したことのない相手にしか見えなかったのはちょっとマイナスポイント。試合前はバカップルの描写にあんなに量を注ぎ込むより、もっと他にすることがあったんじゃないかなぁ……(バカップルスキーの私としては嬉しかったですけど)。それとも当時は最近の展開をまだ想定してなかったのかしらん。なら敵描写が中途半端(+リアクションでキャラ付けの弱さを誤魔化そうとしてる)なのも理解できるんですけどね。納得はできないにしろ。まぁ、今回は加藤が攻めで七瀬が受けだと確定しただけで十分です(オイ)。

○五反田の今後について
 さて、それで五反田ですが。ここで相手校のエースに勝ってしまったことで、彼は今後どういった方向に扱われることになるんでしょうね。今回の黒崎さんの説明で、五反田は「才能不足を努力で補う凡人努力家タイプ」から「才能はあるけど活かしきれないヘタレタイプ」へとクラスチェンジしてしまったので、それに合わせて今後の予想も変えなくてはなりません。今までは漠然と「努力が肝のキャラなんだから今後もマメに努力してくんだろうな」程度に考えてましたけど、ヘタレタイプならば調子に乗って失調するのが黄金の展開ゆえ、五反田もそういう扱われ方をするようになるのかなぁ……(努力タイプには素人の吹雪がいますしね)。個人的にそれは嫌だなぁ。五反田は五反田っぽくいつまでもビビリのコンプレックス持ちヘタレでないと……五反田にはもっと五反田らしい生き方を追求していただきたいものです(?)。

○眉毛
 加藤は将来、育毛剤メーカーに就職すれば良いと思った。それが貴方に積める善行よ。


短期集中連載:グランドライナー(3+4)

○それいけ! ハミルさん

いやあ、清々しいまでに変態さんだ!

 性格が豹変するだけにとどまらず、快感に体を疼かせ、無駄に衣装までチェンジするその想像以上の変態っぷりに、このへっぽこぴーすけ心から感服いたしましたぞ。まさかそっち方面に予想を上回ってくるとは……。個人的には前回の感想で言ったような「本当はめっちゃ良い人なのに、目つきが悪いせいで悪役扱いされる」方がタイプなんですが、ここまで突き抜けているなら言うことはもう何もありません。この調子で彼女にはこれからも多くの少年を絶望の淵に突き落としていただきたい。今、時代は悪女ヒロインを求めている! (正気ですか?)

○ギルティライナーなんてどうせみんな悪者なんだ!
 で、そんな風に燦然と輝くハミルさんに引き換え、肝心の主人公であるアルくんのこのへっぽこぶりは何事ですか。敵の甘言に惑わされるわ国の危機を招くわ何もできないわ、今のところ彼、第一回を除いては良いとこなしじゃないですか。全く、「○○なんてどうせみんな理論」に沿って行動する奴はこれだから困ります。彼はギルティライナーを憎むのではなく、自分の父親だけを憎むべきだったのに。華麗なる憎悪と復讐はその対象を正しく見定めることによってのみ実現します。大雑把になんでもかんでも一緒くたにして憎んでるうちは、いつまで経っても三流ですよ!


名探偵コナン(552+553)

○水無怜奈について物思う
 彼女って、最初からこんな悪役顔でしたっけ? なんか出てくるたびにどんどん人相が悪くなってるような……。

○赤毛連盟のネタバレ
 って個人的には激しく嫌なんですが。あまりに爽やかにやってるので見過ごしてしまいそうですが、世の推理小説の一番大事とされる部分をああもサクッとバラされるとなんだかなぁ。実害があるかないかじゃなくて、心構えがなんか嫌。でもアガサ・クリスティの三大爆笑びっくり真相小説(「そして誰もいなくなった」「アクロイド殺し」「オリエント急行殺人事件」)でやられなかっただけまだマシと思っときますか。あんまりこういうのに五月蝿いとマニア乙って言われるしね……。


MAR(139+140)

○あーまたいつものなんか適当な因縁→見せかけだけのピンチ→捻りも何もないガーディアンARMでドーン!大勝利!のパターンだよ?いい加減にしてくれませんか?安西先生、あんた本当にやる気あるんですか?あるんだったらもうちょっと緩急のある展開を描いてくれませんか?と嘆きつつあんまり文句ばっかり言ってると「じゃあ読むな♥」とか言われてもしょうがないからグッとこらえよう……と思ったけどやっぱりあまりにあんまりな展開過ぎて文句のひとつも言いたくなってきたのですっごい長文で猛攻撃しようかと思ったけどそれも面倒になってきたからここはあまり長くせず一文だけでスマートに大人な対応をしようと誓った2006年・冬の夜の「MAR」アランvsハロウィン戦感想
 で、この戦いのテーマは結局なんだったんでしょうか?


ワイルドライフ(144+145)

○観月さんの病気
 ごめんなさい、7号の時点では「こりゃ寄生虫かなー」とか思ってました。食欲はあるのに力が出ないとなると、こりゃ寄生虫しかないな、と(何の根拠もない思い込みです)。しかし一過性とはいえ鬱属性にされてしまうとはまた可哀相に。いくら最近のサンデーにはダウナー系ヒロインが不足しているからといえ……っつーかそれを言うなら寄生虫ヒロインの方がよっぽど可哀相ですよ!

 しかし、私も軽度の鬱病者ですけど、この症状のどれにも上手く当てはまらなくて困っています。(1)元気がない、(2)食欲はそんなにない方、(3)居眠り魔。つまり冬とともにゆるやかに死の眠りに就く哀れな熊……うん、それはそれで合ってるような気がしてきましたよ!


史上最強の弟子ケンイチ(179+180)

○ボリス戦についてのあれこれ
 戦いの中身が物理的に可能かどうかはともかくとして、今回は戦闘描写に迫力があって結構良かったんじゃないでしょうか。ペンギンのオーラや解説語りなんかと激しいアクションを交互に繰り出すことで上手く緩急もついてるし、投げた本人⇔投げられた相手や手前の敵⇔奥から迫る拳なんかで遠近のメリハリもついてるから全体的にリズムが良い。どうもグダグダになりがちな師匠の勝負の描写と違って、今回は特に文句をつける気にはなりませんでした。なお、この回一番の萌えどころは撤退命令にうじうじ抵抗するボリス……ではなくて、そのボリスがエンブレムを兼一に投げつけた時、思わず名前を呼んで手を伸ばしてしまったしおりんですから勘違いしないように。ひっじょ〜にちっちゃい描写ですが、観戦中は余裕ブッこいた態度を取っていても、本当は心配で心配でしょうがなかったという事実がここに表れています。ったくもう、素直じゃないんだから!

○兼一を襲う雑魚たちの魔の手
 三人がかりで女連れに襲いかかるたぁ、こいつら実力云々はともかく格闘家としてのプライドはないのかね……ということもちらっと思いましたが、私はそれよりこんだけ激しいアクションをしても意地でもパンチラしない美羽に注目しました。カラーページでは毎回必ず乳首を浮き上がらせる乳首神なのに、ここまで下着を晒すのを拒むのには何か理由があるんでしょうか? ……それとも、まさか黒い下着を履いてるから影のように見えてるだけなの?

○活人拳連合結成
 うっわ〜〜……ここまで何の役にも立たなさそうな味方の登場も久々に見ました。この漫画では「格闘の強さ」以外の尺度で優劣をつけることがほとんどないので、実力的に見劣りするとそのままキャラ的に見劣りしてしまうんですよねぇ(そういう意味で新島は数少ない例外)。彼らじゃ今の兼一の組手の相手くらいが精一杯じゃないのかな?


地底少年チャッピー(5+6)

○ジャーナリスト・レイチェル青山登場の巻
 この人の駄洒落はあまりスマートな感じがしないのでどうも好きじゃないんですよねぇ。個人的に「〜だけに」とか「これがホントの」というタームは爆弾扱いしてるもので(「〜だけに」だ! 「〜だけに」が出たぞ! ダジャレが来るぞみんな逃げろォォ――ッ!)。まぁ同じダジャレでも、「ジャぱん」のそれなんかはすでにダジャレがどうこうという次元ではなくなっていますけどね……。

○ミスズちん登場の巻
 なんか全く本編と関係ない上にオタクな話題で申し訳ないのですが、神尾さんちの観鈴ちんも学校ではミミズ呼ばわりとかされてたのかなぁ、されてたんだろうなぁ、とか考えてちょっとブルーになりました。そして無意識に過去形で喋っていることに気付いて余計ブルーに。さらにトドメに、ミミズでこれならブタゴリラというあだ名はあまりに酷すぎるなぁ、と改めて考えて致命的にブルーになり今に至る。ここはやはり愛を込めて薫ちゃんと呼んであげるべきだったんですよ(最初から最後まで何の話ですか?)


犬夜叉(441+442)

○今更すぎる提案
 ひょっとして、奈落は女の子キャラにしておいた方が良かったのではあるまいか……。桔梗への(欲望にまみれた)禁断の想いが募り、文字通り(妖怪に)身を引き裂かれるような苦しみの末、新しい(邪悪な)心と(化け物じみた)体で(人間以外に)生まれ変わった奈落子。奈落子は桔梗に(殺意をもって)さよならを告げ、新しい一歩を踏み出したの。それからの奈落子は常に自分の体を(妖怪を吸収して)磨き上げることに余念がなく、いろんな男に(命を)狙われているけど、頭の中はいつもたったひとつ(四魂のかけら)のことでいっぱい。気になるアイツ・犬夜叉には会うたびどうしても(悪意たっぷりの)嫌がらせをしてしまうけど、本当はいつも遠くから(最猛勝で)そっと見守ってるんだ。そしてなかなか明かされない奈落子の(ドス黒い)本心に、彼が一歩、また一歩と近付いて、やがてふたりはふたりだけの(最終決戦が繰り広げられる)世界へ……ほら、こうやって見ると、この殺伐とした話もなんだか少女漫画っぽく見えてきませんか?


最強! 都立あおい坂高校野球部(51+52)

○厚実戦が決着
 したわけですが、最後は意外とあっさり終わったな、という印象でしたね。その直前の盛り上がりが尋常じゃなかった分だけ、クライマックスではもうひと盛り上がり欲しかったところです。まぁプレーオフとかで変に粘られるよりは、これくらいシンプルでスピーディな決着の方がよほどすっきりしてるのは確かですけど……。でもどうせなら一球一週!くらいのペースでやってほしかったかも。心理描写70%・勝負描写10%・チア描写20%くらいで。

○で、勝ったのは良いんですけど
 なんか鈴ねえに対する過剰な評価がどうにも納得がいかない今日この頃。彼女、そんなに大それたことをやったっけ? 個人的にはどうも無茶ばっかりさせていたような気がしますよ……(実際、右京は死にかけてましたからね)。ここは彼女の器が認められる契機ではなく、彼女に自分の力不足を感じる契機にしていただきたかったです。

○ちなみに
 チアの子はやっぱり左端の子が良いと思った。


焼きたて!! ジャぱん(192+193)

○メイド雪乃
 こういう試みはとても良いものだと思いました。「メイドは優しくて従順たるべし」という既存の想像の枠をブッ壊せ! ついでに自己中心的な夢にまみれた野郎どもの目も醒ませ! ああ、この快感はコウノトリやキャベツ畑を信じる女の子に無修正のポル(r

○内容の方は、というと
 もうどこで笑えば良いのやら……この漫画を一歩引いた視点から読めるみなさんは、本当に大人だなと思った。私はパスの方向で。


結界師(105+106)

○ジジイをめぐる情熱
 えーと、もういっそ松戸先生が主人公でも良いんじゃないかと思った。
 というのは冗談ですけど、なんで松戸先生の時だけこんなに演出に気合いが入ってんでしょうね。もうかっこええのなんの。田辺先生がオヤジ・ジジイ属性持ちであることは(最初出番をすっぱりカットされていた兄貴が今では準主役級の活躍をしていることから)すでに明らかですけど、どうやら演出の切れ味も好みに合わせて変動するようで……。今まで私は散々「結界師」は演出が地味だ地味だと言ってきましたが、どうやらそれは正確なところではなかったみたいですね。正確には、気の乗らないキャラの演出は地味だけど、オヤジ・ジジイキャラの演出は派手なことこの上ないってあたりでしょうか。派手っちゅうか、静かだが凄みがある、みたいな言い方をすべきなのかもしれませんが。

 ただ、今まで松戸先生と白との間に何か因縁めいたものは示されてきましたっけ? (確かそんなものは提示されてこなかったはずなんですが……) それがもしきちんと提示された上での今回の登場の仕方なら、一層格好良さが増していたはずだと思うと実に惜しいです。斑尾やじじいとの関係といい、どうも松戸先生関連の描写は演出におっついてないような気がします。田辺先生のジジイにかける気合いと情熱だけが先走りしてる印象。

○江朱ああ江朱
 こ、江朱ゥゥゥ―――――!!(絶叫)
 江朱には城フェチとして地味に期待していただけに、この退場の仕方は実に残念でなりません。中身がタコという部分までは良かったんですが、こんなにあっさりやられるとはなぁ。彼には最後まで姫の傍にいてほしかったものです(できれば黒芒楼編が終わったあとも)。他の連中と違って、彼だけは特に裏もなく素直に姫に惚れ込んでいるようなフシがあったので、こういう奴が最後まで残ってくれると読んでてすっきりするんですけどね。

 で、牙銀=馬、紫遠=蜘蛛、江朱=蛸、姫=狐と続く黒芒楼動物妖シリーズですが、残る碧闇・藍緋・火黒・白はそれぞれ何の変化なんでしょうね。個人的に碧闇は蛇・藍緋は鳥だといろんな意味で美しいかなーと思いますけど、白黒については全くわかりません。火黒は一見したところでは人間ですが、包帯を解いたら中に何が入っていても不思議じゃないし、百に至っては全く手がかりなしときたもんだ。どっちも黒芒楼編で倒しきれる相手とは限らないだけに、中身が動物じゃない可能性も十分にありますしね。ますますわからん。

○姫、結界師と遭遇するの事
 違う、違うでショ? 何も違うでショ? そこで良守と遭遇すべきなのは姫じゃなくて藍緋でショー?
 というかちょっと本気で「藍緋が偶然良守と出会い、そこそこ友好的な関係になる」展開を夢想していたのでこれはいささかショックでしたよ。藍緋なら立派なボーイ・ミーツ・ガールになるところが、これじゃボーイ・ミーツ・おばちゃんですよ! いやおばちゃんがヒロインたりえる資格がないとかそんな話ではなくてですね、我々の藍緋にかける情熱はどこへ向かえば良いのかと。彼女はいつになったら表舞台のヒロイン扱いが許されるんだとそういう話ですよ。藍緋、どこまでも不憫な子!


ハヤテのごとく!(63+64)

○執事クエスト編クライマックス
 まぁ一言で言うと最後までグダグダでしたね。やりたいことがたくさんありすぎて、それらを上手く整理できないまま全部詰め込んじゃった感じ、というか。1ページ平均約6.31コマは伊達じゃないです(ちなみに同週の「MAR」は約3.26コマ/ページ、「結界師」は約4.88コマ/ページ、「D-LIVE!!」は約5.39コマ/ページ)。これでもうちょっと「情報を簡潔かつ的確に伝える能力」がついてくれば、凄い密度の読み応えのある漫画になると思うんですが、今のままだと単に見づらいだけかも……。

 シスター・ヒルダ(本編に名前は出てませんが、偽シスターのことです)のラストの処理については、危惧通りすぎて今更あーだこーだ言う気もなくなってきました。シスターは神様以外に恋をしてはいけない職業で、そこに味があるんだと何度言えば……まぁ人を襲っている時点でアレだし、破戒シスターと考えればそれで済む話なんですが、このままダンマリも悔しいので最後に一言だけ。教会にいて修道服を着てさえいれば誰でもシスターであると思ってるなら大間違いだぞ!

 なおシスターの親については、確認したところ確かに外伝に出てました(サンデー超2005年GW号23〜24ページ)。でも言われなければ絶対に判別不能な描かれ方をされているので、ここで「公式の繋がり」として前面に押し出すにはちょっと弱かったと思います。こういうのはコミックスで「実は!」という扱いをされる方が楽しかった……かな?

○ハヤテとマリアのドキドキ看病編
 ええ、はい負けましたよ。畑先生の思惑通りに萌えてしまいましたよ。

 ハヤテに。

 ッか――――――ッ!!(机をバンバンと叩きながら) だってえええ〜あんな「え? 私本当に幸せになっていいの? いいの?(意訳)」ってな反応をされたら薄幸属性萌えの私のツボにストライクが叩き込まれるに決まってるでしょーが! その上「働いてないと落ち着かない」「幸せすぎて死ぬんじゃないか」ですよ! そんな不幸&貧乏性丸出しの台詞を吐かれたら! もぉどうぞ幸せになってくださいよ! 存分に幸せになってくださいよォ!

 ……うん、いや正直マジでヤバかったですね。ハヤテが男じゃなかったら今週で間違いなく陥落していたと思います(真顔で)。というか、作者の思惑通りにポジティブに心を動かされたのって、この漫画ではこれが始めてかもしれません。これまでは全部作り物めいていてイマイチのめりこめなかったり、感情移入してもハヤテ両親や桂先生へのマジギレとかマイナスベクトルのものばっかだったからなぁ。いや今週は堪能しました。話も主題を絞ったおかげですっきりしてたし、言うことなしです。どうもごちそうさまでした、ケプッ。

 ちなみにマリアに関しては……あくまで仕方なく奉仕してるだけだったので、今週のストロベリっぷりには特に心動かされはしませんでした。好きな人につきっきりで介護されるのが良いんじゃなくて、好きな人がつきっきりで介護してくるのが良いんですよ! 受動から能動への変換、この違いがわかるかね! 要はラブですよラブ! あと、みなさん注目のパンチラについては……私の反応は、言わずもがなの「あ、そうですね」ということで。これでマリアがこっそりババタイツでも履いていたら有無を言わさず撃沈していたと思いますが、そんなことはなかったですしね。残念、残念。

 あともいっこだけ追記。神風の術なんて今回の騒動で初めて知りました……。他所の感想サイト様ではどこも当然のようにこの名前を出して納得してますけど(これは細野不二彦「さすがの猿飛」という漫画に出てくる変態主人公の技だそうです)、なんだかこのへんに漫画読みとしての自分の未熟さとか中途半端っぷりを思い知ってショボーン。もっとたくさん漫画読んだ方が良いのかなぁ。


見上げてごらん(41+42)

○飛燕vs横山戦決着
 うん、熱い良い勝負でしたね……きっと。横山さんは今後もきっと飛燕の良きアドバイザーになったりするんでしょうね……きっと。……ごめんなさい、私はとうとう最後まで飛燕の頭が気になって試合に集中できませんでした……!

○了vs玉置戦開始
 その「合宿が終わってからの尋常じゃない上達の早さ」の一歩一歩がちゃんと見たかった。そういうところを飛ばすから、急成長が主人公特権のご都合主義に見えるんですよ。どっちかというと気持ち的には玉置の方を応援したいかも……(玉置は普段がアレなので、この試合限定の話ですが)

○ところで
 なんか五つ葉の桂さんが格好付けて見に来てらっしゃいますが、この方って確か便器(大)で用を足しながら偉そうなウンチクを垂れていた方ですよね? (記憶がどんどん捏造されつつあるようです)


クロスゲーム(18+19)

○クローズアップ赤石
 どういうことかわかりませんが、ここ二週はなんだか赤石が準主役級の活躍(?)をしてて個人的にはかなり嬉しかったりするのでした。7号の最終ページ柱アオリで若葉・青葉のツートップに並んで名前が出されたり、8号でも千田・中西といった同級生組を抑えて単独出場を果たしたり、赤石キャンペーン中と呼んでも過言ではない展開でした(フィルターかかりすぎ)。この調子で彼が青葉とのスポーティな恋愛を猛チャージする展開になれば良いな。え、光? そんな主人公には紅葉を進呈します。おめでとう!

○赤石、目覚めの刻(とき)
 にしか見えなかったんですけどあのシーン。みんなそうだったみたいですけど。しかし、「主役級キャラがみんな同じ顔」であることを逆手に取ったあの演出は見事。本当はただの手抜きのくせに、マジでスターシステムみたいな使い方をしやがって。いかにも権力者ですといった風情の呑ん兵衛じいさんの登場といい、こういう小狡いところが良くも悪くもあだち先生の味なんでしょうけどね……ダメだ、やっぱ私はまだ引っかかりを感じる。

○とはいえ
 重度のあだち充嫌いだった私にしては、今回の「クロスゲーム」はなんだかんだで楽しめているあたり、愛は慣れアイというか、慣れって大事だな、と思わずにいられなかったり。今までのあだち漫画の中では一番私と波長が合うというのもあるんでしょうけど。「H2」とか「KATSU!」なんかは連載されていた頃は全然ダメだったんですが、今読んだら違う視点から再評価できるかもしれません。この点に関しては、私も少しは成長しているようでちょっとほっとしています。


あいこら(25+26)

○ハイジの尻
 あー、サンデーの懐も深くなりましたよねえ。まさか男の尻のサービス(!?)カットを連発する漫画を許容できる雑誌になったんですからねぇ。……と思ったけど、実はこれって「女の子の尻」じゃないからこそ堂々と掲載されてる、という話ですか? 発禁コードを逆手に取って、「だってこれ男の裸じゃん、だから大丈夫」と限界を超えた読者サービスを提供する前フリなんでしょうか? な、なんてことだ! (考えすぎ)

○男の嫉妬は
 醜いですねえ。しかし真の問題は嫉妬することではなく、嫉妬にかられた行動を取ることにあります。自己を高める方向に作用するなら何の問題もないんですが、他人の足を引っ張る方向に作用するとどうしようもありません(とはいえ、彼がどんなに真面目に頑張ったところで、ハイジほどモテることはまず100%不可能だったと思いますけど。世の中には不可能というものがあるのです)。ま、程良いベクトルの嫉妬は成長の原動力になるから、彼にも頑張ってもらいたいですね……と嫉妬人間の一員として軽くフォローを。

○エプロンを装備して後ろで大雑把に髪を束ねた天幕
 一言で言うならグレイト。いっそこっちをデフォルトにしてくれませんか井上先生。なんと言いますか、発言内容と相まって苦労妻っぽい雰囲気がたまりません。苦労妻ですよ苦労妻。ダンナの稼ぎの少なさにため息をついて、前と後ろに幼い赤ん坊を抱えながらスーパーのチラシとにらめっこしているようなあの苦労妻ですよ(わかったっちゅーねん)。普段のあのいかにも女子高生ヒロインだぜ!みたいな髪型で倹約節約がどうのとブツブツ呟いてる姿もミスマッチのギャップ効果で素敵なものがありますが、この髪型の方が「パズルの最後のピースが吸い付くようにハマった!」って感じでグッとくるものがあります。

 具体的に言うなら、こうね、お洒落をする余裕もないんですよ苦労妻には。そんなことしてるお金と手間があったらその分食費とか日々の暮らしの仕事に回るんですよ。だから髪の縛り方だって適当なんです。んでもって手入れをしてないからだんだん荒れてきた肌とか手のひらを見てまたため息をつくんですが、そんな中で4歳の息子が「だいすきなおかあさん」の絵をプレゼントしてくれた日なんかにゃもう涙もポロポロこぼれて崩れ落ちるってなもんですよ!

 ッか――――――ッ!!(机をバンバンと叩きながら) たまらん! たまらん! 苦労妻さいこう! 薄幸美人ばんじゃい! ばんじゃーい!! ……以上、みなさんにも理解できるように上の話を翻訳すると、「私はあの服装と髪型で貧乏臭い話をする天幕に萌えた」ということです。おわり。

○軟膏プレイ
 やってることは一見海辺のオイル塗りとさほどの違いがないように見えますが、なかなかどうしてこれは深いプレイですね。相手の弱っている部分をフォローしてあげるという庇護欲をそそり、「浴衣の中の太腿」という普段隠れた部分を露にするためチラリズムの要素もあり、かつ直接のスキンシップを必要とするためエロチックさも醸し出している。塗った場所に粘着質の物質を残すという事実もまた卑猥感を実際以上に掻き立てます。ついでに言うならば、そんな場所に軟膏を塗ることを許可している時点で女の子の同意も得ているのでラブラブレベルも問題なし。流石井上先生、わかってらっしゃる。

 で話を〆ると私がただの変態にしか見えないので(手遅れですが)マトモなツッコミを入れると、お前なんでもプレイって単語をつけたらそれで良いと思ってないかと。プリンだの軟膏だのはたまたま上手くいっただけなんじゃないかと。ということで、今週のサンデーの他の漫画から無作為に抽出したいろんな単語にプレイという言葉をつけてみました。

・変身プレイ
・トマトプレイ
・ゴミ捨て場プレイ
・眉毛プレイ
・日光プレイ
・モナカプレイ
・タコプレイ
・醤油プレイ
・地雷プレイ
・絶望プレイ
・ロールキャベツプレイ
・バイクプレイ
・発情期プレイ

 ……なんか、変身プレイとか発情期プレイは普通にありそうで怖いなぁ。バイクプレイや日光プレイなんかは難易度が高そうですが。あと食べ物を絡めると途端にえろくなる傾向が見られるのがわかったのも収穫ですね。個人的に醤油プレイがどんなものなのか気になります(なんか主旨が変わってきてませんか?)。っつーかハミルさんの絶望プレイは普通にそのまんまの意味でプレイでした。ごめんなさい。


絶対可憐チルドレン(25+26)

○柱の登場人物紹介欄の葵の紹介
 テレポート能力の応用が作中で展開されるとほぼ同時に、「戦闘能力も意外と高いことが今回判明」 と内容が変わったのはお見事でした。これで8号になっても同じ文章が掲載されてなければ完璧だったんですけどね。

○目つきの悪い黒巻節子
 そして「グランドライナー」のハミルさんに続いてこちらにも悪女ヒロインが登場したわけですが、こっちはまだ「実は純情キャラ」な可能性があるだけ幾分期待がもてるってもんでございますですよ? 態度が悪いのは素直じゃないからで、本当は一途なハートの目つきが悪い純情悪女キャラ。ああ、考えるだけでゾクゾクしますわ。まぁそんなことは100%ないでしょうけどね。

 それにしても「ドリーム・メーカー」は実に使い方の難しい能力ですね。こういった特殊なケースを除いては、あとは強制スリプル的な用途くらいしか思い浮かばないんですけど。あ、でも誰かを洗脳するのとかにうってつけかも。繰り返す夢で自分に都合の良いイメージを叩き込んで、相手を自発的に自分の良いなりにさせる。おお、結構使えるじゃないか! 外道だけど。

○夢からの脱出
 7号の時点では、薫と皆本が両方夢に突入したは良いけれど、一体どうやって脱出するんだろうなーとか考えていたんですけど、「薫は外からの通信が通じる」ということで意外とあっさり解決しちゃいましたね。まぁ「新婚ラブラブな台所のシーン」に到達する前にループが終わったのは皆本にとってはラッキーだったということで。アレを経由したあとだったら、いろんな意味でもう取り返しのつかないことになっていたでしょうからね……(笑)。

○なお、今回最大の萌えポイントは
 賢木の「シンクロナイズド睡眠!?」 というオヤジギャグを聞いて、思わず顔を引きつらせた紫穂でFA。恐らくこの時のショックを引きずっていたからこそ黒巻の催眠から素早く目覚めたわけで、そういう意味では賢木は地味にファインプレーを達成したと言えるのではないでしょうか(大嘘)。


兄ふんじゃった!(49+50)

○ヤン子、交換日記を無理矢理始めるの巻
 ん〜これは難しいですねぇ〜。本来こういった妄想暴走ヒロインは私のストライクゾーンまっしぐらで萌え狂って即死するはずなんですが、自分でもびっくりするくらいヤン子には萌えないなぁ……。これは一体どういうことなんでしょう? やっぱり色気が足りないってことなんでしょうか? ギャグキャラの宿命か、ヤン子は「可愛く描かれてない」ですからねー。作中では別にブサイク扱いでもなんでも良いので、読者的には可愛く見せてほしかった、というか(「アルバトロス」のゴミ子みたいな感じ)。それさえできていれば、それが女だろうが男だろうが幼女だろうがおばさんだろうが私は萌えるんですけどねぇ。脳内で仮にヤン子のビジュアルを「D-LIVE!!」の ロコに「アルバトロス」の緑川理香に変更したら、あまりに萌えすぎて鼻血が出そうになりましたよ。うん、惜しかった、非常に惜しかった。

○テルキヨっちの巻
 いっそシーマンの方がまだナウかったんじゃないでしょうか? (ここツッコむところですよ奥さん!)


読み切り:護って騎士

○寸評
 何はともあれ、おふくろさんの存在がデカいですね。主人公は(途中で改心するとはいえ)典型的なクソガキで好感度は低いんですが、それをきちんと諌めてくれるおふくろさんのおかげで大分救われています(おそらくそれは作者の計算のうちでしょう)。そして頻繁な親子喧嘩で殺伐とした空気をヒロインによって和らげる、と。このように王道ながらもちゃんと計算してキャラを配置し、そして計算通りに機能させているので、話としてしっかりまとまって見えます。ということで、私のこの読み切りの評価は結構高めです。さすが入選作。惜しむらくは、計算が行き届きすぎていて、感情的に突出した部分がないことでしょうか。これがとことん突き詰められて「突出した部分が出るように計算される」ようになったら最強なのですが、まだまだそこに至るまでの道のりは遠そうだし。ともあれ、楽しみな新人さんが出てきたことは喜びたいです。

 ちなみに絵については、私は新人さんの場合ほとんど気にしないのであしからず。数を描いてりゃそのうちどんどん上手くなってくもんなので。それに現時点でそこまで下手というわけでもないし、これなら(新人さんとしては)問題ないレベルなんじゃないでしょうか? ただ欲を言えばもうちょっと女の子に色気が(r


からくりサーカス(機械仕掛の神74+75)

○まとめ回想の入れ方
 ごめんなさい、初見ではこのへんあまりに読むのが辛くてマトモに見れませんでした。なんつーか、回想というか「これまでのおさらい」の挿入の方法があまりに下手すぎて……。今読み返すと最初に感じたほど酷くはなかったりしたんですが、でもこれはちょっとなぁ……。エレの記憶についてリアクションするシーンはこれで良いとしても、仲町サーカスの過去を振り返る部分は説明台詞のオンパレードで泣けてきます。なんか……なんか、なんかもうちょっとなかったのかなぁ……。

「他の記憶なんかたァキラキラ度合いが違うのよ」
 最近の鳴海が妙に美形化してるのはこのせいなんでしょうか? エレの妄想が「生命の水」を通じて現実を浸食し始めた……!?

○妙に聞き分けの良い勝
 ギリギリの綱渡りですが、とりあえず破綻だけはしてないので良し。最近、この神業のような辻褄合わせは立派な芸なんじゃないかと思えてきました。

○実は記憶が戻ってました!
 ……マジですか?
 この程度の演出で済まされてしまうなら、これは最後まで明かさない方が良かったんじゃないかなぁ、とちょっと思ったり。でもこのタイミングで明かすということは、何か考えがあってのことだと信じますか。

○迫るデルニエ戦のメンバー
 基本的には、カピタンvs勝、ブリゲッラvs鳴海、ハーレクインvsエレという形になるのかな。それが今までの因縁的に一番しっくりくる組み合わせかと。そこに最古の二人やディアマンティーナをどう絡めるのかはわかりませんが、仲町三人衆はレディ・スパイダーの、三牛親子はフラッシュ・ジミーの相手になるでしょうから、これが順当なんじゃないでしょうか?

「そしてもう戻ってこない」 「それきり、もう 帰れねえ」
 ちょ、ちょ! いつの間にそんな話になってたんですか!
 ……ということは、恐らくゾナハ病の止め方を聞き出したあとは、フェイスレスもろともステーションを破壊してしまうつもりなんでしょうね(じゃなきゃあとで迎えに行けば良いだけの話ですからね)。そんなことやったらスペースデブリが……云々はとりあえずおいとくとして、そういう大事な情報はちゃんと事前に強調して示しておいて欲しかった……。

 あーやっぱダメだ。「からくり」感想はどうしても文句ばっかになる……。長文の感想でこれをやったら見苦しいだけだな。


D-LIVE!!(43-5、43-6)

「髪の毛を5センチ焦がされた恨みを晴らす!!」
 えっ……えええええええッッ!!??
 ちょっと聞きましたか皆さん? あのあっきーが、髪の毛が焦がされたことを怒ってますよ? あの自然大好きっ子のあっきーが、ギアナ高地を破壊されたことよりも、自分の髪の毛を焦がされたことの方を怒ってるんですよ? お……お……乙女じゃないかぁ……ッ! 立派な乙女ヒロインじゃないか! こいつァびっくりだぜ!

 え? ミサイル撃たれてよく髪の毛5センチ焦がした程度で済んだなって? 何を言ってるんですか、むしろ5センチも焦げたことが信じられませんよ。無傷は当たり前、下手したら吸収もしくは反射していた可能性だってありますからね……。ヤムチャの攻撃がフリーザに通用した!ってくらいイレギュラーな事態じゃないですか。しかもその上乙女ですよ。やべえよ、もう無敵じゃん! あっきーはどこまで強くなるんでしょうか、恐ろしい子やわ……!

○そして伝説へ
 あー、そしてあの企画でトップを獲った彼ですが。

 え、マジでヒロインぽくね?

 斑鳩のことが心配でならないから敵陣に単身乗り込んでみたり、斑鳩のことが心配でならないから物陰からコバウォッチ(元東洋カープ監督の古葉監督のように、物陰から半身だけ出して覗き込む様子)で見つめたり、斑鳩のことが心配でならないからタイマン勝負を挑んだり、斑鳩のことが心配でならないから戦いに行くのを止めようとしたり。あんたはどんだけ斑鳩のことが心配でならないんですか。

○斑鳩の欠点
 そしてそんなNo.1ヒロイン・ロコたんによって白日の下に曝け出された斑鳩の弱点は「マシンを捨てられないこと」。以前の感想で斑鳩の弱点は「乗り物と文字通りの一蓮托生の運命に身を委ねてしまう危険」ではないか、と言ったことがあるのですが、一応それが正解だったみたいですね。とはいえ、アレだと半分正解、程度が精一杯ですけど。

 そして敗北した斑鳩は戦場に連れて行ってもらえず、他のメンバーだけでASE復興のための決戦へ。残された斑鳩は弱点を克服するための修行展開に入り、そしてキマイラや百舌鳥に苦境に立たされた仲間のピンチに駆け付け、黄金の「ヒーローは遅れてやってくる」を体現してくれるのですね! となると、修行編がこれからのメインとなりますから、そこにNo.1ヒロイン・ロコの姿があるかどうかがひとつの鍵になるわけですか(何の鍵ですか)。最近出番のない非戦闘員の初音ちんや烏丸先生の登場はカタいとして、そんな竜虎相討つような女の嵐の中にNo.1ヒロイン・ロコまで飛び込んだ日にはどうなってしまうことやら(何がだよ)。でもロコは初音ちんや烏丸先生と違ってNo.1ヒロインですから、女二人のいがみ合いを尻目にさっさと勝利しちゃうに決まってますよね(だから何にだよ)。でも直接修行編に参加はせずに、戦場で戦いながら「お願い、悟、早く来て……!」とNo.1ヒロインらしくヒーローの登場を待つのもアリかも。なんだ、どっちに転んでも美味しいんじゃん!


ネコなび(28+29)

○腹の底からうなり声/ペットを飼うということ
 漏れそうなおっさんはともかく、03・04合併号の感想で私が「都会でねこを飼うなら去勢するのがマナー」と言った理由のひとつはこれです。発情期のねこは信じられないほど五月蝿くなります。知らない人にはちょっと想像しづらいかもしれませんが、唸り声とかわめき声とかそういうレベルじゃないですよ。文字にするなら「アオオオオオオオオ!!」という感じで、ちょっと怖くなるくらい激しく絶叫します。原稿がヘボい言い訳を助長するわけじゃありませんが、あんなの聞かされ続けたら原稿なんて手につかなくて当たり前です。まぁ、それで済むならあとは飼い主の気構え次第で解決するんですが、当然問題がそこで終わるわけではなく、安物のアパートやマンションの壁なら、間違いなく隣人宅まで筒抜けなんですよね……。これは一種の騒音と思われても仕方がないでしょう。

 あと、これは本編の内容からはちょっと離れてしまうのですが、ついでなので書いておくと、私が去勢を推奨するもうひとつの理由は、もし妊娠・出産した場合、仔ねこの飼い主がそう簡単には見つからないから、です。ペロ先生は万一プロジェクトDNAが成功して姫に子供ができた場合、その子供をどうするつもりなんでしょうか。初めての経験で姫一匹ですら持て余し気味なのに、それに加えてさらに三匹〜四匹も仔ねこを同時に飼うことなんてできるんでしょうか(精神的にも、物理的にも、物件的にも)。そこが不安で仕方がないのです。もし里親が見つからなくて、かつ自分だけで全てを飼い続けることができなくなった場合、取れる手段はごく限られてくるのは想像に難くない……ですよね(まぁ、漫画家なら誌面上で里親を募集することも「その気になれば」可能でしょうけど)。わざと汚い言葉で事実を述べるなら、その辺の路上にゴミ同然にポイしてくるか、もしくは保健所に託してブッ殺してもらう、というわけです。前者は違法、後者は合法というだけで、実態はどちらもペットの虐待ですよ、言うまでもなく。殺すのわかってて引き渡すわけですからね。まぁペロ先生がそんな手段に出ることはないと思いますが、でも実際問題として、ペロ先生の住む環境では去勢は必然の選択肢であることに変わりはありません。ですが、実際はご覧の通り。ペットを飼い始めて日が浅いから仕方がない部分もあるとはいえ、私の目には、先生の考えは非常に浅はかで身勝手なものにしか見えません。端的に言うなら、「本気でペットを飼う覚悟」があるようには到底思えない。無責任とは言わないにしろ、首を傾げてしまう部分が多々あります。

 ペットを飼うということは、最後まできちんと面倒を見る責任を引き受ける、ということです。そして、最後まできちんと面倒を見る責任を引き受けるということは、すなわち、言うことを聞かなくても痛い目にあっても、弱っていても苦しんでいても、年とってボケてもそして死ぬ時も、何年もしくは何十年という長い間、きちんと愛情を持って接し続けてあげるということです。もちろんそんなことを成し遂げるためには、人間一人をそのあいだ愛する分と同じくらい絶大なエネルギーが必要です。こういう言い方をすれば、安易にペットを飼おうとか増やそうとか言ってる人が、どれほどモノを良く考えていないかおわかりでしょう? だからペロ先生は信用できないのです。

 なんか話がズレてきましたが、要するに、発情期発情期言って喜んでる(そういう風に見える漫画を平然と描ける)人間が、イコール都会でペットを飼うということをナメきってる人間が、私はどうも信用できない、ということですね。そしてもし彼が失敗した時、一番酷い目に遭うのはペロ先生ではなく姫(とその子供たち)であるという事実が不安でしょうがないのです。
 ねこ一匹飼うにも命懸け、しかし、だからこそ全身全霊をもって愛することができる。
 ペロ先生は、姫を命を懸けて飼うことができるんでしょうか?
 全身全霊をもって愛することができるんでしょうか?
 彼に飼われている姫のために、本当に、本当に、今はそれが不安でなりません。


総括

 久々なので、ちょっといろんな意味で張り切りすぎました。反省。
 さてそれでは「今週のMVP」のコーナーですが、今回は二号分が範囲なのでそれぞれについてMVPを決めたいと思います。まず7号は……これはもうハミルさんとNo.1ヒロイン・ロコの一騎討ちに決まってますね。ということで、ここは新鋭への期待を込めてハミルさんに進呈しましょう。そして次に8号ですが、今度は個人的にハヤテとNo.1ヒロイン・ロコの一騎討ち、ですかねぇ。お恥ずかしながら、ハヤテの不幸属性が本当にそれくらいクリーンヒットしてしまったので……ええい、もってけお前がトップだハヤテ! そしてNo.1ヒロイン・ロコは総合グランプリに決定だ!

 ということで今回のMVPは、7号がハミルさん、8号がハヤテ、総合ではNo.1ヒロイン・ロコ、という何がしたいのかさっぱりわからん結果になりました。マトモなキャラがひとりもいねーじゃねーか! まぁ例の投票の結果発表直後、と考えれば実に納得の結末ですが、しかし本当にこれでいいのか自分。

 ……あ、あと来週はちょっと私事が最後の山場を迎える頃合なので、感想はごく簡単なものにとどめると思います。その代わりたぶん更新がめっさ早いので、そういうことでよろしくお願いします。





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